アキュテイン(イソトレチノイン)

イソトレチノイン_薬剤画像

アキュテインとは、「イソトレチノイン」と言うニキビの治療のための飲み薬です。

イソトレチノインは、先発医薬品が「アキュテイン」という製品名で、現在はすべて後発品に置き換わっています。アキュテインの後発医薬品には「ロアキュテイン」、「イソトロイン」、「ソトレット」、「クララビス」などがあります。

中等度~重度のニキビに対して、欧州や米国の治療ガイドラインでは高いレベルで推奨されており、全世界で30年以上前から使用されています 1, 2

イソトレチノインが日本で未認可なのは、ニキビは身体的に不調をきたす病気ではないことから、「疾病の治療目的」というよりは「美容目的」と解されることも多く、特にイソトレチノインのような催奇形性等の重篤な副作用がある薬は、認可されにくくなっていることがその理由です。

前院を含めて当院では、14年以上、延べ1万人以上の患者に治療を行っています。皮膚科で改善しない重症ニキビ患者さんを中心に、古くから多くの症例を経験している皮膚科であることを自負しています。

イソトレチノインのニキビへの効果

当院の患者に対するイソトレチノイン治療の成績は、中等度以上改善の患者は98%以上、再発率*は30%以下です。

これは、文献上のイソトレチノインの有効率・改善率と大きく変わりません。中等度のニキビ患者に対して24週に渡って20mg/日のイソトレチノイン治療を行った研究では、98.99%の患者が改善し、中でも劇的に改善した患者が98.3%と非常に高い有効率が報告されています 3

重度のニキビ患者に対して20週に渡って1mg/kg/日のイソトレチノイン治療を行った研究では、95%以上の炎症性ニキビの減少が見られた患者が90%であり、用量依存的に有効率が上昇したと報告されています 4

当院で治療を受けたほとんどの患者が、以前に抗生剤や塗り薬などの保険治療をすでに受けており、改善が認められなかったことを考えると、イソトレチノインの効果は非常に高く、再発率が低い治療と言えます。

中等症以下のニキビに対しては、保険治療が無効であり再発を繰り返す方に限り処方しています。中等症以下のニキビに対しては、0.5mg/kg/日か、それ以下のイソトレチノインの低用量療法で効果が出る場合も多くあります 5, 6

中等症以上のニキビに対しては、瘢痕や跡をなるべく残さないためにも、早期の改善を目指します。

*当院の統計による再発率は、治療終了後、新生ニキビの数が治療前の状態の1/3以上に戻った場合を再発としています。

イソトレチノインの作用

イソトレチノインには、アクネ菌を殺菌する作用がある抗生物質や、ホルモン剤、ステロイドなどの成分は含まれていません。

イソトレチノインの作用には、まだ未知の部分が多くありますが、主に以下の3つが知られています。

皮脂線を退縮

経口イソトレチノインには、直接的な抗菌作用はありませんが、皮脂腺を退縮させ、皮脂分泌を大きく減らす作用があります 7 20。この作用により、ニキビの原因菌であるアクネ菌が定着できなくなり、抗生物質よりもアクネ菌の数を減らすことができます 21

イソトレチノインは皮脂腺のアポトーシスを促すため 8、治療後もある程度は皮脂量の減少を認めます。しかし、アポトーシスを起こさずに収縮した皮脂腺のサイズはもとに戻るため、皮脂も大部分は戻ってきます。

細胞を正常化

イソトレチノインは、細胞に働きかけて、皮脂腺細胞や表皮細胞を正常化する働きがあります 9。ニキビとは病態が異なりすが、皮脂腺が発達しすぎて肥大する「脂腺増殖症」での治療効果も認められており、治療終了後も皮脂腺が正常化している割合が多いことも報告されています 10

皮膚の細胞が正常に働くようになると、異常な角化(皮膚が厚くなり、毛穴がつまる)が起こらなくなり、毛穴がつまらなくなればニキビの炎症が起こらなくなります。

抗炎症作用

イソトレチノインは、ニキビの原因であるアクネ菌に対する細胞の免疫応答を正常化する「免疫調整作用」を有することも報告されています。

つまり、過度に免疫が反応して炎症が起こるのを防ぐ作用があるため、ニキビの炎症が起こりにくくなります 11, 12

当院でのイソトレチノイン治療

治療開始後1ヶ月間は、約30%の患者に一過性のニキビの増悪(好転反応)がみられますが、平均して2ヶ月間~3ヶ月間でニキビが改善していきます。ニキビが改善してからも、再発を防ぐために治療を継続する必要があります。1クールの治療期間は約24~26週間(6ヶ月間)です。

皮膚の状態や副作用の有無を診察して、ニキビの改善が乏しい場合には増量していきます。推奨用量は0.5mg~1.0mg/kg/日で、極量は2mg/kg/日です 13

経験の乏しい美容クリニックの処方では、適切な用量と用法が守られておらず、副作用も適切に管理されていない問題があり、イソトレチノインを使用しても改善率が高くないケースが多々あります。

当院では治療方法の工夫によって、再発率を最小限に抑えるように努力していますが、約30%の患者さんに再発を認めます。また、残念なことに1~2%の患者さんには、用量を増やしていっても全く効果が認められないことがあります。

治療期間

治療期間は、1クール=24~26週間、約6ヶ月間行いますが、個々のニキビの状態で変動します。ニキビの治りが悪い場合、8ヶ月間に延長することもあります。

1クールの治療終了後、最低でも2ヶ月間(できれば4ヶ月間)の休薬期間を取ります。ニキビの再発が軽度であれば、治療は終了です。

気になるほどの再発がある場合は、2ヶ月以上の休薬を取った後、再度受診していただき、2クール目の治療を行うかどうかを検討します。

ニキビが再発したとしても、以前よりもできにくい状態になることがほとんどですので、2クール、3クールと治療を重ねることで、ほとんどのケースでニキビが気にならない状態までもっていくことが可能です。

症例写真

アキュテイン(イソトレチノイン)によるニキビ治療の症例写真をご覧になりたい方は、下記をクリックしてください。

治療症例1(集簇性ざ瘡)

来院した経緯

20代男性。15歳から顔のニキビに悩まされるようになり、近医の皮膚科で、抗生物質、外用剤、ビタミン剤、漢方薬含め、ほとんどすべての保険治療を長年受け続けていましたが改善せず、当院に来院されました。

治療前の写真

顔全体に強い炎症を持ったニキビが多数できています。複数のニキビが集まって一つの大きな塊となり、強く腫れ上がっています。結節が多発してつながった状態の「集簇性痤瘡(しゅうぞくせいざそう)」という重症タイプのニキビです。

重症ニキビ治療前1
重症ニキビ治療前3

何年も繰り返し大きなニキビができ続けているため、凹みやクレーターの跡が残ってしまうリスクを十分説明し、アキュテイン(イソトレチノイン)による治療を開始しました。

5ヶ月後写真

治療開始から5カ月が経過した際の写真です。膿疱や結節はなくなり、丘疹やコメドもほぼ消失しました。

重症ニキビ治療後1
重症ニキビ治療後3

解説

症状が重いニキビでは、治らないまま何年も治療が継続されていると、一生治らない萎縮性瘢痕(凹み)が残ることがしばしば問題となります。

また、ニキビが顔全体にあるときは、炎症で顔が腫れているため、ニキビ跡に気づきにくいのですが、ニキビが消失すると、ニキビの下に隠れていた跡が姿を現してきます。

多くの患者さんは、すでに当院に来院された時点で瘢痕が形成されてしまっていますが、瘢痕を残さないためにも、重症ニキビには早期治療が重要です。

治療症例2(集簇性ざ瘡)

来院した経緯

10代後半の重症ニキビの患者さんです。4年前よりニキビができ始め、近医の皮膚科で抗生物質の内服、外用剤(ステロイド含む)、漢方薬等の治療を3年間行っていましたが、一時的に多少良くなることはあっても治癒にはほど遠い状態でした。2ヶ月前から炎症がどんどん強くなり、硬結嚢腫が多発するようになったため、近医では手に負えなくなり、大学病院を紹介されました。しかし、大学病院でも近医と同様の治療(抗生物質の内服と抗生物質の外用、ベピオゲル、内服ビタミン剤)が行われ、2ヶ月間で変化が認められず、ご両親が当院へ転院を希望されました。

【過去の治療歴】市販のニキビ治療薬(複数種類)、内服ビタミン剤、抗生物質(ミノサイクリンなど)、漢方薬(複数種類、詳細不明)、外用剤(アクアチムクリーム、ダラシンゲル、ディフェリンゲル、ベピオゲル、コンベック軟膏、スタデルム軟膏、デルモゾールG軟膏)

治療前の写真

硬結を伴った膿疱が多数でき、顔全体が腫れています。目周囲の皮膚にもニキビができ、大きく腫れあがって顔が変形していました。膿瘍が合わさって一塊となる「集簇性ざ瘡(しゅうぞくせいざそう)」という重症のニキビです。

重症ニキビ治療前4
重症ニキビ治療前6
重症ニキビ治療前5

初診時には発熱も伴い、血液データではWBC16400 CRP4.17と全身の炎症も認めました。膿皮症を起こす基礎疾患として、全身性エリテマトーデス(SLE)、サルコイドーシス、γグロブリン血症、リウマチ、ウイルス性肝炎、悪性リンパ腫などの鑑別診断を行いましたが、すべて否定的でした。

集簇性ざ瘡は大きな瘢痕を残すリスクが高いため、すぐにアキュテイン(イソトレチノイン)による治療を行いました。

5ヶ月後写真

イソトレチノインを飲み始めて2週間後に、さらに膿瘍が多発したものの、1ヶ月後から徐々に改善していき、5ヶ月後に炎症は完全に治まりました。ニキビ跡の赤みはまだ強く残り、凹凸も認められますが、新生ニキビはなくなり、顔全体の腫れは引いています。

重症ニキビ治療後4
重症ニキビ治療後5

8ヶ月後写真

最重症型であったため、1クールの治療期間を終えた後、維持療法を行いました。また、治療中は院内調剤による保湿を徹底し、ピーリングによるニキビ跡ケアを行いました。

重症ニキビ治療後6
重症ニキビ治療後8
重症ニキビ治療後7

*新しいカメラに変えたため、設定の関係で青白く撮れています。

解説

写真の患者さんは、皮膚科で3年間も抗生物質を飲み続けていましたが、改善は認められませんでした。日本でのニキビ治療は、欧米と比較して40年以上遅れており、重症であるほど、早期に治療を行わなければ、生涯にわたってニキビ跡(色素沈着や凹凸)が残ってしまうことになります。

イソトレチノインによる治療は、ニキビ治療の「最終手段=最後に行う治療」ではありません。重症ニキビの場合は、瘢痕を残さないためにもできるだけ早期に治療する必要があります。

治療症例3(膿疱性ざ瘡)

来院した経緯

20代の女性です。10年前よりニキビに悩んでおり、皮膚科で内服の抗生物質、ビタミン、漢方等の保険治療を長年続けてきましたが、改善を認めませんでした。1年前に美容外科を受診し、フォトフェイシャルを6回、ケミカルピーリングとイオン導入を12回受けたものの、半年前からさらに悪化してしまったため、エステへで鎮静パックや角質取りなどの施術を受けましたが、改善しないため当院へ来院されました。

【過去の治療歴】内服ビタミン剤、抗生物質(詳細不明、複数内服)、漢方薬(十味敗毒湯・桂枝茯苓丸ヨクイニンなど)、外用剤(詳細不明だが複数使用)、ビタミンCイオン導入(美容外科)、フォトフェイシャル(美容外科)、グリコール酸ケミカルピーリング(美容外科)、鎮静パック(エステ治療)、角質取り(エステ治療)

治療前の写真

顔全体、フェイスライン、首まで丘疹、結節、膿疱が多発し、ニキビ跡の色素沈着や凹凸も多数認められます。

女性重症ニキビ1
女性重症ニキビ2
女性重症ニキビ3

1ヶ月後写真

ニキビが治っている箇所もありますが、フェイスラインと首に初診時にはなかった結節が出現し、全体的に悪化しています。

アキュテイン悪化

5ヶ月後写真

この時点で新生ニキビはほとんどなくなりました。。イソトレチノイン治療と並行して、調剤化粧品とピーリングを行い、強い赤みを帯びたニキビ跡が徐々に薄くピンク色に変わってきています。

女性アキュテイン治療後
女性アキュテイン治療後
女性アキュテイン治療後

解説

治療後1ヶ月でニキビが増悪していますが、イソトレチノインを内服すると、最初の1ヶ月は約3割の患者さんに、一過性の増悪が認められます。

一時的な悪化は珍しくありませんが、悪化の程度がひどい場合は、早めに用量を増やしたり、炎症を鎮めるお薬を処方いたします。

こちらの患者さんは、様々な治療を受けて改善しなかったため、当院に来院するまで大分遠回りをしてしまったとのことです。初診時に多数の瘢痕(はんこん、ニキビ跡)を形成していましたが、ご本人は常に明るく、治療に前向きに取り組んでいただきました。

治療症例4(顎~首のニキビ)

来院の経緯

15年前よりニキビに悩んでおり、皮膚科で硫黄カンフルローション、抗生物質の内服、漢方薬、ビタミンなどを長年受けていました。その後、ピルによる治療を他院で1年以上継続しましたがさらに悪化し、2年前からはマスクなしでは歩けない状態になってしまったとのことで、当院に来院されました。

初診時写真

あご、フェイスライン、首を中心に丘疹状の赤ニキビが多発しています。女性の場合、思春期の頃は、Tゾーンや頬などにニキビができやすく、大人ニキビは顎やフェイスライン、首などにできやすいといった特徴があります。

顎ニキビ

イソトレチノイン治療と調剤化粧品によるスキンケアを行いました。

4ヶ月後写真

ニキビの赤い炎症は引いており、コメドを含めて新生ニキビは出来なくなりました。ニキビ跡の色素沈着は目立たなくなり、肌質も改善しています。治療中に痩せられたそうで、写真では別の方のように見えますが、同一患者さんです。

顎ニキビ治療後

解説

イソトレチノインは、肌のターンオーバーを亢進させる作用があるため、ニキビ跡の色素沈着を早く排出するという作用も期待できます。予防美白と保湿効果のある調剤化粧品を併用していただくことで、さらに改善を促しています。

治療症例5(顎~首のニキビ)

来院の経緯

20代男性。顔全体~首にかけてのニキビのため、皮膚科を受診し、保険治療(内服と外用、詳細不明)を半年以上受けていたそうですが、悪化が続いていたため、当院を受診されました。

初診時写真

顔全体、首、フェイスラインに紅斑、丘疹が多発し、一部結節を認めます。ニキビ跡の色素沈着や萎縮性瘢痕も認められます。

重症にきび
重症にきび
重症にきび

イソトレチノイン治療と併せて、サリチル酸マクロゴールピーリングを開始しました。

4ヶ月後写真

アキュテイン(イソトレチノイン)の処方1ヶ月後から改善を認め、4ヶ月経過した時点では、新生ニキビ、活動性ニキビはほとんど無くなりました。

重症にきび治療後
重症にきび治療後
重症にきび治療後

解説

こちらの患者さんは、以前より多少のニキビがあったそうですが、当院へ来院する7ヶ月前より急に顔全体~首にかけて悪化した始めてたとのことです。

ニキビの原因は遺伝的要因が大部分を占めますが、環境変化やストレスなどが契機になることもあります。

イソトレチノインに対する反応は良く、1ヶ月でニキビが改善しましたが、再発を防ぐために6ヶ月間継続しました。

治療症例6(顔全体のニキビ)

来院の経緯

20代男性。15年前より思春期ニキビが発生し、大学受験前に顔全体に広がりました。その後、社会人になってからニキビは徐々に落ち着いてきたものの、常に顔全体に赤ニキビが複数ある状態でした。近医の皮膚科で抗生物質等の保険治療を何年か受けていましたが、改善しないため当院を受診しました。

初診時写真

顔全体に炎症を伴った赤いニキビが多発しています。

赤ニキビ
赤ニキビ

イソトレチノイン治療時の初期悪化については全患者に説明していますが、治療開始2週間後にニキビが悪化してしまい、心配になり当院へ電話がありました。そのまま継続するように説明し、2ヶ月目には改善傾向となりました。

5ヶ月後写真

新生ニキビ、活動性ニキビはなくなり、ニキビ跡の色素沈着や凹凸もあまり残らずに治癒しました。

赤ニキビ治療後
赤ニキビ治療後

解説

イソトレチノイン治療の場合は1ヶ月間は、約30%の患者さんで一過性にキビが悪化する可能性があります。

増悪した場合は、なるべくニキビに刺激を与えないようにし、そのままお薬を継続して頂きます。また、症状が重度の場合は、抗生剤などを処方することもありますが、ほとんどの患者さんが当院に来院する前に、長期間、複数の抗生物質を飲んでおり、耐性菌などの問題もあって効果が出ないケースも多くあります。

治療症例7(膿疱性ざ瘡)

来院の経緯

7年前よりニキビができ始め、4年前から現在にかけて顔全体に丘疹、膿疱(白ニキビ)が多発するようになりました。市販のニキビ治療薬やピーリング石鹸、保険診療の抗生物質、ビタミン剤、漢方薬、ディフェリンゲルやベピオゲルなどの外用剤、クリアタッチ(光治療)など、さまざまな治療を受けてきましたが、治らないため当院を受診しました。

【過去の治療歴】市販のニキビ治療薬(複数種類)、ピーリング石鹸、ビタミン剤、抗生物質(セフロキシム、ロキシスロマイシン)、漢方薬(桂枝茯苓丸加ヨクイニン、当帰芍薬散、荊芥連翹湯)、外用剤(アクアチムクリーム、ダラシンローション、ディフェリンゲル、ベピオゲル)、光治療(クリアタッチ)

初診時写真

顔全体、特に頬、あごに丘疹と、一部膿を持った白ニキビが多発しています。ニキビ跡(萎縮性瘢痕)も多数認められます。

赤ニキビと白ニキビ
赤ニキビと白ニキビ
赤ニキビと白ニキビ

イソトレチノインによる治療を開始しました。

1ヶ月後写真

顔全体に初期悪化が認められます。膿疱が多数出現しており、イソトレチノインを増量しました。

赤ニキビと白ニキビの悪化
赤ニキビと白ニキビの悪化
赤ニキビと白ニキビの悪化

ニキビが悪化したにもかかわらず、「悪化しちゃいましたが、最初に説明を受けているので気にしていません。」と前向きに治療に取り組んでいただけました。

5ヶ月後写真

3ヶ月後の改善も乏しかったため、さらにイソトレチノインを増量し、5ヶ月目で赤い炎症性のニキビも膿を持った白ニキビも消失しました。

赤ニキビと白ニキビ治療後
赤ニキビと白ニキビ治療後
赤ニキビと白ニキビ治療後

解説

赤ニキビは赤く腫れ上がった炎症を持ったニキビの俗称です。白ニキビは、膿を持ったニキビのことを言います。黒ニキビは、ニキビの頭の部分の皮脂が酸化して黒くなった状態です。blackheads(ブラックヘッド=黒い頭)などとも呼ばれます。

色の違いでニキビを分類し、それぞれの治療法を解説しているページがありますが、全く意味がありません。ニキビができる原因は皮脂腺のつまりであり、色については、その後の状態を言葉で表現しただけに過ぎないからです。

赤ニキビでも白ニキビでも、治療方法に違いはありません。ただし、黒ニキビの場合は、単に皮脂の詰まりが酸化を起こしているだけのケースもありますので、炎症が認められない場合は、普段のスキンケアやピーリングでも治せることもあります。

イソトレチノインによる反応が乏しい場合、薬の量を増量していかなければなりません。

初期悪化を嫌がる患者さんも多いのですが、最初にシートで説明しているので、途中でやめてしまうという患者さんはほとんどいません。症例の方も治療に前向きであったために、ニキビを治癒させることができました。もし本人が途中で治療を投げ出していれば、完治はできなかったでしょう。

治療症例8(背中のニキビ)

来院の経緯

10代男性。16歳から近医の皮膚科に数年間通院して保険治療を行っていた患者さんです。抗生物質をトータルで2,3年間処方されて飲んでいましたが、改善せず当院を受診されました。

治療前の写真

頭皮の中~うなじ~背中~腰まで、全体に丘疹、結節、膿疱を認めます。長年繰り返していたため、赤や赤黒いニキビ跡が多数残っています。

背中の重症ニキビ

イソトレチノインによる治療を開始しました。

6ヶ月後写真

治療開始から6カ月後の写真です。ニキビ跡の色素沈着は多数残っているものの、炎症は引き、膿疱性ざ瘡は治りました。

背中の重症ニキビ治療後

解説

初診時にアキュテインはニキビ治療薬であって、ニキビ跡を改善させる効果は少ないことを説明をしていますが、実際には肌のターンオーバーを亢進させる作用があるため、ニキビ跡の赤みも改善させる効果が期待できます。

こちらの患者さんは、6ヶ月後の肌の状態に満足されていたため、レーザーやピーリングなどのニキビ跡治療は希望されませんでした。ニキビが治った後に、跡の治療をするかどうかは、ご本人の希望を考慮して決定しています。

治療症例9(胸と背中のニキビ)

来院の経緯

20代男性。12歳から、顔だけでなく、背中や胸などの体のニキビに悩まされていました。9年間という長期にわたって保険治療を受け続けており、ミノマイシン・ルリッドなどの抗生物質、ビタミンBやC、パントテン酸、エピデュオゲル・ディフェリンゲル・ベピオゲルなどの塗り薬を定期的に使用していましたが、ご本人曰く全く改善しなかったとのことで、当院へ来院されました。

治療前の写真

初診時は、背中全体に紅斑、丘疹を認め、胸にも散在していました。ニキビ跡の赤みや色素沈着も数多く見られ、一部は肥厚性瘢痕(盛り上がり)となっていました。

胸ニキビ
背中ニキビ

イソトレチノインによる治療を開始しました。

5ヶ月後写真

胸も背中も炎症が引き、ニキビが改善しています。

胸には数か所「肥厚性瘢痕」と呼ばれる盛り上がったニキビ跡が残っています。背中は、ニキビ跡の赤い色素沈着のため、まだらに見えます。

胸ニキビ治療後
背中ニキビ治療後

ニキビ跡の色素沈着と肥厚性瘢痕

こちらの患者さんのように、9年間という長い期間、ニキビが繰り返し出来続けていると、ニキビ跡が残ってしまいます。

正しい治療を行なえば、ニキビを治すことは難しいことではありませんが、ニキビ跡は一生残ってしまうこともあります。大切なのは、重症なニキビでは、早期に治療を行うことです。早期に治すことができれば、それだけケロイドや瘢痕を残すリスクを防ぐことができます。

写真を掲載している患者さんは、掲載についての同意書を頂いております。診察時に撮影する写真は診療録のためであり、個人情報保護法によって守られています。ご本人の同意なしに掲載することはありませんので、ご安心ください。

イソトレチノインの副作用

イソトレチノインには、様々な副作用やリスクがあることも事実です。副作用やリスクの説明をしっかり行い、定期的な採血検査等の副作用チェックは不可欠です。

イソトレチノインの副作用は多岐に渡りますが、代表的なものは皮膚、口、鼻、眼の粘膜の乾燥です。この副作用はほぼ100%の患者さんに起こります。乾燥によって皮膚炎、口角炎、口唇炎、鼻出血、ドライアイなどが起こる可能性があります。それに伴い、赤ら顔や鼻血もよく起こる副作用です 13

検査では、肝機能障害のほか、様々な異常を認めることがありますので、当院では、毎月詳細な血液検査、尿検査を行っています。

非常に稀ですが、重篤な副作用として視力低下、視野障害などの目の異常、急性膵炎、急性肝炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、アナフィラキシーショック、スティーブンス・ジョンソン症候群、自殺衝動などが報告されています。

重大な副作用として、胎児の催奇形性があるため、内服中及び内服中止後6ヶ月間は必ず避妊を行っていただきます。アメリカのiPLEDGEプログラムに準拠し、処方には内服前と1ヶ月に1回の妊娠反応検査が必要です 14

副作用については、診察時に副作用シートで詳しく説明しています。何か不安なことがあれば遠慮なく医師にご相談ください。

イソトレチノイン治療の料金

保険が効かない治療ですので、事前に料金のご確認をお願いします。

  1. 薬の処方には必ず診察と検査が必要となります。
  2. 用量によってお薬の料金が変動します。
項目料金(税別)
イソトレチノイン 10 mg1錠 280円
イソトレチノイン 20 mg1錠 380円

イソトレチノイン10mg 4週間の料金(税別)

アキュテイン 10 mg(税別)
診察料初診料 3,500円
再診料 1,500円
薬代イソトレチノイン10 mg
28日分 7,840円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 14,620円~15,580円
再診時 12,620円~13,580円

イソトレチノイン20mg 4週間の料金(税別)

アキュテイン 20 mg(税別)
診察料
初診料 3,500円
再診料 1,500円
薬代(28日)イソトレチノイン 20 mg
28日分 10,640円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 17,420円~18,380円
再診時 15,420円~16,380円

イソトレチノイン40mg 4週間の料金(税別)

アキュテイン 40 mg(税別)
診察料初診料 3,500円
再診料 1,500円
薬代イソトレチノイン40 mg
28日分 21,280円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)初診時 28,060円~29,020円
再診時 26,060円~27,020円

イソトレチノイン60mg 4週間の料金(税別)

アキュテイン 60 mg(税別)
診察料初診料 3,500円
再診料 1,500円
薬代イソトレチノイン60 mg
28日分 31,920円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 38,700円~39,660円
再診時 36,700円~37,660円

イソトレチノイン80mg 4週間の料金(税別)

アキュテイン 80 mg(税別)
診察料初診料 3,500円
再診料 1,500円
薬代(28日)イソトレチノイン80 mg
28日分 42,560円
検査料血液検査 3,280円
尿検査 960円(女性)
合計(28日)
初診時 49,340円~50,300円
再診時 47,340円~48,300円

治療を受けることができない方

以下の方は「イソトレチノインによるニキビ治療」を受けることができない場合があります。医師にご相談ください。

  1. 個人輸入している方
    イソトレチノインの個人輸入は、海外でも医師の処方箋がない限り禁止されています15。当院では医師の責任の下で医薬品の処方と治療を受けることができる患者さんのみに診療を行っておりますので、ご了承ください。
  2. 軽症ニキビの方
    自費診療のため、どうしてもという方には処方するケースもありますが、原則は、保険治療で治らなかった「難治性のニキビ」や、「中等症以上のニキビ」の方のみに適応があります。
  3.  15歳未満の方
    骨端線が閉鎖して、身長の伸びにくくなる可能性があります。
  4. 18歳未満の方
    18歳未満の方は初診時には保護者の方と同伴でなければ、薬の処方はできません。再診時はご本人だけでも診察可能です。
  5. 潰瘍性大腸炎、クローン病、重篤な肝障害などの既往がある方
  6. 精神疾患を患っている方
    うつ病、統合失調症等の精神疾患を患っている方は、原則は治療を受けることができません。既往があって現在完治されている患者さんは、診察の際に医師へご相談ください。
  7. ご妊娠中の方など
    妊娠中、授乳中、妊活中、または1年以内に妊娠の予定がある方は、イソトレチノインの内服はできません。
  8. レーザー脱毛、光脱毛中の方
    治療中、および治療中止後1ヶ月間は脱毛を中断していただきます。
  9. アレルギーのある方
    過去にイソトレチノイン製剤でアレルギーを起こしたことのある方、パラベン・大豆・ピーナッツアレルギーのある方は服用できません。
  10. レーシックを受けて6ヶ月経過していない方
    レーシック手術の前後6ヶ月はイソトレチノインを服用できません22
  11. 定期検診の重要性
    1クール6ヶ月間、1ヶ月に1回の検査が必要となります。遠方の方には長めに処方することも可能ですので、診察時にご相談ください。定期的に当クリニックへ通うことが出来ない方は、お近くの他の病院での治療をおすすめします。

よくある質問

イソトレチノインの治療効果を教えてください

イソトレチノインによるニキビの治療では、適切な用量を使うことで1クール(約6ヶ月間)で98%の患者さんが治癒、または改善します。現存する全世界で処方されているニキビの治療薬として、最も効果が高く再発率が低い薬剤とされています。

イソトレチノインの効果はいつから出ますか?

イソトレチノイン(アキュテイン)の効果は、最初の1ヶ月は悪化する可能性がありますが、その後2~3ヶ月で現れてきます。

改善がない場合は、薬剤の量を調整する必要がありますので、医師にご相談ください。

イソトレチノインの副作用を教えてください

「イソトレチノインの副作用」の項目をご覧ください。

胎児の催奇形性について教えてください

イソトレチノインの重大な副作用の一つに、妊娠した女性に投与すると流産や胎児の奇形を引き起こすという重篤な副作用があります。

具体的な報告として、中枢神経系の奇形、耳の欠損や奇形、目の異常、心奇形、口蓋裂、胸腺や副甲状腺の奇形があります。女性の場合、服用前には必ず妊娠反応検査(可能であれば服用開始1ヶ月前の検査がより確実)を行い、毎月の定期診察時にも必ず妊娠反応の検査を行います 14

服用中はもちろんですが、服用中止後の6ヶ月間は必ず避妊(可能であれば2種類以上の避妊)を行っていただきます。男性が服用する場合は、男性側も服用中と中止後の1ヶ月間は避妊をしていただいています。

添付文書上は1ヶ月間の避妊が必要とされていますが、当院では安全性のマージンを取って6ヶ月とさせていただいています。

なお、エトレチナート(チガソン)という乾癬の治療薬がありますが、こちらは親油性がより強く半減期が120日間と非常に長いため、服用後に2年間の避妊が必要となります。イソトレチノイン(アキュテイン)の半減期は15時間~20時間ですので、チガソンとは体内の残留性が異なります。

所定の期間きちんと避妊していただければ、通常妊娠と比較して胎児の奇形率が上昇することはありません。なお14年間の治療の中で、当院の患者さんからの胎児の奇形の報告は1例もありません。

上記のことでご心配なことがありましたら、診察の際に遠慮なく医師にご相談ください。

通院頻度と期間を教えてください

イソトレチノインによるニキビ治療では、約4週間に1度の通院が必要です。治療期間は1クール、6ヶ月間です。治療の効果が弱い場合は、1クールの期間を8ヶ月間に延長することもあります。

なかなかご来院できない方や遠方の方には、できるだけ多めに処方しておりますが、採血等の副作用チェックが必要なため、定期的に通院できるかどうか、事前にご確認をお願いいたします。

処方の最大量は、東京近郊(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の方は6週間分まで、それ以上遠方の方は8週間分までとさせていただいておりますが、特別な事情がある方は診察時にご相談ください。

血液検査は必要ですか?

当院では、イソトレチノイン治療中は、必ず定期的に採血検査を行います。

血液検査で確認する副作用は、肝機能障害、腎機能障害、膵機能障害、中性脂肪、コレステロール、血糖値、尿酸値の上昇、血球成分の減少や増加、CPKの上昇など多岐に渡ります。初回や2回目の採血で問題がなくても、治療途中で出現することもあるため、毎月の採血検査が必要です。

女性の患者さんには、服用前には必ず尿検査(妊娠反応検査)を行い、毎月の定期診察時にも必ず妊娠反応の検査を行います。

必要な検査を行わない場合、当院での薬の処方はできませんのでご了承ください。

ニキビの再発を抑えるイソトレチノインの飲み方はありますか?

イソトレチノインは再発率が低いお薬ですが、それでも約30%前後の患者さんは再発し、2~4クールと治療を受けなければならないケースがあります。できるだけ再発率を少なくするためには、「適切なタイミング」で薬を飲み、「適切な用量と期間」を守ることが大切です。

飲むタイミング

イソトレチノインを飲む適切なタイミングは、「食直後」です。脂溶性(しようせい)のため、脂肪分と一緒に吸収されていきます。空腹時に飲むと吸収が悪くなるため、効果が弱くなります。当然、飲み忘れにも注意していただきます。

食事の影響を受けないイソトレチノイン製剤として改良されたアブソリカ(Absorica)という薬剤もあります。アブソリカは、インドのランバクシーラボラトリーズが開発した改良型イソトレチノインで、2012年に米FDAで認可されました。食事の影響を受けませんから、食後にイソトレチノインを飲むことが難しい患者さんに適した薬剤です。

しかし、過去に行われた20週間の比較試験では、統計上の有意差はないものの、アブソリカよりも従来のイソトレチノインのほうが成績が良いという結果になりました。アブソリカは価格も高いことから、どうしても食後にイソトレチノインを飲めないという人以外は必要がないと考えます。

適切な用量と期間

イソトレチノインの適切な用量は、ニキビの重症度や患者さんの体重から判断します。当院ではおおむね20~60 mgの間で治療を開始します。

欧米の患者さんでは体重1 kgあたり0.5~1 mgから開始し、最大で体重1 kgあたり2 mg(体重60キロの方の場合、120 mg/日)まで増量しますが、日本人の場合はそこまでの高用量を必要とすることは稀です。

適切な期間は、標準的には4ヶ月~5ヶ月(16週~20週)とされていますが、近年欧米では再発を防ぐために、1クールの治療期間は6ヶ月程度となっており、8ヶ月~10ヶ月とする病院もあります。当院では1クールを約6ヶ月(24~26週間)とし、必要に応じて8ヶ月まで延長します。

アメリカやドイツの研究では、1クールの期間中、累積で体重1 kgあたり120 mg以上の用量を服用することが、再発率を低下させるためには重要であると報告されています。つまり、体重60 kgの重症ニキビ患者の場合、1クールの期間をを6ヶ月間とすると、1日あたり約40 mgが必要量となります 17

用量を多くすれば、さらに再発率が下がるという報告もあります。ドイツの試験では1クールの期間中、220 mg/kg以上の用量を服用すると、再発率が有意に低下しました 18

軽症~中等症のニキビの場合、低用量でも大きく再発率が変わるわけではないため、低用量で処方することが多くなります。再発率は累積用量に関係するという報告は多数ありますが、否定する見解もあります 19

当院では重症ニキビの方が多く来院されているため、1日あたり40 mg~80 mgの処方をしているケースは少なくありません。 当院で過去に処方した最大量は1日140 mgです。

用量を増やして服用期間を長くすれば、再発率と再発の程度を下げることができますが、副作用の出現率は高まります。再発率を下げるには、副作用の程度を見ながら、新生ニキビができなくなるまで薬の量を少しずつ増やしていく必要があります。

1日10 mgという低用量で、3ヶ月ほどの短期間の治療でも十分効果を認める場合もあります。低用量短期間療法の場合、副作用の発現も少なく治療しやすいのですが、再発率は非常に高くなります。治療にあたっては、そのことも考慮に入れる必要があります。

治療中にレーザーは受けられますか?

イソトレチノインは光の感受性を高めるため、内服中に光やレーザーを受けると、シミや色素沈着、瘢痕の原因となることがあります。

ただし、レーザーの種類や出力などによって治療中可能なものもあり、当院では過去の治療経験や文献などから、空ける期間を定めています。

詳しくは、「治療インターバル」をご参照ください。

治療中に日焼けはだめですか?

イソトレチノインは光の感受性を高めるお薬ですので、日光過敏になる可能性があります。そのため、治療中と治療終了後最低2ヶ月間は日焼けを避けてください。

一緒に飲んではいけない薬はありますか?

イソトレチノインはいくつかの薬と飲み合わせ、相互作用があります。以下の薬とは一緒に飲まないでください。

●テトラサイクリン系抗生物質

代表的な商品名:ビブラマイシン、ミノマイシン、ミノサイクリン、ミノペン

相互作用で頭痛の原因となる頭蓋内圧を上げる副作用が強くでることがあります。

●副腎皮質ステロイド剤

代表的な商品名:プレドニン、プレドニゾロン、セレスタミン

相互作用で骨を弱くする副作用が強く出ることがあります。

喘息の治療で使用される吸入のステロイド薬や、アトピー性皮膚炎の治療で使用される外用のステロイド薬は、併用しても問題ありません。喘息発作等の治療で行われる短期的なステロイドの点滴も問題ありません。

●フェニトイン

代表的な商品名:アレビアチン、ヒダントール

相互作用で骨を弱くする副作用が強く出ることがあります。

●ビタミンA

相互作用で副作用全般を増強させる恐れがあります。総合ビタミン剤にはビタミンAが入っているものが多いため、必ずパッケージを確認してください。ビタミンA以外のビタミンに相互作用はありません。βカロテンは摂取して問題ありません。ビタミンAを気付かずに短期間飲んだくらいでは、問題は起こりませんので心配いりません。

イソトレチノイン治療中にワクチンを打っても問題ありませんか?

ワクチン接種とイソトレチノインとの相互作用は、安全性試験が行われていません。そのため、原則ワクチン接種は内服中、内服終了後1ヶ月間は控えていただきます。

健康上の利益がリスクを上回る場合で(熱帯地域への渡航時のワクチンや医療従事者のB型肝炎ワクチンなど)、どうしてもワクチン接種が必要な場合、ワクチン接種まで2週間以上空け、接種後、不活化ワクチンは24時間・生ワクチンは3週間空けてからお薬を再開してください。

インフルエンザワクチンについては、当院のデータで1例も副作用、副反応はなく、諸外国の状況を鑑みて、受けても問題ありません。

お酒と一緒に飲んでも大丈夫ですか?

アルコールとの相互作用はありませんので、一緒に飲んでも大丈夫ですが、薬を飲む際は水で飲んでください。アキュテインを服用中にアルコールを多量に摂取すると肝機能障害などが起こりやすいため、過度な飲酒はお控えください。

薬を飲み忘れた時はどうしたら良いですか?

イソトレチノインを飲み忘れた場合、食直後の服用が理想ですので、当日中であれば、次の食事の後に飲むようにしてください。次の食事を食べない場合は、気づいたタイミングで飲んでください。

例1)毎日昼食後に1錠飲んでいて、夕食前に飲み忘れに気付いた場合は、夕食後に1錠飲む

例2)毎日夕食後に1錠飲んでいて、寝る前に飲み忘れに気付いた場合は、その時点で1錠飲む

例3)毎日朝食後1錠、夕食後1錠飲んでいて、朝食後に飲む分を忘れた場合は、夕食後にまとめて2錠飲む

前日に飲み忘れた分は、そのまま無視して飲まなくて構いません。例えば、1日1錠飲んでいる方で、前日の分を飲み忘れたからと言って、当日に2錠飲まないようにしてください。再発を防ぐためにも、できるだけ飲み忘れのないようにしてください。

アキュテインのジェネリック医薬品はありますか?

Accutane(アキュテイン)はスイスのRoche社が1980年代に出した最初のイソトレチノイン製剤ですが、2002年に特許が切れて、その後Amnesteen、Claravis、Sotretといったジェネリック医薬品に市場を奪われてしまいました。アキュテインの売り上げは、イソトレチノイン製剤全体の5%以下に落ち込んでしまい、2009年にRoche社はアキュテインの製造を中止しています。アメリカでは市場を奪われて撤退しましたが、その後名称をRoaccutane(ロアキュテイン)に変更して他国への進出しています。

Accutane(アキュテイン)という薬は現在販売されておらず、市場に出ているのはすべてジェネリック薬(後発医薬品)です。Roaccutane(ロアキュテイン)は、製造元であるスイスのRoche社が製造した自社の後発医薬品となります。

先発医薬品メーカーがジェネリックを作るのは変だと思うかもしれませんが、パッケージや製造方法を見直してコストを削減し、名称を変えて発売することは珍しくありません。

当院ではCipla社のIsotoroin(イソトロイン)をイソトレチノイン製剤としてメインで使用しています。また、Roaccutane(ロアキュテイン)を使用することもあります。

多くの患者さんがイソトレチノインという名前ではなく、先発品のアキュテインという名前を認識しているため、当院でも便宜上、イソトレチノイン製剤による治療をアキュテイン治療という表記にしていますのでご了承ください。

パントテン酸はイソトレチノインの代わりになりますか?

パントテン酸は水溶性ビタミンのひとつで、ビタミンB5とも呼ばれています。糖や脂肪、タンパク質などの代謝を活性化する補酵素としての役割があり、ビタミンB群やCの働きを助ける役割もあるため、肌にとって大切な成分です。

弱い作用ですが、パントテン酸には皮脂を減らす働きがあるため、皮脂抑制目的で使用されている患者さんもおられるようです。

パントテン酸の1日の必要量は5 mgですが、その1000倍以上の用量を摂取して皮脂を抑制するという民間療法が古くからありますが、パントテン酸だけでニキビを改善させるというのは医学的根拠が不足しています。

パントテン酸は下剤としても使用され、大量に飲むと下痢や腹部膨満感などの消化器症状を起こすため、水溶性ビタミンとは言え必要量を超えて大量に摂取すれば問題が起こる可能性もあります。

最近はパントテン酸と乳酸菌の併用という民間療法に代わってきているようです。パントテン酸は、サプリメントとして市販されていますので、推奨用量を超えて使用しなければ、全く問題がないと考えます。

受診時の問診票の中で、過去にその治療を行ったという患者さんがたくさん受診されますが、効果があったという患者さんはほぼいません。

効果があれば当院を受診しないはずなので、バイアスがかかっていることは否めませんが、パントテン酸が効かなかった患者さん全例にイソトレチノインの効果を認めていますので、イソトレチノインに代わるほどの効果はありません。

参考文献・サイト

参考文献・サイト

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