アキュテインとは

アキュテイン(イソトレチノイン)

アキュテインとは、「イソトレチノイン」と言うニキビの治療のための飲み薬です。

イソトレチノインは、先発医薬品が「アキュテイン」という製品名で、現在は後発品に置き換わっています。アキュテインの後発医薬品には「ロアキュテイン」、「イソトロイン」、「ソトレット」、「クララビス」などがあります。

中等度~重度のニキビに対して、欧州や米国の治療ガイドラインでは高いレベルで推奨されており、全世界で30年以上前から使用されています (1, 2)。

アキュテイン(イソトレチノイン)が日本で未認可なのは、ニキビは身体的に不調をきたす病気ではないことから、「疾病の治療目的」というよりは「美容目的」と解されることも多く、特にイソトレチノインのような催奇形性等の重篤な副作用がある薬は、認可されにくくなっていることがその理由です。

前院を含めて当院では、13年以上、延べ8000人以上の患者に「アキュテイン治療」を行っています。同一患者の受診を含めると、年間で1万症例を超え、皮膚科で改善しない重症ニキビ患者さんを中心に、古くから多くの症例を経験している皮膚科であることを自負しています。

アキュテインのニキビへの効果

当院の患者に対するアキュテイン(イソトレチノイン)の治療の成績は、中等度以上改善の患者は98%以上、再発率(※)は30%以下です。

これは、文献上のイソトレチノインの有効率・改善率と大きく変わりません。中等度のニキビ患者に対して24週に渡って20mg/日のイソトレチノイン治療を行った研究では、98.99%の患者が改善し、中でも劇的に改善した患者が98.3%と非常に高い改善率が報告されています (3)。

重度のニキビ患者に対して20週に渡って1mg/kg/日のイソトレチノイン治療を行った研究では、95%以上の炎症性ニキビの減少が見られた患者が90%であり、用量依存的に有効率が上昇したと報告されています (4)。

当院で治療を受けたほとんどの患者が、以前に抗生剤や塗り薬などの保険治療をすでに受けており、改善が認められなかったことを考えると、アキュテインの効果は非常に高く、再発率が低い治療と言えます。

中等症以下のニキビに対しては、保険治療が無効であり再発を繰り返す方に限り処方しています。中等症以下のニキビに対しては、0.5mg/kg/日か、それ以下のイソトレチノインの低用量療法で効果が出る場合も多くあります (5, 6)。

重症のニキビに対しては、瘢痕や跡をなるべく残さないためにも、積極的に用量を増やしていき、早期の改善を目指します。

*当院の統計による再発率は、治療終了後、新生ニキビの数が治療前の状態の1/3以上に戻った場合を再発としています。

アキュテインの作用

アキュテイン(イソトレチノイン)には、アクネ菌を殺菌する作用がある抗生物質や、ホルモン剤、ステロイドなどの成分は含まれていません。それでは、この薬はどのようにニキビを治していくのでしょうか?

イソトレチノインの作用(メカニズム)には、まだ未知の部分が多くありますが、主に以下の3つが知られています。

皮脂線を退縮

イソトレチノインは、皮脂腺の細胞を退縮させる作用があります (7)。薬を飲み始めると、約1~2週間で肌に強い乾燥を感じるようになるのはこのためです。結果として毛穴も縮まり小さくなります。

ニキビの原因菌であるアクネ菌や黄色ブドウ球菌は、毛穴や皮脂腺に潜んでいますが、イソトレチノインにより皮脂線が退縮するとそこに住めなくなり、抗生物質を使用しなくてもニキビの原因菌の数が激減します。

皮脂腺のサイズ自体は治療終了後にまた大きくなってしまうため、ある程度皮脂量は戻ります。皮脂腺のアポトーシスを促すため (8)、100%戻るわけではありませんが、大部分の皮脂量は戻ってきます。

細胞を正常化

イソトレチノインは、細胞に働きかけて、皮脂腺細胞や表皮細胞を正常化する働きがあります (9)。皮脂腺が発達しすぎて肥大する「皮脂腺過形成」での治療効果も認められており、治療終了後も皮脂腺が正常化している割合が多いことも報告されています (10)。

皮膚の細胞が正常に働くようになると、異常な角化(皮膚が厚くなり、毛穴がつまる)が起こらなくなり、毛穴がつまらなくなればニキビの炎症が起こらなくなります。

抗炎症作用

イソトレチノインは、ニキビの原因であるアクネ菌に対する細胞の免疫応答を正常化する「免疫調整作用」を有することも報告されています。

つまり、過度に免疫が反応して炎症が起こるのを防ぐ作用があるため、ニキビの炎症が起こりにくくなります (11, 12)。

当院でのアキュテイン治療

治療開始後1ヶ月間は、約30%の患者に一過性のニキビの増悪(好転反応)がみられますが、平均して2ヶ月間~3ヶ月間でニキビが改善していきます。ニキビが改善してからも、再発を防ぐために治療を継続する必要があります。1クールの治療期間は約24週間(6ヶ月間)ですが、8ヶ月程度まで延長する場合もあります。

3ヶ月間で改善が認められなかったり、増悪期間(好転反応)が2ヶ月以上続いたりした場合は、増量する可能性があります。推奨用量は、0.5mg~1.0mg/kg/日ですが、体重や重症度に応じて、60 mg/日以上の高用量で治療しなければならないケースもあります。極量は2mg/kg/日までです。つまり、体重60キロの患者さんの場合、120 mg/日までとなります (13)。

軽症の場合や、副作用が強く増量が難しい場合は、低用量療法(10 mg~20 mg/日)を行う場合もあります。

他院でアキュテインによる治療を行い、改善しなかったという患者さんの大部分は、用量や期間が足りてないことに起因しています。用量を増やし期間を長くすれば、その分効果は上がり、再発率も低くなりますが、副作用は大きくなります。実際の治療では、副作用に十分注意しなければなりません。

治療方法の工夫によって、再発率を最小限に抑えるように努力していますが、約30%の患者さんに再発を認めます。また、残念なことに1~2%の患者さんには、用量を増やしていっても全く効果が認められないことがあります。

再発した場合は、最低2ヶ月間、できれば4ヶ月間空けてもう1クール治療を行います。再発したとしても、クール毎に徐々にできなくなってくる(クールを始める前よりは減る)方がほとんどですので、繰り返し叩いていけば良好な結果が得られる可能性が高いのですが、全体の5%~10%の患者さんでは、クールが終わる度に元のように再発してしまう方がいます。

アキュテインは、現存するニキビの治療薬の中で、非常に高い有効率と低い再発率を誇りますが、100%の方が改善して、その後も永遠に再発しないというような魔法の薬ではありません。医療にも限界があり、過剰に期待をすると必ずしも満足する結果にならないこともあります。

治療期間

「アキュテインの治療期間」は、1クール=24週間、約6ヶ月間です。ニキビの治りが悪い場合、8ヶ月間に延長することもあります。最近は欧米の皮膚科でも治療期間を長くする傾向にあります。その理由は、長く治療を継続したほうがより確実にニキビを叩くことができ、治療終了後の再発率を下げることができるからです。

しかし、再発率を下げられる反面、長期に飲めばそれだけ副作用のリスクが高くなることに留意しなければいけません。

1クールの治療終了後、最低でも2ヶ月間(できれば4ヶ月間)の休薬期間を取ります。ニキビの再発が軽度であれば、治療は終了となります。

気になるほどの再発がある場合は、2ヶ月以上の休薬を取った後、再度受診していただき、2クール目の治療を行うかどうかを検討します。2クール目の治療期間もしっかりと6ヶ月間行ったほうが、さらに再発率は下がります。

ニキビが再発したとしても、以前よりもできにくい状態になることがほとんどですので、2クール、3クールと治療を重ねることで、ほとんどのケースでニキビが気にならない状態までもっていくことが可能です。

再発率を下げる工夫については、よくある質問の「ニキビの再発を抑える飲み方はありますか?」も併せてご覧ください。

治療症例

下記の患者さんは、15歳からニキビに悩まされ、抗生物質、塗り薬、漢方薬、ビタミン剤などを皮膚科で長年受け続けてきましたが治らず、当院へ来院しました。結節性、膿疱性ざ瘡と呼ばれる重症型のニキビでしたが、アキュテインで治すことができました。

重症ニキビ集簇性ざ瘡

正しい治療をすれば、ニキビを治すこと自体は難しいことではありません。しかし、何年も治らないまま、だらだらと治療が継続されたり、皮膚科医が正しい治療を選択してくれない場合は、繰り返しニキビができ続けることによって、一生残る凹みやクレーター、ケロイドができてしまうことがあります。

重症であればあるほど、早期の治療が重要なのですが、保険治療しか行っていない医師の知識不足も相まって、当院へたどり着くのが遅くなってしまい、初診の時点で一生残る凹凸が沢山できてしまっている方も少なくありません。

当院の治療写真をもっと見たい方は、「ニキビ治療症例一覧」をご覧ください。

アキュテインの副作用

アキュテインには、様々な副作用やリスクがあることも事実です。副作用やリスクの説明をしっかり行い、定期的な採血検査等の副作用チェックは不可欠です。

アメリカでは「iPLEDGA」という「アキュテインの適正使用」や、「アキュテインの副作用」を防止するためのプログラムが組まれており、妊娠の有無や肝機能障害などを含めて副作用が出現しないかをチェックする制度があります (14)。

当院でも毎月採血をし、副作用が起こり得る検査値「20項目以上」をすべてチェックしています。危険な副作用の兆候が出る前に、未然に防げるように努力し、安全性を重視して治療を行っています。

当院では初診時に「副作用についての説明書」を患者さんへお渡しし、一つ一つの副作用とその対処法などを丁寧に説明していきます。疑問点などがあれば診察時に何でもご相談ください。

副作用についてもっと知りたい方は、よくある質問の「アキュテインの副作用を教えてください」をご覧ください。

アキュテインの料金

当院は、症例数が全国でも多いため、できるだけ安い価格に設定しています。しかし、重症ニキビに対しては高用量を処方する必要があり、高額になるため、事前に料金の確認をお願いします。

  1. 薬の処方には必ず診察と検査が必要となります。
  2. 用量によってお薬の料金が変動します。
  3. FDAでは医師の処方箋がない「アキュテインの個人輸入」は禁止されています (15)。
  4. それぞれの料金については「ニキビ治療価格表」もご参照ください。

※現在24歳以下のニキビ初診患者様は、初診料が半額になる学割を適用しています。割引は今後終了する場合がありますのでご了承ください。

10 mgでの治療費用

アキュテイン 10 mg
診察料初診料 5,800円
再診料 2,900円
薬代イソトレチノイン10 mg
28日分 7,840円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 16,920円~17,880円
再診時 14,020円~14,980円

20 mgでの治療費用

アキュテイン 20 mg
診察料
初診料 5,800円
再診料 2,900円
薬代(28日)イソトレチノイン 20 mg
28日分 10,640円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 19,720円~20,680円
再診時 16,820円~17,780円

40 mgでの治療費用

アキュテイン 40 mg
診察料初診料 5,800円
再診料 2,900円
薬代イソトレチノイン40 mg
28日分 21,280円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)初診時 30,360円~31,320円
再診時 27,460円~28,420円

60 mgでの治療費用

アキュテイン 60 mg
診察料初診料 5,800円
再診料 2,900円
薬代イソトレチノイン60 mg
28日分 31,920円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 41,000円~41,960円
再診時 38,100円~39,060円

80 mgでの治療費用

アキュテイン 80 mg
診察料初診料 5,800円
再診料 2,900円
薬代(28日)イソトレチノイン80 mg
28日分 42,560円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 51,640円~52,600円
再診時 48,740円~49,700円

治療を受けることができない方

以下の方は「アキュテインによるニキビ治療」を受けることができません。

  1. 「アキュテイン」を個人輸入している方
    アキュテインの個人輸入は厚生労働省から禁止されています。当院では医師の責任の下で医薬品の処方と治療を受けることができる患者さんのみに診療を行っておりますので、ご了承ください。
  2. 軽症ニキビの方
    自費診療のため、どうしてもという方には処方するケースもありますが、原則は、保険治療で治らなかった「難治性のニキビ」や、「中等症以上のニキビ」の方のみに適応があります。
  3.  15歳未満の方
    骨端線が閉鎖して、身長の伸びにくくなる可能性があります。
  4. 18歳未満の方
    18歳未満の方は初診時には保護者の方と同伴でなければ、薬の処方はできません。再診時はご本人だけでも診察可能です。
  5. 精神疾患を患っている方
    うつ病、統合失調症等の精神疾患を患っている方は、治療を受けることができません。既往があって現在完治されている患者さんは、診察の際に医師へご相談ください。
  6. ご妊娠中の方など
    妊娠中、授乳中、または1年以内に妊娠の予定がある方は、アキュテインの内服はできません。
  7. レーザー脱毛、フラッシュ脱毛中の方
    治療中、および治療中止後3~6ヶ月間は脱毛を中断していただきます。
  8. アレルギーのある方
    過去にイソトレチノイン製剤でアレルギーを起こしたことのある方、パラベン・大豆・ピーナッツアレルギーのある方は服用できません。
  9. 定期検診の重要性
    1クール6ヶ月間、1ヶ月に1回の検査が必要となります。遠方の方には長めに処方することも可能ですので、診察時にご相談ください。定期的に当クリニックへ通うことが出来ない方は、お近くの他の病院での治療をおすすめします。

もっと詳しくアキュテインの情報を知りたい方は、よくある質問の「アキュテインの質問」をご覧ください。

参考文献・サイト

  1. A. Nast, (2012) “European evidence-based (S3) guidelines for the treatment of acne.” J Eur Acad Dermatol Venereol. GUIDELINES 2012
  2. Andrea L. Zaenglein, (2016) “Guidelines of care for the management of acne vulgaris.” J Am Acad Dermatol. May 2016Volume 74, Issue 5, Pages 945–973.e33
  3. Dhaked DR, (2016) “A randomized comparative trial of two low-dose oral isotretinoin regimens in moderate to severe acne vulgaris.” Indian Dermatol Online J. 2016 Sep-Oct;7(5):378-385. PMID: 27730033
  4. Costa CS, (2018) “Oral isotretinoin for acne.” Cochrane Database Syst Rev. 2018 Nov 24;11:CD009435. doi: 10.1002/14651858.CD009435.pub2. PMID: 30484286
  5. Sardana K, (2010) “Efficacy of low-dose isotretinoin in acne vulgaris.” Indian J Dermatol Venereol Leprol. 2010 Jan-Feb;76(1):7-13. doi: 10.4103/0378-6323.58672. PMID: 20061724
  6. Amichai B, (2006) “Low-dose isotretinoin in the treatment of acne vulgaris.” J Am Acad Dermatol. 2006 Apr;54(4):644-6. PMID: 16546586
  7. Orfanos CE, (1998) “Oral retinoids in the treatment of seborrhoea and acne.” Dermatology. 1998;196(1):140-7. PMID: 9557249
  8. Nelson AM, (2008) “Neutrophil gelatinase-associated lipocalin mediates 13-cis retinoic acid-induced apoptosis of human sebaceous gland cells.” J Clin Invest. 2008 Apr;118(4):1468-78. doi: 10.1172/JCI33869. PMID: 18317594
  9. Eichenfield LF, (1991) “Acne: current concepts of pathogenesis and approach to rational treatment.” Pediatrician. 1991;18(3):218-23. PMID: 1835004
  10. Sandra Tagliolatto, (2015) “Sebaceous hyperplasia: systemic treatment with isotretinoin” An Bras Dermatol. 2015 Mar-Apr; 90(2): 211–215. doi: 10.1590/abd1806-4841.20153192 PMID: 25830991
  11. Orfanos CE, (1983) “Evidence for anti-inflammatory activities of oral synthetic retinoids: experimental findings and clinical experience.” Br J Dermatol. 1983 Jul;109 Suppl 25:55-60. PMID: 6222758
  12. Dispenza MC, (2012) “Systemic isotretinoin therapy normalizes exaggerated TLR-2-mediated innate immune responses in acne patients.” J Invest Dermatol. 2012 Sep;132(9):2198-205. doi: 10.1038/jid.2012.111. Epub 2012 Apr 19. PMID: 22513780
  13. Roche “Accutane (isotretinoin) Capsules Label” https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2002/18662s051lbl.pdf 2019.05.07 アクセス
  14. iPLEDGE program” https://www.ipledgeprogram.com/iPledgeUI/home.u 2019.05.07 アクセス
  15. 厚生労働省 “アキュテイン(ACCUTANE)(わが国で未承認の難治性ニキビ治療薬)に関する注意喚起について” https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1b.html 2019.05.07 アクセス

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