イソトレチノイン(アキュテイン)とは?

イソトレチノイン(Isotretinoin)は重症ニキビ治療において最も効果的な内服薬として世界的に認められており、ビタミンA誘導体(レチノイド)に分類されます[1,2]。
1982年に米国FDAによりニキビ治療薬として承認されて以来、世界各国で40年以上使用され、多くの臨床試験を通じてその有効性と安全性が科学的に証明されています[4,13]。
イソトレチノインの代表的な製品名
- アキュテイン(Accutane):先発品[13]
- ロアキュテイン(Roaccutane)
- アクネトレント(AKNETRENT)
- イソトロイン(Isotroin)
- ソトレット(Sotret)
- クララビス(Claravis)
当院では信頼性の高いイタリアRECORDATI社製のアクネトレントを採用しています。
当院の圧倒的な実績
当院の院長・岩橋は、2006年に日本で最も早くイソトレチノインを導入した先駆者であり、皮膚科で治らない難治性ニキビに悩む患者さんの診療を約20年間してまいりました。これまでに2万人以上の難治性・重症ニキビ患者さんを治療してきた実績があります。
- 前職時代に日本国内導入を先駆
- 20年以上の専門的治療経験
- 重症・難治性ニキビ治療の第一人者
当院では、イソトレチノインを最終手段ではなく、早期治療の選択肢として推奨しています。早期治療によって瘢痕形成のリスクを大幅に減少させることが可能です[2,9]。
イソトレチノインの効果と作用機序
臨床データに基づく高い有効性
- 98%以上の改善率:一般皮膚科治療で改善しなかった患者の大多数が改善[4,17]
- 1クールで効果実感:ほぼすべての炎症性ニキビが減少[5,6]
- 再発率約30%:治療後もニキビの重症度が大幅に低下
※ 当院の統計による再発率は、治療終了後、新生ニキビの数が治療前の状態の1/3以上に戻った場合を再発としています。
4つの主要作用機序
- 皮脂腺の縮小効果
- 皮脂腺のサイズを約90%縮小[20,21]
- 皮脂分泌を抑制し、ニキビの根本原因を改善
- 皮脂の過剰分泌を正常化
- 角化異常の正常化
- 皮脂腺細胞や表皮細胞を正常化[8]
- 毛穴の詰まりを解消し、新たなニキビを予防
- 強力な抗炎症作用
- 好中球の活性化を抑制し、炎症を抑制[11,12]
- 炎症を抑制することで、赤みや腫れを改善
- 痛みを伴う炎症性ニキビを軽減
- 肌のターンオーバー正常化
- 皮膚の再生プロセスを最適化
- ニキビ跡の赤みを改善[10]
イソトレチノイン治療を受けた患者さんの症例写真
当院でイソトレチノイン治療を受けた実際の患者さんの経過写真をご紹介します(掲載にはモニターとして承諾を得ております)。
10代男性の集簇性ざ瘡(重症ニキビ)│イソトレチノイン治療例
患者背景: 10代男性、体重約50kg。4年間近く一般皮膚科での保険診療(ミノサイクリンなどの抗生物質内服、ダラシンT、ベピオゲル、ディフェリンなどの外用剤、ステロイド治療)を受けるも改善せず、大学病院へ転院後も効果なく当院受診。
症状:集簇性ざ瘡(重症ニキビ)。顔全体に炎症性結節・嚢胞が多発し、顔が変形するほどの腫れあり。発熱や血液検査で白血球数16,400、CRP(炎症反応)4.17と全身炎症反応も陽性。
治療内容: イソトレチノイン40mg/日(体重1kgあたり約0.8mg)を内服開始。1ヶ月後から炎症が徐々に減少。5ヶ月後には新生ニキビがほぼ消失。専用調剤化粧品による保湿ケアとピーリングによるニキビ跡治療を併用し、8ヶ月後(累積用量約9,600mg)には重症ニキビと赤みが大幅に改善。
20代女性の難治性ニキビとニキビ跡の赤み│イソトレチノイン・レーザー複合治療例
患者背景: 20代女性、体重約50kg。皮膚科で塗り薬中心の治療を受けるも改善せず、当院受診。
症状:顔全体に炎症性結節と紅色丘疹が多発。ニキビ跡の炎症後紅斑(PIE、赤み)も広範囲に残存し、心理的苦痛も訴えていた。
治療内容: イソトレチノイン40mg/日(体重1kgあたり約0.8mg)の内服治療を開始。乾燥対策として専用調剤化粧品(EGホワイトクリーム)を併用。2ヶ月後には新生ニキビが月1~2個まで減少。5ヶ月目からニキビ跡の赤みに対してロングパルスYAGレーザーを3~4週間おきに施行。8ヶ月のイソトレチノイン40mg/日治療後、再発予防として10mg/日の低用量維持療法を6ヶ月間(計14ヶ月)継続。レーザー治療計10回との複合療法により、難治性ニキビと赤みが著明に改善し、肌質と心理的QOLも大幅に向上。
イソトレチノイン治療の料金
イソトレチノインは一般の薬局では市販されておらず、通販や個人輸入も認められていません[15]。当院では適切な診察と検査に基づき処方を行っています。イソトレチノインの用量は、ニキビの重症度、体重、肌の状態によって変わります[2,4]。
薬剤価格(税込)
イソトレチノイン 10mg 30日分 | 9,240円 |
---|---|
イソトレチノイン 20mg 30日分 | 12,540円 |
イソトレチノイン 40mg 30日分 | 25,080円 |
イソトレチノイン 60mg 30日分 | 37,620円 |
月額治療費(用量別)
項目 | 料金(税込) |
---|---|
初診料 | 3,850円 |
再診料 | 1,650円 |
イソトレチノイン 10mg 30日分 | 9,240円 |
採血料 | 3,608円 |
尿検査(女性のみ) | 1,056円 |
合計 / 初診時 | 16,698円~17,754円 |
合計 / 再診時 | 14,498円~15,554円 |
項目 | 料金(税込) |
---|---|
初診料 | 3,850円 |
再診料 | 1,650円 |
イソトレチノイン 20mg 30日分 | 12,540円 |
採血料 | 3,608円 |
尿検査(女性のみ) | 1,056円 |
合計 / 初診時 | 19,998円~21,054円 |
合計 / 再診時 | 17,798円~18,854円 |
項目 | 料金(税込) |
---|---|
初診料 | 3,850円 |
再診料 | 1,650円 |
イソトレチノイン 40mg 30日分 | 25,080円 |
採血料 | 3,608円 |
尿検査(女性のみ) | 1,056円 |
合計 / 初診時 | 32,538円~33,594円 |
合計 / 再診時 | 30,338円~31,394円 |
項目 | 料金(税込) |
---|---|
初診料 | 3,850円 |
再診料 | 1,650円 |
イソトレチノイン 60mg 30日分 | 37,620円 |
採血料 | 3,608円 |
尿検査(女性のみ) | 1,056円 |
合計 / 初診時 | 45,078円~46,134円 |
合計 / 再診時 | 42,878円~43,934円 |
※薬の処方には必ず診察と検査が必要となります。
※日本では未承認薬のため、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
肌のクリニックが選ばれる理由
- ✓ 日本初 イソトレチノイン導入医師が監修する最先端治療
- ✓ 2万人以上 の難治性ニキビ患者の治療実績
- ✓ 一般的な皮膚科治療で改善しない 難治性ニキビに特化
- ✓ 医師による直接診察で最適な治療プランを提案
- ✓ 副作用管理を徹底した安心・安全な治療[13]
- ✓ 初期悪化を可能な限り抑制し、ニキビ跡を最小限に[35,36]
- ✓ レーザーやサブシジョンなどとの組み合わせで包括的なアプローチ
イソトレチノインの副作用と安全管理
イソトレチノイン治療には副作用が伴うため、当院では詳細な説明と定期的な検査を実施し、安全管理を徹底しています。
- 主な副作用(高頻度)
-
- 皮膚・粘膜の乾燥(ほぼ全患者に発生)[13]
- 口角炎・口唇炎(唇が荒れやすくなる)
- ドライアイ
- 鼻血
- 赤ら顔(一時的な毛細血管の拡張による)
- 一時的なニキビの悪化(治療初期の反応)[35,36]
- 脂質異常(血液検査で監視)
- 重篤な副作用(低頻度)
-
- 肝機能障害(血液検査で監視)[13]
- 膵炎・肝炎(極めて稀)
- 潰瘍性大腸炎・クローン病(極めて稀)[16]
- スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚障害)
- 精神症状(極めて稀)-イソトレチノインの精神的な副作用について詳しく知る
- 女性患者さんへの重要な注意点:胎児への影響
-
イソトレチノインは妊娠中の服用で胎児に重篤な奇形を引き起こすリスクがあるため、厳格な避妊管理が必須です[13,23,24,25,26]。
- 服用中および中止後6ヶ月間は確実な避妊が必要
- 定期的な妊娠検査の実施
- アメリカのiPLEDGEプログラムに基づく妊娠予防対策[14]
イソトレチノイン治療中の注意事項と日常生活のポイント
- 1. 皮膚の乾燥対策
-
イソトレチノイン治療では90%以上の患者さんに乾燥症状が出ます[13]。低刺激性の保湿剤を1日3回以上使用し、リップクリームを常備し、洗顔は1日1回までに控えましょう。
- 2. 紫外線対策
-
イソトレチノインは光感受性を高めるため、SPF30以上の日焼け止めを2〜3時間ごとに塗り直し、日傘や帽子での物理的保護も必要です。日焼けサロンは避けてください。
- 3. 妊娠防止(女性)
-
イソトレチノインには催奇形性(胎児の異常)のリスクがあり[23,24,25]、治療開始1ヶ月前から治療終了後6ヶ月まで確実な避妊が絶対条件です。
- 4. 血液検査と肝機能への配慮
-
イソトレチノインは肝臓で代謝され、肝機能障害、脂質代謝異常、尿酸値の上昇、血球成分の減少または増加などが複数の研究で報告されています[33,34,35,36]。
治療中の定期的な血液検査は患者さんの安全を守るために不可欠です。また、過度のアルコール摂取は控え、異常を感じたらすぐに医師に相談してください。
- 5. 美容処置の制限
-
治療中は皮膚が敏感になるため[13,22]、脱毛やピーリング、レーザー治療などは医師と相談の上で行ってください。不適切な処置は瘢痕の原因となります。
- 6. 副作用への早期対応
-
気分の変化、視力低下、関節痛、重度の頭痛など異常症状があれば[13,30]、すぐに医師にご相談ください。早期発見と対応が安全な治療の鍵です。
当院では20年以上の臨床経験に基づき、患者さん一人ひとりに合わせた安全なイソトレチノイン治療を提供しています。ご不明点やご心配事はいつでもご相談ください。
治療を受けることができない方
以下の方は「イソトレチノインによるニキビ治療」を受けることができない場合があります。医師にご相談ください。
- 15歳未満の方
骨端線が閉鎖して、身長の伸びにくくなる可能性があります。 - 18歳未満の方
18歳未満の方は初診時には保護者の方と同伴でなければ、薬の処方はできません。再診時はご本人だけでも診察可能です。 - 潰瘍性大腸炎、クローン病、重篤な肝障害などの既往がある方
- うつ病、統合失調症等を患っている方
現在症状が落ち着いている患者さんは、診察の際に医師へご相談ください。 - 妊娠中、授乳中、妊活中の方
妊娠中、授乳中、妊活中、または1年以内に妊娠の予定がある方は、イソトレチノインの内服はできません[14,23,24,25,26]。 - アレルギーのある方
イソトレチノイン製剤でアレルギーを起こしたことのある方、アスピリン喘息のある方、パラベン・大豆・ピーナッツアレルギーのある方は服用できません。 - レーシックを受けて6ヶ月経過していない方
レーシック手術の前後6ヶ月はイソトレチノインを服用できません[22]。 - 定期検査を受けられない方
安全管理のため、通常1ヶ月に1回の検査が必要となります。遠方の方や特別な事情がある方には長めに処方することも可能ですので、診察時にご相談ください。
イソトレチノインのよくある質問
- イソトレチノインとアキュテインは同じ薬ですか?
-
はい、同じ薬です[13]。イソトレチノインが成分名、アキュテインが製品名です。
- イソトレチノインが効かない場合はありますか?
-
イソトレチノインの有効性は、文献上98%の患者さんが治癒、改善しますが[4,17]、当院の臨床データでは99%以上の改善率です。適切な用量と期間治療することで、効果を最大限出すことができます。
- イソトレチノインの効果はいつから現れますか?
-
最初の1ヶ月は約30%の患者さんで一時的に悪化する可能性がありますが[35,36]、その後2~3ヶ月で効果が現れ始めます。通常は5~6ヶ月で顕著な改善が見られます[2,4]。
- 好転反応が起こったらどうしたらよいですか?
-
イソトレチノイン治療開始後、約30%の患者さんに「初期悪化(好転反応)」が見られます[35,36]。これは治療開始2~4週間頃に一時的にニキビが増加したり、炎症が強くなったりする現象です。
この好転反応は、イソトレチノインが皮脂腺に作用して急激に皮脂腺のサイズを縮小することや、皮膚のターンオーバーを急激に促進させることで、毛穴に詰まっていた角栓や皮脂、微小コメドが一気に表面化して炎症を起こすことで生じます[8,11,12]。
初期悪化の程度は個人差が大きく、多くは軽度ですが、稀に「劇症型ざ瘡(fulminant acne)」と呼ばれる重度の急性増悪が起こることもあります[35,36]。
イソトレチノイン治療前 イソトレチノイン治療1ヶ月後(初期悪化) イソトレチノイン治療5ヶ月後 当院では、初期悪化を最小限に抑えるため、適切な用量調整や抗炎症薬の併用など、個々の症状に合わせた対処を行っています。イソトレチノインの好転反応がひどい場合には、なるべく早くご来院いただき、医師の診察を受けてください。
- ニキビ跡も改善しますか?
-
イソトレチノインは皮膚のターンオーバーを促進する作用があり、ニキビ跡の赤みを改善する効果がありますが[10]、凹み(クレーター)に対する効果は限定的です。
- 治療終了後、皮脂分泌は元に戻りますか?
-
治療中止後の皮脂分泌の戻り方には個人差がありますが、多くの場合80-90%程度まで戻ります[20,21]。イソトレチノインによる乾燥症状は通常、治療終了後1ヶ月ほどで徐々に改善します。しっかりと治療を完了することで、ニキビの再発率とその重症度が低下します[17,18,19]。
- 再発した場合はどうなりますか?
-
治療完了後も約30%の患者さんに再発が見られることがありますが[17,18]、再発時のニキビの重症度は治療前よりも軽度になるケースが多いです。再発した場合は、2クール目の治療を検討することもあります。
- イソトレチノインは危険な薬なのでしょうか?
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「イソトレチノインは怖い」という声もありますが、適切な診察と副作用管理を行えば安全に使用可能な薬剤です[1,2,4,13]。当院では厳格な検査と専門医による管理のもとで処方を行っているため、安心して治療を受けていただけます。副作用の多くは予測可能で管理可能なものです。
- 胎児の催奇形性について教えてください
-
イソトレチノインの重大な副作用の一つに、妊娠した女性に投与すると流産や胎児の奇形を引き起こすという重篤な副作用があります[13,23,24,25,26]。
具体的な報告として、中枢神経系の奇形、耳の欠損や奇形、目の異常、心奇形、口蓋裂、胸腺や副甲状腺の奇形があります。女性の場合、服用前には必ず妊娠反応検査(可能であれば服用開始1ヶ月前の検査がより確実)を行い、毎月の定期診察時にも必ず妊娠の有無を確認し、必要時に妊娠反応の検査を行います[14,23,24,25,26]。
服用中はもちろんですが、服用中止後も一定期間は必ず避妊(可能であれば2種類以上の避妊)を行っていただきます。男性が服用する場合は、男性側も服用中と中止後の1ヶ月間は避妊をしていただいています。(1ヶ月でお薬が体の中から代謝されて無くなりますが、女性には安全性のマージンを取って6ヶ月としています。)
なお、エトレチナート(チガソン)という乾癬の治療薬がありますが、こちらは親油性がより強く半減期が120日間と長いため、服用後に2年間の避妊が必要となります。イソトレチノインの半減期は15時間~20時間ですので、チガソンとは体内の残留性が異なります。
所定の期間きちんと避妊していただければ、通常妊娠と比較して胎児の奇形率が上昇することはありません。約20年間の治療の中で、当院の患者さんからの胎児の奇形の報告は1例もありません。
上記のことでご心配なことがありましたら、診察の際に遠慮なく医師にご相談ください。
- 通院頻度と治療期間を教えてください
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通常は1ヶ月に1度の通院で、標準的な治療期間は約6ヶ月です[2,4,17]。症状やご事情によって調整できますので医師へご相談ください。
- イソトレチノインでニキビの再発を抑える方法はありますか?
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イソトレチノインは再発率が比較的低いお薬ですが、それでも約30%前後の患者さんは再発し、数クール治療を受けなければならないケースがあります[17,18,19]。できるだけ再発率を少なくするためには、「適切なタイミング」で薬を飲み、「適切な用量と期間」を守ることが大切です。
飲むタイミング
イソトレチノインを飲む適切なタイミングは、「食直後」です[13]。脂溶性(しようせい)のため、脂肪分と一緒に吸収されていきます。空腹時に飲むと吸収が悪くなるため、効果が弱くなります。当然、飲み忘れにも注意していただきます。
適切な用量と期間
アメリカやドイツの研究では、1クールの期間中、累積で体重1 kgあたり120 mg以上の用量を服用することが、再発率を低下させるためには重要であると報告されています[17,18,27]。つまり、体重60 kgの重症ニキビ患者の場合、1クールの期間をを6ヶ月間とすると、1日あたり約40 mgが必要量となります 17。
用量を多くすれば、さらに再発率が下がるという報告もあります。ドイツの試験では1クールの期間中、220 mg/kg以上の用量を服用すると、再発率が有意に低下しました [18]。
軽症~中等症のニキビの場合、低用量でも大きく再発率が変わるわけではないため、低用量で処方することが多くなります[5,6]。再発率は累積用量に関係するという報告は多数ありますが、否定する見解もあります[19]。
当院では重症ニキビの方が多く来院されているため、1日あたり60 mg以上の用量を処方するケースもあります。当院で過去に処方した最大量は1日140 mgです。
用量を増やして服用期間を長くすれば、再発率と再発の程度を下げることができますが、副作用の出現率は高まります[17,18,19]。再発率を下げるには、副作用の程度を見ながら、新生ニキビができなくなるまで薬の量を少しずつ増やしていく必要があります。
- 治療中にレーザーや脱毛を受けることができますか?
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イソトレチノインは光の感受性を高めるため、内服中に光やレーザーを受けると、シミや色素沈着、瘢痕の原因となることがあります[13]。
ただし、レーザーの種類や出力などによって可能なものもあり、当院では過去の治療経験や文献を踏まえて、あえて治療中にニキビ跡のレーザーを推奨することもあります。
脱毛については、原則治療後1カ月経過してから行っていただきますが、当院で医療脱毛を受ける場合は、出力などを当院が把握することができるため、肌の状態によって治療中可能とするケースもあります。
各治療の「治療間隔(インターバル)」も併せてご参照ください。
- 治療中に日焼けはだめですか?
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イソトレチノインは光の感受性を高めるお薬ですので、日光過敏になる可能性があります[13]。そのため、治療中と治療終了後最低2ヶ月間は日焼けを避けてください。
- イソトレチノインと飲み合わせがある薬はありますか?
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イソトレチノインはいくつかの薬と飲み合わせ、相互作用があります。以下の薬とは一緒に飲まないでください。
- テトラサイクリン系抗生物質(頭痛の原因となる頭蓋内圧を上げる副作用が増強する可能性)
代表的な商品名:ビブラマイシン、ミノマイシン、ミノサイクリン、ミノペン - 副腎皮質ステロイド剤(骨を弱くする作用が出る可能性)
代表的な商品名:プレドニン、プレドニゾロン、セレスタミン
※外用ステロイド薬や吸入ステロイド薬、短期的なステロイドの点滴は問題ありません。 - 抗てんかん薬(骨を弱くする作用が出る可能性)
てんかんなどで使う抗けいれん剤です。抗てんかん薬自体に骨を脆くする作用があり、イソトレチノインとの相互作用は明らかではありませんが、定期的な骨密度チェックをお勧めします。 - ビタミンA(副作用全般を増強させる恐れ)
総合ビタミン剤にはビタミンAが入っているものが多いため、必ずパッケージを確認してください。βカロテンは摂取して問題ありません。食事やジュースから摂取するビタミンAは問題ありません。ビタミンAのサプリを内服する場合は、内服治療終了後から最低2カ月以上の期間を空けて下さい。 - セントジョーンズワート
セントジョーンズワートと呼ばれるハーブは、ピルの効果を減弱させる可能性があるため、避妊目的でピルを飲んでいる方は、セントジョーンズワートの併用は避けてください。
外用剤で肌を乾燥させる製剤はお控えください。記載以外のお薬は一緒に飲んでも心配いりません。また、上記のお薬を気付かずに短期間飲んだとしても、問題が起こることは非常にまれです。
- テトラサイクリン系抗生物質(頭痛の原因となる頭蓋内圧を上げる副作用が増強する可能性)
- 副作用が出たので余った薬を返品できますか?
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一度処方したお薬の返品・返金は承っておりません。薬の交換や返品は可能ですか?のページも併せてご参照ください。
- お酒と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
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アルコールとの相互作用はありませんので、一緒に飲んでも大丈夫ですが、薬を飲む際は水で飲んでください。イソトレチノインを服用中にアルコールを多量に摂取すると肝機能障害などが起こりやすいため、過度な飲酒はお控えください。
- 薬を飲み忘れた時はどうしたら良いですか?
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イソトレチノインを飲み忘れた場合、食直後の服用が理想ですので、当日中であれば、次の食事の後に飲むようにしてください。次の食事を食べない場合は、気づいたタイミングで飲んでください。前日に飲み忘れた分は、そのまま無視して飲まなくて構いません。
参考文献・サイト一覧
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