アキュテインとは、中等症以上のニキビや難治性ニキビを治す治療薬です。薬剤名を「イソトレチノイン」と言います。日本では未認可ですが、欧米を始め、全世界で30年以上前から使用されています。

アキュテインが日本で未認可の理由として、副作用による理由と財政的な理由があります。ニキビは身体的に不調をきたす病気ではないことから軽く扱われており、催奇形性などの副作用がある薬は認可されにくく、また、ニキビのために新たな治療薬を認可すると、それだけ国の財源が圧迫されるため、保険適用になっていません。

イソトレチノインの製品名は、アキュテインの他に、「ロアキュテイン」、「イソトロイン」、「ソトレット」、「クララビス」などが知られています。

当院では(前院を含め)、12年以上、延べ8000人以上の患者に「アキュテイン治療」を行っています。皮膚科で改善しない重症ニキビ患者さんを中心に、古くから非常に多くの症例を経験しているクリニックの一つです。

アキュテインの効果と特徴

アキュテインのニキビに対する有効率は98%以上、再発率は30%(※)と、全世界で使われているニキビの治療薬の中で「非常に効果が高く、再発率が低い」治療です。

治療開始後1ヶ月間は、約30%の患者さんに一過性のニキビの増悪(好転反応)がみられますが、平均して2ヶ月間~3ヶ月間でニキビが改善していきます。ニキビが改善してからも、再発を防ぐために治療を継続する必要があります。1クールの治療期間は約24週間(6ヶ月間)ですが、延長する場合もあります。

3ヶ月間で改善が認められなかったり、増悪期間(好転反応)が2ヶ月以上続いたりした場合は、増量する必要があります。当院では20 mg~40 mg/日を基準としていますが、場合によっては60 mg/日~80 mg/日と高用量で治療しなければならないこともあります。極量は体重あたり2 mgまでです。つまり、体重60キロの患者さんの場合、120 mg/日までとなります。

ただし、副作用が強く増量が難しい場合や、時間をかけても良い場合は、イソトレチノインの低用量療法(10 mg~20 mg/日)を行う場合もあります。

他院でアキュテインによる治療を行い、改善しなかったという患者さんの大部分は、用量が足りてないことに起因しています。用量を増やせば効果は上がり、再発率も低くなりますが、副作用は大きくなりますので、その点には十分注意しなければなりません。

治療方法の工夫によって、再発率を最小限に抑えるように努力していますが、約30%の患者さんに再発を認めます。また、残念なことに1~2%の患者さんには、用量を増やしていっても全く効果が認められないことがあります。

再発した場合は、最低2ヶ月間、できれば4ヶ月間空けてもう1クール治療を行います。再発したとしても、クール毎に徐々にできなくなってくる(クールを始める前よりは減る)方がほとんどですので、繰り返し叩いていけば良好な結果が得られる可能性が高いのですが、全体の5%~10%の患者さんでは、クールが終わる度に元のように再発してしまう方がいます。

アキュテインは、現存するニキビの治療薬の中で、非常に高い有効率と低い再発率を誇りますが、100%の方が改善して、その後も永遠に再発しないというような、魔法の薬では決してありません。医療にも限界があり、過剰に期待をすると必ずしも満足する結果にならないこともあります。

*再発率に関しては、治療終了後、新生ニキビの数が治療前の状態の1/3以上に戻った場合を再発と呼んでいます。

アキュテインがニキビを治すメカニズム

アキュテインには、アクネ菌を殺菌する作用がある抗生物質や、ホルモン剤、ステロイドなどの成分は含まれていません。それでは、この薬はどのようにニキビを治していくのでしょうか?

「アキュテインのニキビ改善作用」は主に以下の2つになります。

1.皮脂線を退縮させる作用

アキュテインは、皮脂腺の細胞を退縮させる作用があります。薬を飲み始めると、約1~2週間で肌に強い乾燥を感じるようになるのはこのためです。結果として毛穴も縮まり小さくなります。ニキビの原因菌であるアクネ菌や黄色ブドウ球菌は、毛穴や皮脂腺に潜んでいますが、アキュテインにより皮脂線が退縮するとそこに住めなくなり、抗生物質を使用しなくてもニキビの原因菌の数が激減します。

2.皮膚の細胞を正常化させる作用

アキュテインは、細胞に働きかけて、皮脂腺細胞や表皮細胞を正常化する働きがあります。皮膚の細胞が正常に働くようになると、異常な角化(皮膚が厚くなり、毛穴がつまる)が起こらなくなり、毛穴がつまらなくなればニキビの炎症が起こらなくなります。

ニキビへの作用としては、1つ目よりも2つ目のほうが重要です。皮脂腺の細胞は強いため、治療が終了すると、皮脂腺の大きさは徐々に元の大きさに戻っていきます。皮脂量も約9割が元に戻ります。皮脂の量が戻ってもニキビが出来にくくなる理由は、皮膚の細胞が正常化し、皮脂が出たとしてもそれが毛穴をつまらせることが無くなるからです。

もっと詳しく知りたい方は、当院のニキビ治療ブログ「アキュテインがニキビに効くメカニズム」をご覧ください。

治療期間

「アキュテインの治療期間」は、1クール=24週間、約6ヶ月間です。ニキビの治りが悪い場合、8ヶ月間に延長することもあります。最近は欧米の皮膚科でも治療期間を長くする傾向にあります。その理由は、長く治療を継続したほうがより確実にニキビを叩くことができ、治療終了後の再発率を下げることができるからです。

しかし、再発率を下げられる反面、長期に飲めばそれだけ副作用のリスクが高くなることに留意しなければいけません。

1クールの治療終了後、最低でも2ヶ月間(できれば4ヶ月間)の休薬期間を取ります。ニキビの再発がないか、あっても軽ければ、治療は終了となります。

気になるほどの再発がある場合は、2ヶ月以上の休薬を取った後、再度受診していただき、2クール目の治療を行うかどうかを検討します。2クール目の治療期間もしっかりと6ヶ月間行ったほうが、さらに再発率は下がります。

ニキビが再発したとしても、以前よりもできにくい状態になることがほとんどですので、2クール、3クールと治療を重ねることで、ほとんどのケースでニキビが気にならない状態までもっていくことが可能です。

再発率を下げる工夫については、よくある質問の「ニキビの再発を抑える飲み方はありますか?」も併せてご覧ください。

治療症例

下記の患者さんは、15歳からニキビに悩まされ、抗生物質、塗り薬、漢方薬、ビタミン剤などを皮膚科で長年受け続けてきましたが治らず、当院へ来院しました。結節性、膿疱性ざ瘡と呼ばれる重症型のニキビでしたが、アキュテインで治すことができました。

重症ニキビ集簇性ざ瘡

正しい治療をすれば、ニキビを治すこと自体は難しいことではありません。しかし、何年も治らないまま、だらだらと治療が継続されたり、皮膚科医が正しい治療を選択してくれない場合は、繰り返しニキビができ続けることによって、一生残る凹みやクレーター、ケロイドができてしまうことがあります。

重症であればあるほど、早期の治療が重要なのですが、保険治療しか行っていない医師の知識不足も相まって、当院へたどり着くのが遅くなってしまい、初診の時点で一生残る凹凸が沢山できてしまっている方も少なくありません。

当院の治療写真をもっと見たい方は、「ニキビ治療症例一覧」をご覧ください。

アキュテインの副作用

アキュテインには、様々な副作用やリスクがあることも事実です。最近は内科的な知識を持たない美容クリニックで、適当に処方がなされている実情があります。そういったクリニックでは、副作用やリスクの説明をしっかり行っておらず、また尿検査や採血検査等、必要な検査も行われていません。

アメリカでは「iPLEDGA」という「アキュテインの適正使用」や、「アキュテインの副作用」を防止するためのプログラムが組まれており、肝機能障害など、内臓に負担がある薬剤のため、副作用が出現しないかを必ずチェックする必要があります。当院でも毎月採血をし、副作用が起こり得る検査値「20項目以上」をすべてチェックしています。危険な副作用の兆候が出る前に、未然に防げるように努力し、安全性を重視して治療を行っています。

当院では初診時に「副作用についての説明書」を患者さんへお渡しし、一つ一つの副作用とその対処法などを丁寧に説明していきます。疑問点などがあれば診察時に何でもご相談ください。

副作用についてもっと知りたい方は、よくある質問の「アキュテインの副作用を教えてください」をご覧ください。

アキュテインの料金

当院は、症例数が全国でも多いため、「アキュテインの価格」をできるだけ安い価格に設定していますが、重症ニキビの方へは、用量を多く処方する必要があり、高額になるケースもあります。事前に料金の確認をお願いします。

  1. 薬の処方には必ず診察と検査が必要となります。
  2. 用量によってお薬の料金が変動します。
  3. 医師の処方せんがない「アキュテインの個人輸入」は禁止されています(厚生労働省:アキュテインの個人輸入に関する注意喚起)。
  4. それぞれの料金については「ニキビ治療価格表」もご参照ください。

10 mgでの治療例

アキュテイン 10 mg
診察料初診 5,800円
再診 2,900円
薬代イソトレチノイン10 mg
28日分 7,840円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 16,920円~17,880円
再診時 14,020円~14,980円

20 mgでの治療例

アキュテイン 20 mg
診察料
初診 5,800円
再診 2,900円
薬代(28日)イソトレチノイン 20 mg
28日分 10,640円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 19,720円~20,680円
再診時 16,820円~17,780円

40 mgでの治療例

アキュテイン 40 mg
診察料初診 5,800円
再診 2,900円
薬代イソトレチノイン40 mg
28日分 21,280円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)初診時 30,360円~31,320円
再診時 27,460円~28,420円

60 mgでの治療例

アキュテイン 60 mg
診察料初診 5,800円
再診 2,900円
薬代イソトレチノイン60 mg
28日分 31,920円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 41,000円~41,960円
再診時 38,100円~39,060円

80 mgでの治療例

アキュテイン 80 mg
診察料初診 5,800円
再診 2,900円
薬代(28日)イソトレチノイン80 mg
28日分 42,560円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 51,640円~52,600円
再診時 48,740円~49,700円

治療を受けることができない方

以下の方は「アキュテインによるニキビ治療」を受けることができません。

  1. 「アキュテイン」を個人輸入している方
    アキュテインの個人輸入は厚生労働省から禁止されています。当院では医師の責任の下で医薬品の処方と治療を受けることができる患者さんのみに診療を行っておりますので、ご了承ください。
  2. 軽症ニキビの方
    自費診療のため、どうしてもという方には処方するケースもありますが、原則は、保険治療で治らなかった「難治性のニキビ」や、「中等症以上のニキビ」の方のみに適応があります。
  3.  15歳未満の方
    骨端線が閉鎖して、身長の伸びが止まる可能性があります。
  4. 18歳未満の方
    18歳未満の方は初診時には保護者の方と同伴でなければ、薬の処方はできません。再診時はご本人だけでも診察可能です。
  5. 精神疾患を患っている方
    うつ病、統合失調症等の精神疾患を患っている方は、治療を受けることができません。既往があって現在完治されている患者さんは、診察の際に医師へご相談ください。
  6. ご妊娠中の方など
    妊娠中、授乳中、または1年以内に妊娠の予定がある方は、アキュテインの内服はできません。
  7. レーザー脱毛、フラッシュ脱毛中の方
    治療中、および治療中止後3~6ヶ月間は脱毛を中断していただきます。
  8. アレルギーのある方
    過去にイソトレチノイン製剤でアレルギーを起こしたことのある方、パラベンアレルギーのある方は服用できません。
  9. 定期検診の重要性
    1クール6ヶ月間、1ヶ月に1回の検査が必要となります。遠方の方には長めに処方することも可能ですので、診察時にご相談ください。定期的に当クリニックへ通うことが出来ない方は、お近くの他の病院での治療をおすすめします。

もっと詳しくアキュテインの情報を知りたい方は、よくある質問の「アキュテインの質問」をご覧ください。

ご予約・お問い合わせ

TEL 03-5913-7435
[ 受付 ] 10:30-13:30/15:30-18:30 [ 休診 ] 日・祝
医学的なご質問等、医師が対応する場合は、別途電話再診料を頂戴することがございます。