プラセンタとは– About Placenta –
プラセンタとは「胎盤(たいばん)」のことです。
プラセンタエキス(プラセンタ抽出物)は、日本でお産された赤ちゃんの胎盤を溶解することによって作られています。そのため、プラセンタエキスには細胞は含まれていませんが、広範囲のタンパク質、ミネラル、アミノ酸等が豊富に含まれています。
プラセンタの効果
ヒトプラセンタエキスには抗炎症作用や鎮痛作用6 8 10、抗酸化作用7 11、創傷治癒作用9、更年期障害の改善5、肝臓保護作用13など、さまざまな研究グループから多くの効能効果が報告されています。
プラセンタの肌への効果も多岐に渡り、皮膚線維芽細胞を増殖させ、Ⅰ型コラーゲンの生成を大幅に高めます4 9 12。また、プロテオグリカン(バーシカン)、エラスチン、ヒアルロン酸の合成を高め、肌のうるおいやハリを形成する細胞外マトリックスを増加させて皮膚老化を防ぐ作用が報告されています4 。
- 慢性的な疲れが気になる方
- 肩こり、腰痛、ひざなどの関節痛をお持ちの方
- スポーツを行う方で筋肉痛や筋肉疲労が抜けない方
- 乾燥肌の方やアトピー性皮膚炎の乾燥を緩和したい方
- 冷え性、生理不順、生理痛がひどい方
- 更年期障害の症状がある方
- シミ、くすみ、肌荒れが気になる方(予防美白効果)
- 自律神経失調症、拒食症、不眠症の方
- 肝機能が悪い方
- 花粉症などのアレルギーをお持ちの方
- 一時的にニキビができやすくなる方がいます。
- 効果の感じ方には個人差があります。
プラセンタ注射
プラセンタ注射の種類

プラセンタ注射は、ラエンネックとメルスモンの2つ種類があります。
医療用に使われているプラセンタ注射薬で、厚生労働省から医薬品として認可を受けています。いずれも日本国内の産婦人科で健康な母親から正常分娩で生まれた胎盤を使用して作られたものです。
ラエンネックとメルスモンの比較
| ラエンネック | メルスモン | |
| 人胎盤エキス量 | 112mg / 2ml | 100mg / 2ml |
| 添加物 | ペプシン(ブタ由来) 乳糖(ウシ由来) PH調整剤 | ベンジルアルコール |
| 注射時の痛み | やや強い | 弱い |
疲れに効くのはラエンネック、美容に効くのはメルスモンという情報も目にしますが、長年プラセンタの治療を行ってきた知見から、両者の効果に大きな違いはありません。
1本(2 ml)あたりの胎盤含有量は、ラエンネックのほうがメルスモンよりも10%ほど多いため、当院ではラエンネックをお勧めしています。
添加物として、ラエンネックにはpH調整剤と、製造工程中に使われているペプシンや乳糖が含まれています。メルスモンには添加物としてベンジルアルコールが0.03 ml含まれています。体質的にこれらの添加物にアレルギー反応を起こす方がいますので、痒みや発疹などが出現した場合は薬剤を変えた方がよいでしょう。
また、稀ですがラエンネックで頭痛が起こるという方がおり、その場合はメルスモンへ変更します。逆に、メルスモンで眠気が強く起こるといった場合には、ラエンネックへ変更します。
ラエンネックのほうがメルスモンよりも酸性度が高いため、注射時の痛みが強いというデメリットがあります。メルスモンはPHが中性近く、ベンジルアルコールという痛み止めの成分が含まれているため、注射時の痛みが少ないというメリットがあります。痛みに弱い方へはメルスモンを、そうでない方へは胎盤エキスの含有量が多いラエンネックをお勧めしています。
当院では毎回注射のたびに、ラエンネックかメルスモンをお選びいただけます。ご希望の製剤を受付でお申し出ください。
プラセンタ注射の量と頻度
以下は当院で推奨しているプラセンタ注射の「量」と「頻度」です。
- 最初の4週まで
-
週に2回(1回あたり3本)
- 4週以降
-
週に1回(1回あたり2~3本)
今までプラセンタ注射を受けたことはあるが、あまり効果を感じなかったという方は、注射の頻度と量、期間が足りていないことがほとんどです。「肌のクリニック」では、しっかりと効果を実感するために、最初の4週間は週に2回、1回あたり3本(3アンプル=6 ml)を注射します。4週間で効果を実感できる方が多いため、その後は効果を維持するために、1週間に1回、1回あたり2本~3本の注射をお勧めします。
上記のアンプル数以上に注射したとしても、打ちすぎになることはありません。一度に5アンプル(5本)や6アンプル(6本)打っていただいても良いのですが、プラセンタは一度に沢山打つよりも、こまめに分けて頂いた方が効果が持続します。ご自分の体調に合わせて、ご利用ください。
頻繁に通院できないという方でも最初の4週間は最低週に1回、1回あたり3本の注射をしてみてください。プラセンタは継続することが大切ですので、必ずしも当院で注射する必要はなく、お近くの皮膚科で注射を受けていただいても構いません。
プラセンタ注射の安全性と副作用
プラセンタ注射は人胎盤エキスであり、非常に安全性が高いのが特徴です。
安全性
国内で過去60年以上にも渡って使用されているプラセンタ注射は、市販の風邪薬や頭痛・生理痛薬よりもずっと高い安全性があることは疑いの余地がありません。時々プラセンタ注射の副作用を過度に誇張して書いているサイトがありますが、そのほとんどが「注射は危険だからプラセンタのサプリメントにしましょう。」などという自社の健康食品の宣伝サイトです。消費者を装い、副作用を誇張して過度に不安を煽って、健康食品へ誘導するステマサイトに注意しましょう。
プラセンタ注射製剤はヒトの胎盤組織から作られますので、理論上は感染の危険性はゼロではありませんが、B型肝炎・C型肝炎・HIVなどの各種ウィルスのチェックや、酵素処理や高圧滅菌によりウィルスを完全に不活化させています。昭和31年から日本でプラセンタ注射の治療が開始されて以来、クロイツフェルト・ヤコブ病を含めて感染症の報告は一例もありません。
献血の制限について(重要なお知らせ)
これまで、プラセンタ注射(ヒト胎盤エキス製剤)を一度でも受けた方は献血ができないとされてきました。
これは、実際に感染症が報告されたためではなく、理論上の安全性への配慮から設けられた一律の制限です。
しかし、長年の使用実績と科学的な検証を踏まえ、
2026年秋頃を目途に、プラセンタ注射歴がある方の献血制限は解除される予定となっています。
※ 2026年秋頃までは、従来どおり献血制限は継続されます。
※ プラセンタ注射は生物由来製剤のため、治療にあたっては今後も同意書が必要です。
▶ 献血制限解除に関する詳しいご案内はこちら
https://koenji.clinic/archives/27569
副作用
プラセンタ注射の主な副作用は、注射部位の内出血、疼痛、発疹、熱感、掻痒感、硬結です。
内出血はどんな注射や採血でも起こり得るもので、起こったとしても、長くて2週間程度で自然と色が薄くなり、治っていきます。
硬結は1~2日で消失しますが、同じ部位にばかり注射をしていると、稀に硬結が残ることありますので、気になるようであれば中止してください。当院では、毎回左右で部位を変更して注射をし、皮膚が硬くならないように予防しています。
稀にアレルギー症状(発疹、蕁麻疹、掻痒感、発熱)を起こすことがあります。また、さらに極稀ですが、アナフィラキシーショック(血圧低下、呼吸困難など)、急性肝障害が報告されています。この副作用も、過度に誇張して書かれているサイトがありますが、60年間で数例しか報告がなく、市販の風邪薬、漢方薬、解熱鎮痛剤などと比較しても、重篤な副作用が起こる確率は非常に低くなっています。
その他に、頭痛、閉経後の生理、軽微な生理不順や不正性器出血、女性化乳房、眠気、だるさ、体重増加が報告されています。頭痛はラエンネックで報告されていますので、気になる方はメルスモンへ変更することをおすすめします。眠気やだるさは自律神経の興奮を抑える作用のために起こりますが、通常1日で取れます。眠気を感じた際は、車、バイク、自転車などの乗り物の運転は控えてください。体重増加は、プラセンタが消化吸収を促進する作用があるためと言われていますが、極端に増えることはありません。
食品の例えで言うと、小麦や乳製品アレルギーの人が、誤って小麦や乳製品を口にすればアナフィラキシーショックなどの重篤な副作用が起こり、最悪の場合死んでしまうことがあります。しかし、だからと言って「小麦や乳製品は危険である。」という結論にはならないはずです。
どんな薬や健康食品でも、体質によって合う合わないはありますので、100%安全なものはありませんが、数多くの医薬品の中で、プラセンタの安全性が非常に高いことは確実です。
プラセンタ注射料金
当院ではプラセンタ注射をお安い価格に設定させていただいています。
注射を初めて受けられる方は、医師による診察と説明が必要です。別途初診料が税込3,850円(通院中の方は1,650円)がかかりますが、2回目以降から注射のみご希望の方は、診察料はかからず、ご予約も不要です。診療時間内にいつでもお越しください。
| ラエンネック・メルスモン | 料金(税込) |
|---|---|
| 1本 (2cc) | 990円 |
| 2本 (4cc) | 1,650円 |
| 3本 (6cc) | 2,310円 |
| 4本 (8cc) | 2,860円 |
| 5本 (10cc) | 3,410円 |
| 6本 (12cc) | 3,960円 |
- プラセンタ注射を2回目以降受けられる方で、診察を希望されない場合は再診料はかかりません。
プラセンタ注射のよくある質問
- プラセンタ注射が有効な症状や病気を教えてください
-
有効性の報告があるものを記載していますが、症状の改善には個人差があり、エビデンスが明確でないものも多くあります。補助的な治療であり、標準治療の代替えをするものではありませんので、過度な期待をする患者さんへはおすすめしません。
- 肌に関する作用
-
シワ・たるみ・くすみ・シミの予防、美白、乾燥肌
- 体に関する作用
-
慢性疲労、頭痛、肩こり、腰痛、関節痛、眼精疲労、ドライアイ、冷え性、肝機能障害
- 婦人科系疾患に関する作用
-
生理痛の緩和、更年期障害(めまい、発汗、動悸)の緩和、卵巣機能の安定化、母乳促進作用
- 精神に関する作用
-
自律神経失調症、うつ、不眠症、意欲低下
- 自己免疫疾患の症状の緩和
-
リウマチ(関節痛の緩和)、シェーグレン症候群(ドライアイ、乾燥肌の緩和)、アトピー性皮膚炎(乾燥肌の緩和)、クローン病・潰瘍性大腸炎(消化器症状の緩和)
※肌の若返りで皮脂分泌量が多くなり、ニキビができやすくなる方もいます。通常はニキビが出来ても一過性です。
- プラセンタ注射はどれくらいの量と頻度がおすすめですか?
-
当院では、症状や目的に応じて以下の投与量・頻度を目安としてご案内しています。
- 開始から最初の4週間
1回 3アンプル(6mL) を 週2回 - その後の維持期
1回 2~3アンプル を 週1回
体調や症状の改善度に応じて、医師が適切に調整しますので、ご不安な点があればお気軽にご相談ください。
- 開始から最初の4週間
- プラセンタ注射を受けると、なぜ献血ができなかったのですか?
-
プラセンタ注射(ヒト胎盤エキス製剤)は、理論上の安全性への配慮から、これまで献血制限の対象とされてきました。
ただし、過去60年以上にわたり、感染症が報告された事例は国内で一例もありません。なお、この献血制限は2026年秋頃に解除される予定です。詳しくは下記ページをご覧ください。
▶ https://koenji.clinic/archives/27569 - プラセンタ注射を受けると、家族に輸血できなくなりますか?
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いいえ、心配ありません。
日本では家族・親族間での輸血は原則行われていません。
これは、遺伝子が近い親族間では GVHD(移植片対宿主病) という重篤な合併症のリスクが高まるためです。日本では1974年以降、輸血はすべて献血由来の血液を使用することが原則となっています。また、献血制限自体も2026年秋以降に撤廃される予定です。
- プラセンタ注射をすると太りやすくなりますか?
-
医学的に「プラセンタ注射=体重増加」と明確に証明された因果関係はありません。
体調が改善し、食欲や消化機能が上がることで体重が増える方もいれば、基礎代謝が上がり痩せやすくなる方もいます。当院では、プラセンタ注射によって太りやすくなったと感じる方はほとんどいません。
体重変化には、年齢や生活習慣の影響が大きいと考えられます。 - プラセンタ注射は顔に打てますか?
-
プラセンタ注射と相互作用が確認されている薬剤はありません。
他のお薬を服用中の方や、他の注射治療を受けている方も、基本的に問題なく受けていただけます。 - 注射当日に入浴しても大丈夫ですか?
-
はい、問題ありません。
注射後 1時間程度空けてから、シャワーや入浴を行ってください。
注射の針は細いため、1時間後には傷口は閉じています。 - 注射後に気をつけることはありますか?
-
特別な制限はありませんが、まれに眠気を感じる方がいます。
その場合は、当日の車やバイクの運転はお控えください。 - 妊娠中・授乳中でもプラセンタ注射は受けられますか?
-
当院では、妊娠中のプラセンタ注射は安全を考慮し中止しています。
授乳中の方は注射可能です。
参考文献・サイト一覧
- PMDA, メルスモン添付文書 最終アクセス:2023.09.21
- PMDA, ラエンネック添付文書 最終アクセス:2023.09.21
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