肌質改善– Improve Skin Condition –

目次

美肌になるための9つのヒント– 9 Tips for Healthy Skin –

肌質を改善するために、必ずしも高価な化粧品や施術が必要なわけではありません。ライフスタイルの観点から、自分でできる9つの美肌になるためのヒントを記載しました。基本的には「何もしない」ケアが中心なので、比較的楽に実践できると思います。

帽子で紫外線対策をする女性

1.太陽から肌を守る

肌をケアする最も重要なものの一つは、太陽から肌を守ることです。紫外線は肌老化を促す最も大きな要因であり、生涯にわたってシミ、シワ、たるみなどの問題を引き起こします。

UVA と UVB の両方から皮膚を保護する日焼け止めを使用し、汗をかいた後には塗り直ししてください。日傘や帽子、衣類などを利用して直接太陽光を遮ってください。

2.洗顔をしすぎない

「顔を洗えばきれいな肌になる」「ニキビは肌を不潔にしているからできる」と言う迷信を信じている方がとても多くいます。

洗顔料やクレンジングの洗浄成分である界面活性剤は、肌のバリアを壊し、肌荒れやニキビの炎症を悪化させる懸念があります。スクラブ洗顔料やピーリング石鹸も同様です。

洗顔料の使用は乾燥肌では1日1回、脂性肌でも2回までとし、それでも汗や皮脂が気になる方は水やぬるま湯だけですすいでください。その際に、皮脂をすべて落とす必要はありません。

美肌のために洗顔をする女性
肌が摩擦で傷ついている画像

3.肌をこすらない

入浴時にフェイス用ブラシやナイロンタオルでごしごしこすらないようにしてください。

垢が取れてきれいになったように感じますが、こすって取れたものは肌を守ってくれる角質です。こすることで余計に肌はくすみ、黒ずみや肝斑が悪化します。

クレンジングや洗顔、メイクアップでこするのも厳禁。毎日の摩擦習慣は肌へ大きなダメージを蓄積させます。洗顔後はタオルで軽くプッシュして水分をふき取り、スキンケアとメイクは優しく行ってください。

4.顔をマッサージしすぎない

マッサージすると、血行が良くなりリンパが流れてむくみが解消されます。顔色が良くなり小顔効果も得られますが、それは一時的なものに過ぎません。

肌が動くとエラスチンが伸びます。エラスチンは弾力性に富んだ繊維ですが、過度な伸展で損傷し、弾力性が失われます。肥満や妊娠後に皮膚が引き伸ばされると、体重が落ちた後も皮膚が戻らずたるんでしまうのもこれが理由です。

過度なマッサージを習慣的に行うと、たるみの原因になります。マッサージは指圧程度にし、皮膚を伸ばす美顔ローラーやフェイシャルマッサージ、ゴリゴリするリンパマッサージなどは避けてください。

美顔ローラーで顔をマッサージする女性
メイクアップをする女性

5.肌に合わない化粧品をやめる

化粧品に関連する肌荒れやアレルギーは、香料、防腐剤、染毛剤、酸化防止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤など、様々な成分・添加物が原因で起こります。

私たち皮膚科医は、アイメイクやクレンジングによるまぶたの皮膚炎や黒ずみを日常的に診療します。コンディショナーやマニキュアのついた指でこするといった、ヘアケア製品やネイルケア製品でも接触性皮膚炎が起こることが報告されています。

肌に合わない化粧品をやめ、シンプルなメイクとスキンケアをおすすめします。

6.禁煙する

40歳の喫煙者の皮膚は、70歳の非喫煙者の皮膚に近いことが報告されているほど、タバコは肌の老化を加速させ、しわやシミの原因となります。

ニコチンを含むタバコ中の有害物質は、皮膚の毛細血管を縮小し、血流を減少させるため、肌に必要な酸素や栄養素を枯渇させます。

一度老化した肌の時計を巻き戻すことはできないため、一刻も早く禁煙することが大切です。お近くの禁煙外来で医師にご相談ください。

禁煙のためタバコを握りつぶす手
野菜中心のヘルシーな料理

7.健康的な食事

健康的な食事は、肌や健康のために良く、気分もあげてくれます。皮膚老化と食事との関係性は、まだ明らかではないものの、野菜、果物、全粒粉、動物性・植物性タンパク質などをバランスよく摂りましょう。

また、水をたくさん飲むことで、肌の水分量を保つことができます。

ビタミンACEやビタミンB群は、肌の抗酸化作用や代謝にとって重要であることは有名ですが、近年ビタミンDの肌に対する効果も注目されています。

ただし、ビタミンやミネラルの過剰摂取は健康にとって逆効果を示すこともあり、サプリなどでの摂りすぎに注意してください。

8.定期的なエクササイズ

運動によって筋肉は肥大し、肌のハリやたるみが改善することは、経験上知っている人も多いと思います。定期的なフェイスエクササイズを行うと、頬の位置が高くなり、顎のラインがシャープになります

また、肥満症や糖尿病などの生活習慣病は、コラーゲン、エラスチンなどの肌の弾力を保つ細胞外マトリックスに悪影響を与えるため、定期的な運動で生活習慣を予防することが大切です。

ただし、激しい運動は活性酸素を大量に発生させ、日中のスポーツは紫外線による皮膚老化を促進させるため注意してください。

※額、眉間、目尻などの表情ジワは、フェイスエクササイズで改善しにくいことも報告されています。

男性と女性が健康のためにダンベル運動をしている写真
気持ちよく睡眠を取り、ストレスを解消する女性

9.ストレスを避け、十分な睡眠を

心理的なストレスは、ストレスホルモンなどの影響でニキビを悪化させ、肌に悪影響を与える可能性があります。

生活習慣を律せず、散歩、運動、読書、映画、カラオケ、入浴など、自分の好きなことをする時間を作り、やることリストを減らしましょう。

十分な睡眠時間を取る人は、あまり取らない人と比較して、肌のバリア機能が保たれ、紫外線損傷からの回復も早く、皮膚老化スコアが低かったと報告されています。

7時間以上の良質な睡眠を取るように心がけましょう。睡眠はストレスの解消にも大いに役立ちます。

健やかな肌のための美容医療– Aesthetic Medicine for Healthy Skin –

まず皮膚疾患の治療を

遺伝的・体質的な要因が大きいニキビ、アトピー性皮膚炎、酒さ、脂漏性皮膚炎などでは、自分でできることは限られてしまいます。そのため、まずは治療で肌荒れの原因である病気(基礎疾患)を改善する必要があります。

また、シミやイボ、肝斑、シワ、たるみなど、加齢によりすでに起こっている症状の場合も治療が必要です。「診療メニュー」から該当するお悩みや基礎疾患の治療をご参照ください。

お肌の悩み別メニュー

肌質改善のための美容医療

基礎疾患の治療以外に、肌質改善に効果的、かつ、基本的な美容医療を記載します。

オススメ
プラセンタ注射 2~3本 / 週

「プラセンタ注射」は、最もオススメする「きれいな肌を作る土台の美容治療」です。非常に安全性が高く、肌にうるおいを与えます。乾燥肌の方や30代以降の方に特にお勧めです。当院の医師やスタッフも毎週注射をしています。

オススメ
トレチノイン / レチノール

「トレチノイン」「レチノール」などのビタミンA系の成分は、外用では最も美肌に効果があります。鼻の毛穴などの局所的に使用する場合は、強い作用のトレチノイン、お肌全体に毎日使用する場合、レチノールがおすすめです。日々使用することで、エイジングケア効果が期待できます。

スキンケアは、「調剤化粧品」の化粧水とクリームだけのシンプルなケアで十分です。

オススメ
ピーリング

ピーリングは、肌がごわついたり、皮脂が多い方にお勧めですが、敏感肌や乾燥肌には不要です。また、やり過ぎも注意が必要です。当院では、皮剥けなどのダウンタイムはあるものの美肌作用が強い「トラネックスレチピール」と、副作用が少なくマイルドな「サリチル酸マクロゴールピーリング」を扱っています。

※肌への酸化作用の問題から、マッサージピールは取り扱っていません。

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