アキュテイン(イソトレチノイン)

イソトレチノイン_薬剤画像

アキュテインとは、「イソトレチノイン」と言うニキビの治療のための飲み薬です。

イソトレチノインは、先発医薬品が「アキュテイン」という製品名で、現在はすべて後発品に置き換わっています。アキュテインの後発医薬品には「ロアキュテイン」、「イソトロイン」、「ソトレット」、「クララビス」などがあります。

中等度~重度のニキビに対して、欧州や米国の治療ガイドラインでは高いレベルで推奨されており、全世界で30年以上前から使用されています (1, 2)。

イソトレチノインが日本で未認可なのは、ニキビは身体的に不調をきたす病気ではないことから、「疾病の治療目的」というよりは「美容目的」と解されることも多く、特にイソトレチノインのような催奇形性等の重篤な副作用がある薬は、認可されにくくなっていることがその理由です。

前院を含めて当院では、13年以上、延べ8000人以上の患者に治療を行っています。皮膚科で改善しない重症ニキビ患者さんを中心に、古くから多くの症例を経験している皮膚科であることを自負しています。

イソトレチノインのニキビへの効果

当院の患者に対するイソトレチノイン治療の成績は、中等度以上改善の患者は98%以上、再発率(※)は30%以下です。

これは、文献上のイソトレチノインの有効率・改善率と大きく変わりません。中等度のニキビ患者に対して24週に渡って20mg/日のイソトレチノイン治療を行った研究では、98.99%の患者が改善し、中でも劇的に改善した患者が98.3%と非常に高い有効率が報告されています (3)。

重度のニキビ患者に対して20週に渡って1mg/kg/日のイソトレチノイン治療を行った研究では、95%以上の炎症性ニキビの減少が見られた患者が90%であり、用量依存的に有効率が上昇したと報告されています (4)。

当院で治療を受けたほとんどの患者が、以前に抗生剤や塗り薬などの保険治療をすでに受けており、改善が認められなかったことを考えると、イソトレチノインの効果は非常に高く、再発率が低い治療と言えます。

中等症以下のニキビに対しては、保険治療が無効であり再発を繰り返す方に限り処方しています。中等症以下のニキビに対しては、0.5mg/kg/日か、それ以下のイソトレチノインの低用量療法で効果が出る場合も多くあります (5, 6)。

重症のニキビに対しては、瘢痕や跡をなるべく残さないためにも、積極的に用量を増やしていき、早期の改善を目指します。

*当院の統計による再発率は、治療終了後、新生ニキビの数が治療前の状態の1/3以上に戻った場合を再発としています。

イソトレチノインの作用

イソトレチノインには、アクネ菌を殺菌する作用がある抗生物質や、ホルモン剤、ステロイドなどの成分は含まれていません。それでは、この薬はどのようにニキビを治していくのでしょうか?

イソトレチノインの作用(メカニズム)には、まだ未知の部分が多くありますが、主に以下の3つが知られています。

皮脂線を退縮

イソトレチノインは、皮脂腺の細胞を退縮させる作用があります (7)。薬を飲み始めると、約1~2週間で肌に強い乾燥を感じるようになるのはこのためです。結果として毛穴も縮まり小さくなります。

ニキビの原因菌であるアクネ菌や黄色ブドウ球菌は、毛穴や皮脂腺に潜んでいますが、イソトレチノインにより皮脂線が退縮するとそこに住めなくなり、抗生物質を使用しなくてもニキビの原因菌の数が激減します。

皮脂腺のサイズ自体は治療終了後にまた大きくなってしまうため、ある程度皮脂量は戻ります。皮脂腺のアポトーシスを促すため (8)、100%戻るわけではありませんが、大部分の皮脂量は戻ってきます。

細胞を正常化

イソトレチノインは、細胞に働きかけて、皮脂腺細胞や表皮細胞を正常化する働きがあります (9) 。ニキビとは病態が異なりすが、皮脂腺が発達しすぎて肥大する「脂腺増殖症」での治療効果も認められており、治療終了後も皮脂腺が正常化している割合が多いことも報告されています (10)。

皮膚の細胞が正常に働くようになると、異常な角化(皮膚が厚くなり、毛穴がつまる)が起こらなくなり、毛穴がつまらなくなればニキビの炎症が起こらなくなります。

抗炎症作用

イソトレチノインは、ニキビの原因であるアクネ菌に対する細胞の免疫応答を正常化する「免疫調整作用」を有することも報告されています。

つまり、過度に免疫が反応して炎症が起こるのを防ぐ作用があるため、ニキビの炎症が起こりにくくなります (11, 12)。

当院でのイソトレチノイン治療

治療開始後1ヶ月間は、約30%の患者に一過性のニキビの増悪(好転反応)がみられますが、平均して2ヶ月間~3ヶ月間でニキビが改善していきます。ニキビが改善してからも、再発を防ぐために治療を継続する必要があります。1クールの治療期間は約24~26週間(6ヶ月間)ですが、8ヶ月程度まで延長する場合もあります。

3ヶ月間で改善が認められなかったり、増悪期間(好転反応)が2ヶ月以上続いたりした場合は、増量する可能性があります。推奨用量は0.5mg~1.0mg/kg/日ですが、体重や重症度に応じて、60 mg/日以上の高用量で治療しなければならないケースもあります。極量は2mg/kg/日までです。つまり、体重60キロの患者さんの場合、120 mg/日までとなります (13)。

軽症の場合や、副作用が強く増量が難しい場合は、低用量療法(10 mg~20 mg/日)を行う場合もあります。

他院でイソトレチノインによる治療を行い、改善しなかったという患者さんの大部分は、用量や期間が足りてない可能性があります。用量を増やせば、効果は上がり、再発率も低くなりますが、副作用は大きくなりますので、十分に注意して治療を行う必要があります。

治療方法の工夫によって、再発率を最小限に抑えるように努力していますが、約30%の患者さんに再発を認めます。また、残念なことに1~2%の患者さんには、用量を増やしていっても全く効果が認められないことがあります。

再発した場合は、最低2ヶ月間、できれば4ヶ月間空けてもう1クール治療を行います。再発したとしても、クール毎に徐々にできなくなってくる(クールを始める前よりは減る)方がほとんどですので、繰り返し叩いていけば良好な結果が得られる可能性が高いのですが、全体の5%~10%の患者さんでは、クールが終わる度に元のように再発してしまう方がいます。

イソトレチノインは、現存するニキビの治療薬の中で、非常に高い有効率と低い再発率を誇りますが、100%の方が改善して、その後も永遠に再発しないというような魔法の薬ではありません。医療にも限界があり、過剰に期待をすると必ずしも満足する結果にならないこともあります。

治療期間

治療期間は、1クール=24~26週間、約6ヶ月間です。ニキビの治りが悪い場合、8ヶ月間に延長することもあります。最近は欧米の皮膚科でも治療期間を長くする傾向にあります。その理由は、長く治療を継続したほうがより確実にニキビを叩くことができ、治療終了後の再発率を下げることができるからです。

しかし、再発率を下げられる反面、長期に飲めばそれだけ副作用のリスクが高くなることに留意しなければいけません。

1クールの治療終了後、最低でも2ヶ月間(できれば4ヶ月間)の休薬期間を取ります。ニキビの再発が軽度であれば、治療は終了となります。

気になるほどの再発がある場合は、2ヶ月以上の休薬を取った後、再度受診していただき、2クール目の治療を行うかどうかを検討します。2クール目の治療期間もしっかりと6ヶ月間行ったほうが、さらに再発率は下がります。

ニキビが再発したとしても、以前よりもできにくい状態になることがほとんどですので、2クール、3クールと治療を重ねることで、ほとんどのケースでニキビが気にならない状態までもっていくことが可能です。

再発率を下げる工夫については、よくある質問の「ニキビの再発を抑える飲み方はありますか?」も併せてご覧ください。

治療症例

【来院した経緯】
15歳からニキビに悩まされ、抗生物質、塗り薬、漢方薬、ビタミン剤などを皮膚科で長年受け続けてきましたが治らず、当院へ来院しました。結節性、膿疱性ざ瘡と呼ばれる重症型のニキビです。

【当院の治療】
イソトレチノイン治療を6ヶ月間行いました。左の写真は治療開始前の状態、右は5ヶ月経過後の写真です。

正しい治療をすれば、ニキビを治すこと自体は難しいことではありません。しかし、何年も治らないまま、だらだらと治療が継続されたり、皮膚科医が正しい治療を選択してくれない場合は、繰り返しニキビができ続けることによって、一生残る凹みやクレーター、ケロイドができてしまうことがあります。

重症であればあるほど、早期の治療が重要なのですが、保険治療しか行っていない医師の知識不足も相まって、当院へたどり着くのが遅くなってしまい、初診の時点で一生残る凹凸が沢山できてしまっている方も少なくありません。

アキュテインによる重症ニキビ治療

【治療のリスク・副作用】
「イソトレチノインの副作用」をご覧ください。

あわせて読みたい

イソトレチノインの副作用

イソトレチノインには、様々な副作用やリスクがあることも事実です。副作用やリスクの説明をしっかり行い、定期的な採血検査等の副作用チェックは不可欠です。

イソトレチノインの副作用は多岐に渡りますが、代表的なものは皮膚、口、鼻、眼の粘膜の乾燥です。この副作用はほぼ100%の患者さんに起こります。乾燥によって皮膚炎、口角炎、口唇炎、鼻出血、ドライアイなどが起こる可能性があります。それに伴い、赤ら顔や鼻血もよく起こる副作用です (13)。

顔だけでなく体全体が乾燥しますので、保湿剤をしっかり使用していただきます。顔の保湿はできるだけニキビが出来ない処方の保湿剤(当院では、調剤化粧品のEGホワイトローション・EGホワイトクリームを推奨しています)、体や唇の保湿はワセリン(サンホワイト)を中心に保湿していただきます。保湿対策を十分行うことによって、治療に耐えられないほどの乾燥は起きません。

頻度は下がりますが、骨、筋肉、関節の痛みや、頭痛、生理不順などもあります。特に頭痛は、頭蓋内圧を亢進させる作用があるために起こり、軽度のものは様子を見ても良いのですが、症状がひどいケースや吐き気などの他の随伴症状が出た場合には中止しなければなりません。

血液検査では、肝機能障害、腎機能障害、膵機能障害、中性脂肪、コレステロール、血糖値、尿酸値の上昇、血球成分の減少や増加、CPKの上昇などが見られ、毎月血液検査でチェックする必要があります。

脱毛の副作用は2%~4%程度の患者さんに認めます。いきなりバッサリと髪が抜け落ちることはなく、抜け毛が多くなってきたという程度から始まります。

イソトレチノインの脱毛の理由としては、頭皮の乾燥による抜け毛もありますが、細胞のターンオーバーの亢進→毛周期の亢進による「休止期の毛の脱毛」が主なものとなります。内服中止によって脱毛の進行は止まり、元に戻りますが、極めて稀に回復しない例も報告されています。回復しない例は、基礎疾患にAGAなどがある方がほとんどです。

もともと毛周期が短縮していて、なおかつ成長期の毛が少ない患者さんの場合、イソトレチノインの服用により一過性に休止期脱毛が増えると、例え中止により脱毛の進行が止まったとしても、成長期の毛が追い付かないために回復しないのではないかと推察しています。いずれにしても、抜けるのは休止期の毛であり、本来は自然に抜け落ちるのを待つ毛になりますから、過度に心配する必要はないと考えます。逆に、脂漏性脱毛に悩まされている方は、イソトレチノインの服用により脱毛が減り、多毛になるといった副作用(副効用)も報告されていますが、こちらもイソトレチノインの服用中止により元に戻ります。

非常に稀ですが、重篤な副作用として視力低下、視野障害などの目の異常、急性膵炎、急性肝炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、アナフィラキシーショック、スティーブンス・ジョンソン症候群、自殺衝動などが報告されています。女性には胎児の催奇形性という重大な副作用があるため、内服中及び内服中止後6ヶ月間は必ず避妊を行っていただきます。アメリカのiPLEDGEプログラムに準拠し、処方には1ヶ月に1回の妊娠反応検査が必要です (14)。

副作用については、診察時に副作用シートをお渡しして詳しく説明しています。何か不安なことがあれば遠慮なく医師にご相談ください。

12年間で当院で経験した重篤な副作用は、以下のものがあります。

  • 目の異常 4名
  • 潰瘍性大腸炎 1名
  • 重度のアレルギー 4名
  • 敗血症 1名

目の異常については、4名の患者さんが目のかすみや近くのものが見えづらいといった症状を訴えたため、すぐに薬を中止して眼科の検査を受けていただきました。特に眼科検査の結果は異常はなく、視力低下等の後遺症も残さずに症状は回復しました。

潰瘍性大腸炎については、1名の患者さんが治療終了後に潰瘍性大腸炎と診断されました。因果関係は不明でしたが、念のためその後のクールは行わずに経過を見ていただきました。その後、ご家族から潰瘍性大腸炎の症状は寛解していると伺っています。2014年の調査では、アキュテイン(イソトレチノイン)と大腸炎に関しては明らかな因果関係は証明されず、ニキビがある患者さんはアキュテインの服用をしているしていないに関わらず、腸炎を起こしやすいという報告があります。つまり、肌にニキビの炎症が起こりやすい方は他の部位にも炎症が生じやすいという可能性があります。また、ほとんどの患者さんがアキュテインの治療前に抗生物質を長期服用しており、抗生物質による腸炎の影響についても示唆されています。

イソトレチノインと大腸炎との潜在的な関連性を示した報告があるため、当院では副作用の一つとして患者さんへ説明しております。そのため、当院では、潰瘍性大腸炎やクローン病の持病をお持ちの方には、原則治療を行っておりません。最近の研究では、メタアナリシスで潰瘍性大腸炎とクローン病のリスクが否定されており、アメリカ皮膚科学会では、イソトレチノインとIBD(炎症性腸疾患)との関連性を示すエビデンスは不十分であるという立場をとっています (16)。

重度のアレルギーについては、1名の患者さんから飲み始めて1週間で38度の発熱が起こったという電話をいただきました。蕁麻疹などの薬疹は出現しておらず、他の感染性疾患(感冒等)の可能性も否定できませんでしたが、アレルギーによる発熱の可能性もあったため、念の為薬を中止していただきました。

1名のアレルギーの患者さんは、内服して3週目と4ヶ月目に全身に発疹が起こり、発熱と唇のただれ、口腔粘膜のびらんを認めました。スティーブンスジョンソン症候群に近い形でしたが、1名は数日入院して、幸い後遺症も残らずに軽快し、もう1名の患者さんは、症状は拝見できませんでしたが、ご自分で薬を中断してすぐに良くなり事なきを得ました。

残り1名のアレルギー患者さんは、内服して数カ月後に薬疹、血圧低下などが起こり、こちらも治療の中止で幸い軽快しました。

敗血症の患者さん1名については、薬の直接的な副作用ではありませんが、間接的な副作用として起こりました。その患者さんは、過去に私が診た中でも最重症例でした。顔、胸、背中、腕やお腹、お尻や太ももまでニキビで埋め尽くされてしまっている全身性の「集簇性ざ瘡」の患者さんでした。大学病院でも改善されないとのことで、当院を受診されました。

抗生物質とイソトレチノインの併用療法を開始しましたが、初期悪化が強く出て皮膚感染症を併発し、CRP(炎症反応の指標)が15まで上昇したため、病院へ緊急で入院してもらいました。血液培養や皮膚感染巣の培養検査を行い、強力な抗生物質の全身投与によってショック状態までには至らず、炎症は快方へ向かいました。その後、地元の病院へ転院していただき無事に退院されましたが、治療を継続できなかったため、根本的にニキビができる体質を治すことができませんでした。退院してから「元気でやっています」というおハガキを頂きましたが、もう少し何とか治療ができたのではないかと非常に悔やまれる症例です。

以上のように副作用がある薬剤ですが、定期的に副作用チェックを行い、対処が早ければ重篤な後遺症を残す副作用は非常に稀です。当院では、副作用には厳重な注意を払いながら治療を行っています。

イソトレチノインはニキビに最も効果がある薬として、欧米では30年以上の歴史があります。重篤な副作用が起こる確率は、決して高いものではありません。医師のもとで正しく服用し、検査を定期的に受け、注意事項を守れば大部分の副作用を未然に防ぐことができます。

日本でニキビ治療に頻繁に使用されている抗生物質でも、膵炎、大腸炎、間質性肺炎、アナフィラキシーショック、スティーブンス・ジョンソン症候群などの重篤な副作用が報告されており、どんな薬にも副作用のリスクがあることは認識しなければなりません。

当院では単にメリットだけを並べるのではなく、デメリットやリスクの説明もしっかり行い、患者さん自身の同意を得た上で治療を行なっています。

イソトレチノイン治療の料金

※24歳以下のニキビ初診患者様は、学割として初診料5800円→2900円と半額になります。学割は2020年3月31日で終了とさせていただきますのでご了承ください。

当院は、症例数が全国でも多いため、できるだけ安い価格に設定していますが、保険が効かない治療ですので、事前に料金の確認をお願いします。

項目料金(税別)
イソトレチノイン 10 mg1錠 280円
イソトレチノイン 20 mg1錠 380円
  1. 薬の処方には必ず診察と検査が必要となります。
  2. 用量によってお薬の料金が変動します。
  3. FDAでは医師の処方箋がない「アキュテイン(イソトレチノイン)の個人輸入」は禁止されています (15)。

10 mgでの治療費用

アキュテイン 10 mg(税別)
診察料初診料 5,800円
再診料 2,900円
薬代イソトレチノイン10 mg
28日分 7,840円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 16,920円~17,880円
再診時 14,020円~14,980円

20 mgでの治療費用

アキュテイン 20 mg(税別)
診察料
初診料 5,800円
再診料 2,900円
薬代(28日)イソトレチノイン 20 mg
28日分 10,640円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 19,720円~20,680円
再診時 16,820円~17,780円

40 mgでの治療費用

アキュテイン 40 mg(税別)
診察料初診料 5,800円
再診料 2,900円
薬代イソトレチノイン40 mg
28日分 21,280円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)初診時 30,360円~31,320円
再診時 27,460円~28,420円

60 mgでの治療費用

アキュテイン 60 mg(税別)
診察料初診料 5,800円
再診料 2,900円
薬代イソトレチノイン60 mg
28日分 31,920円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 41,000円~41,960円
再診時 38,100円~39,060円

80 mgでの治療費用

アキュテイン 80 mg(税別)
診察料初診料 5,800円
再診料 2,900円
薬代(28日)イソトレチノイン80 mg
28日分 42,560円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 51,640円~52,600円
再診時 48,740円~49,700円

治療を受けることができない方

以下の方は「イソトレチノインによるニキビ治療」を受けることができません。

  1. 個人輸入している方
    イソトレチノインの個人輸入は医師の処方箋がない限り禁止されています。当院では医師の責任の下で医薬品の処方と治療を受けることができる患者さんのみに診療を行っておりますので、ご了承ください。
  2. 軽症ニキビの方
    自費診療のため、どうしてもという方には処方するケースもありますが、原則は、保険治療で治らなかった「難治性のニキビ」や、「中等症以上のニキビ」の方のみに適応があります。
  3.  15歳未満の方
    骨端線が閉鎖して、身長の伸びにくくなる可能性があります。
  4. 18歳未満の方
    18歳未満の方は初診時には保護者の方と同伴でなければ、薬の処方はできません。再診時はご本人だけでも診察可能です。
  5. 精神疾患を患っている方
    うつ病、統合失調症等の精神疾患を患っている方は、原則は治療を受けることができません。既往があって現在完治されている患者さんは、診察の際に医師へご相談ください。
  6. ご妊娠中の方など
    妊娠中、授乳中、妊活中、または1年以内に妊娠の予定がある方は、イソトレチノインの内服はできません。
  7. レーザー脱毛、フラッシュ脱毛中の方
    治療中、および治療中止後3~6ヶ月間は脱毛を中断していただきます。
  8. アレルギーのある方
    過去にイソトレチノイン製剤でアレルギーを起こしたことのある方、パラベン・大豆・ピーナッツアレルギーのある方は服用できません。
  9. 定期検診の重要性
    1クール6ヶ月間、1ヶ月に1回の検査が必要となります。遠方の方には長めに処方することも可能ですので、診察時にご相談ください。定期的に当クリニックへ通うことが出来ない方は、お近くの他の病院での治療をおすすめします。

よくある質問

イソトレチノインの治療効果を教えてください

イソトレチノインによるニキビの治療では、適切な用量を使うことで1クール(約6ヶ月間)で98%の患者さんが治癒、または改善します。現存する全世界で処方されているニキビの治療薬として、最も効果が高く再発率が低い薬剤とされています。

イソトレチノインの効果はいつから出ますか?

イソトレチノイン(アキュテイン)の効果は、最初の1ヶ月は悪化する可能性がありますが、その後2~3ヶ月で現れてきます。

改善がない場合は、薬剤の量を調整する必要がありますので、医師にご相談ください。

イソトレチノインの副作用を教えてください

「イソトレチノインの副作用」の項目をご覧ください。

胎児の催奇形性について教えてください

イソトレチノインの重大な副作用の一つに、妊娠した女性に投与すると流産や胎児の奇形を引き起こすという重篤な副作用があります。

具体的な報告として、中枢神経系の奇形、耳の欠損や奇形、目の異常、心奇形、口蓋裂、胸腺や副甲状腺の奇形があります。女性の場合、服用前には必ず妊娠反応検査(可能であれば服用開始1ヶ月前の検査がより確実)を行い、毎月の定期診察時にも必ず妊娠反応の検査を行います (14)。

服用中はもちろんですが、服用中止後の6ヶ月間は必ず避妊(可能であれば2種類以上の避妊)を行っていただきます。男性が服用する場合は、男性側も服用中と中止後の1ヶ月間は避妊をしていただいています。

添付文書上は1ヶ月間の避妊が必要とされていますが、当院では安全性のマージンを取って6ヶ月とさせていただいています。

なお、エトレチナート(チガソン)という乾癬の治療薬がありますが、こちらは親油性がより強く半減期が120日間と非常に長いため、服用後に2年間の避妊が必要となります。イソトレチノイン(アキュテイン)の半減期は15時間~20時間ですので、チガソンとは体内の残留性が異なります。

所定の期間きちんと避妊していただければ、通常妊娠と比較して胎児の奇形率が上昇することはありません。なお14年間の治療の中で、当院の患者さんからの胎児の奇形の報告は1例もありません。

上記のことでご心配なことがありましたら、診察の際に遠慮なく医師にご相談ください。

通院頻度と期間を教えてください

イソトレチノインによるニキビ治療では、約4週間に1度の通院が必要です。治療期間は1クール、6ヶ月間です。治療の効果が弱い場合は、1クールの期間を8ヶ月間に延長することもあります。

なかなかご来院できない方や遠方の方には、できるだけ多めに処方しておりますが、採血等の副作用チェックが必要なため、定期的に通院できるかどうか、事前にご確認をお願いいたします。

処方の最大量は、東京近郊(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の方は6週間分まで、それ以上遠方の方は8週間分までとさせていただいておりますが、特別な事情がある方は診察時にご相談ください。

血液検査は必要ですか?

当院では、イソトレチノイン治療中は、必ず定期的に採血検査を行います。

血液検査で確認する副作用は、肝機能障害、腎機能障害、膵機能障害、中性脂肪、コレステロール、血糖値、尿酸値の上昇、血球成分の減少や増加、CPKの上昇など多岐に渡ります。初回や2回目の採血で問題がなくても、治療途中で出現することもあるため、毎月の採血検査が必要です。

女性の患者さんには、服用前には必ず尿検査(妊娠反応検査)を行い、毎月の定期診察時にも必ず妊娠反応の検査を行います。

必要な検査を行わない場合、当院での薬の処方はできませんのでご了承ください。

ニキビの再発を抑えるイソトレチノインの飲み方はありますか?

イソトレチノインは再発率が低いお薬ですが、それでも約30%前後の患者さんは再発し、2~4クールと治療を受けなければならないケースがあります。できるだけ再発率を少なくするためには、「適切なタイミング」で薬を飲み、「適切な用量と期間」を守ることが大切です。

飲むタイミング

イソトレチノインを飲む適切なタイミングは、「食直後」です。脂溶性(しようせい)のため、脂肪分と一緒に吸収されていきます。空腹時に飲むと吸収が悪くなるため、効果が弱くなります。当然、飲み忘れにも注意していただきます。

食事の影響を受けないイソトレチノイン製剤として改良されたアブソリカ(Absorica)という薬剤もあります。アブソリカは、インドのランバクシーラボラトリーズが開発した改良型イソトレチノインで、2012年に米FDAで認可されました。食事の影響を受けませんから、食後にイソトレチノインを飲むことが難しい患者さんに適した薬剤です。

しかし、過去に行われた20週間の比較試験では、統計上の有意差はないものの、アブソリカよりも従来のイソトレチノインのほうが成績が良いという結果になりました。アブソリカは価格も高いことから、どうしても食後にイソトレチノインを飲めないという人以外は必要がないと考えます。

適切な用量と期間

イソトレチノインの適切な用量は、ニキビの重症度や患者さんの体重から判断します。当院ではおおむね20~60 mgの間で治療を開始します。

欧米の患者さんでは体重1 kgあたり0.5~1 mgから開始し、最大で体重1 kgあたり2 mg(体重60キロの方の場合、120 mg/日)まで増量しますが、日本人の場合はそこまでの高用量を必要とすることは稀です。

適切な期間は、標準的には4ヶ月~5ヶ月(16週~20週)とされていますが、近年欧米では再発を防ぐために、1クールの治療期間は6ヶ月程度となっており、8ヶ月~10ヶ月とする病院もあります。当院では1クールを約6ヶ月(24~26週間)とし、必要に応じて8ヶ月まで延長します。

アメリカやドイツの研究では、1クールの期間中、累積で体重1 kgあたり120 mg以上の用量を服用することが、再発率を低下させるためには重要であると報告されています。つまり、体重60 kgの重症ニキビ患者の場合、1クールの期間をを6ヶ月間とすると、1日あたり約40 mgが必要量となります (17)。

用量を多くすれば、さらに再発率が下がるという報告もあります。ドイツの試験では1クールの期間中、220 mg/kg以上の用量を服用すると、再発率が有意に低下しました (18) 。

軽症~中等症のニキビの場合、低用量でも大きく再発率が変わるわけではないため、低用量で処方することが多くなります。再発率は累積用量に関係するという報告は多数ありますが、否定する見解もあります (19)。

当院では重症ニキビの方が多く来院されているため、1日あたり40 mg~80 mgの処方をしているケースは少なくありません。 当院で過去に処方した最大量は1日140 mgです。

用量を増やして服用期間を長くすれば、再発率と再発の程度を下げることができますが、副作用の出現率は高まります。再発率を下げるには、副作用の程度を見ながら、新生ニキビができなくなるまで薬の量を少しずつ増やしていく必要があります。

1日10 mgという低用量で、3ヶ月ほどの短期間の治療でも十分効果を認める場合もあります。低用量短期間療法の場合、副作用の発現も少なく治療しやすいのですが、再発率は非常に高くなります。治療にあたっては、そのことも考慮に入れる必要があります。

治療中にレーザーは受けられますか?

イソトレチノインは光の感受性を高めるお薬です。そのため、内服中に光やレーザーを受けると、シミや色素沈着の原因になりますので、治療中はレーザーを受けることはできません。

治療の強さによって空ける期間を定めており、光治療や光脱毛、当院のマイルドなロングパルスヤグレーザーやトーニングレーザーの場合はアキュテイン終了後3ヶ月、強力なロングパルスレーザーやeCO2(炭酸ガスフラクショナルレーザー)、医療レーザー脱毛の場合はアキュテイン中止後6ヶ月空けていただきます。

詳しくは、「治療インターバル」をご参照ください。

治療中に日焼けはだめですか?

イソトレチノインは光の感受性を高めるお薬ですので、日光過敏になる可能性があります。そのため、治療中と治療終了後最低2ヶ月間は日焼けを避けてください。

一緒に飲んではいけない薬はありますか?

イソトレチノインはいくつかの薬と飲み合わせ、相互作用があります。以下の薬とは一緒に飲まないでください。

●テトラサイクリン系抗生物質

代表的な商品名:ビブラマイシン、ミノマイシン、ミノサイクリン、ミノペン

相互作用で頭痛の原因となる頭蓋内圧を上げる副作用が強くでることがあります。

●副腎皮質ステロイド剤

代表的な商品名:プレドニン、プレドニゾロン、セレスタミン

相互作用で骨を弱くする副作用が強く出ることがあります。

喘息の治療で使用される吸入のステロイド薬や、アトピー性皮膚炎の治療で使用される外用のステロイド薬は、併用しても問題ありません。喘息発作等の治療で行われる短期的なステロイドの点滴も問題ありません。

●フェニトイン

代表的な商品名:アレビアチン、ヒダントール

相互作用で骨を弱くする副作用が強く出ることがあります。

●ビタミンA

相互作用で副作用全般を増強させる恐れがあります。総合ビタミン剤にはビタミンAが入っているものが多いため、必ずパッケージを確認してください。ビタミンA以外のビタミンに相互作用はありません。βカロテンは摂取して問題ありません。ビタミンAを気付かずに短期間飲んだくらいでは、問題は起こりませんので心配いりません。

イソトレチノイン治療中にワクチンを打っても問題ありませんか?

ワクチン接種とイソトレチノインとの相互作用は、安全性試験が行われていません。そのため、原則ワクチン接種は内服中、内服終了後1ヶ月間は控えていただきます。

健康上の利益がリスクを上回る場合で(熱帯地域への渡航時のワクチンや医療従事者のB型肝炎ワクチンなど)、どうしてもワクチン接種が必要な場合、ワクチン接種まで2週間以上空け、接種後、不活化ワクチンは24時間・生ワクチンは3週間空けてからお薬を再開してください。

インフルエンザワクチンについては、当院のデータで1例も副作用、副反応はなく、諸外国の状況を鑑みて、受けても問題ありません。

お酒と一緒に飲んでも大丈夫ですか?

アルコールとの相互作用はありませんので、一緒に飲んでも大丈夫ですが、薬を飲む際は水で飲んでください。アキュテインを服用中にアルコールを多量に摂取すると肝機能障害などが起こりやすいため、過度な飲酒はお控えください。

薬を飲み忘れた時はどうしたら良いですか?

イソトレチノインを飲み忘れた場合、食直後の服用が理想ですので、当日中であれば、次の食事の後に飲むようにしてください。次の食事を食べない場合は、気づいたタイミングで飲んでください。

例1)毎日昼食後に1錠飲んでいて、夕食前に飲み忘れに気付いた場合は、夕食後に1錠飲む

例2)毎日夕食後に1錠飲んでいて、寝る前に飲み忘れに気付いた場合は、その時点で1錠飲む

例3)毎日朝食後1錠、夕食後1錠飲んでいて、朝食後に飲む分を忘れた場合は、夕食後にまとめて2錠飲む

前日に飲み忘れた分は、そのまま無視して飲まなくて構いません。例えば、1日1錠飲んでいる方で、前日の分を飲み忘れたからと言って、当日に2錠飲まないようにしてください。再発を防ぐためにも、できるだけ飲み忘れのないようにしてください。

アキュテインのジェネリック医薬品はありますか?

Accutane(アキュテイン)はスイスのRoche社が1980年代に出した最初のイソトレチノイン製剤ですが、2002年に特許が切れて、その後Amnesteen、Claravis、Sotretといったジェネリック医薬品に市場を奪われてしまいました。アキュテインの売り上げは、イソトレチノイン製剤全体の5%以下に落ち込んでしまい、2009年にRoche社はアキュテインの製造を中止しています。アメリカでは市場を奪われて撤退しましたが、その後名称をRoaccutane(ロアキュテイン)に変更して他国への進出しています。

Accutane(アキュテイン)という薬は現在販売されておらず、市場に出ているのはすべてジェネリック薬(後発医薬品)です。Roaccutane(ロアキュテイン)は、製造元であるスイスのRoche社が製造した自社の後発医薬品となります。

先発医薬品メーカーがジェネリックを作るのは変だと思うかもしれませんが、パッケージや製造方法を見直してコストを削減し、名称を変えて発売することは珍しくありません。

当院ではCipla社のIsotoroin(イソトロイン)をイソトレチノイン製剤としてメインで使用しています。また、Roaccutane(ロアキュテイン)を使用することもあります。

多くの患者さんがイソトレチノインという名前ではなく、先発品のアキュテインという名前を認識しているため、当院でも便宜上、イソトレチノイン製剤による治療をアキュテイン治療という表記にしていますのでご了承ください。

パントテン酸はイソトレチノインの代わりになりますか?

パントテン酸は水溶性ビタミンのひとつで、ビタミンB5とも呼ばれています。糖や脂肪、タンパク質などの代謝を活性化する補酵素としての役割があり、ビタミンB群やCの働きを助ける役割もあるため、肌にとって大切な成分です。

弱い作用ですが、パントテン酸には皮脂を減らす働きがあるため、皮脂抑制目的で使用されている患者さんもおられるようです。

パントテン酸の1日の必要量は5 mgですが、その1000倍以上の用量を摂取して皮脂を抑制するという民間療法が古くからありますが、パントテン酸だけでニキビを改善させるというのは医学的根拠が不足しています。

パントテン酸は下剤としても使用され、大量に飲むと下痢や腹部膨満感などの消化器症状を起こすため、水溶性ビタミンとは言え必要量を超えて大量に摂取すれば問題が起こる可能性もあります。

最近はパントテン酸と乳酸菌の併用という民間療法に代わってきているようです。パントテン酸は、サプリメントとして市販されていますので、推奨用量を超えて使用しなければ、全く問題がないと考えます。

受診時の問診票の中で、過去にその治療を行ったという患者さんがたくさん受診されますが、効果があったという患者さんはほぼいません。

効果があれば当院を受診しないはずなので、バイアスがかかっていることは否めませんが、パントテン酸が効かなかった患者さん全例にイソトレチノインの効果を認めていますので、イソトレチノインに代わるほどの効果はありません。

参考文献・サイト

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