ニキビ跡の凹み

大きなニキビや深い場所にこもったニキビができると、皮膚の深層の「真皮」まで炎症が及び、傷になります。その傷が治る過程(創傷治癒過程)で、傷は肉芽組織→瘢痕組織に置き換わります。

この瘢痕組織が、ニキビ跡の原因となります。正常な真皮に近い構造で治っていけば、傷跡は目立ちませんが、創傷治癒過程がうまく働かないと、クレーター、肥厚性瘢痕、ケロイドなど、肌の凹凸となってしまいます。

※当院での凹み治療は、ニキビ跡のために行っており、他院での整形手術の修正などは行っておりませんので、ご了承ください。

凹みとクレーターの治療

ニキビ跡のタイプによって治療方法が若干異なります。

アイスピック型の治療

凹みが深いため、最も治りにくいニキビ跡です。海外では瘢痕組織そのものをパンチングの器具でくり抜き(紙の穴あけパンチのように丸くくり抜きます。)、ピンセットで上に持ち上げて固定するくり抜き挙上法や、TCA(真皮まで溶かす強力な酸)を凹み部分に垂らし、瘢痕組織を除去して再構築させるTCA CROSSピーリングが行われています。

「肌のクリニック」では、くり抜き挙上法とTCA CROSSピーリングは、侵襲性やダウンタイムなどを考慮して行っておらず、CO2フラクショナルレーザーによる治療やダーマペン4による治療を行います。

アイスピック型の辺縁の真皮下には、硬い瘢痕組織が形成されており、真皮全層まで凹みがあるため、レーザーの照射エネルギーを高くし、より深くまで照射する必要があります。また、ダーマペンでは、針の長さを長めに設定して、瘢痕組織を壊し、組織の再構築を促します。

ローリング型の治療

ローリング型ニキビ跡

ローリング型のニキビ跡では、まず表皮を引っ張っている癒着を剥がさなければなりません。フラクショナルレーザーやダーマペンの場合、垂直方向へレーザービームや針が動くため、繊維を切断しにくいのですが、サブシジョンという方法で切断することが可能です。

サブシジョン

サブシジョンは医療用の針(16G~27G針や、Becton Dickinson社製 BD NoKor等)を皮下に挿入し、線維化組織を切断して癒着を剥離する手法です。下図のように、横方向に針を挿入して、皮下で前後に動かしたり(トンネリングテクニック)、扇状に針を動かしたりして(ワイプテクニック)線維化組織を切断します。その後、しっかりと癒着が剥がれたことを確認して、硬めの架橋されたヒアルロン酸を注入して盛り上げます。

サブシジョンは一度の処置で30%程度の凹みの改善が期待できます。気になる場合は1ヶ月以上の期間をおいて、何度か繰り返し行う必要があります。注入したヒアルロン酸はおよそ1年~2年で吸収されてしまいますが、繰り返し行うことにより、自己のコラーゲンの産生が促され、凹みが目立たなくなっていきます。

当院では扱っていませんが、Bellafill(Suneva Medical社製)という注入剤も海外では使用されています。Bellafillは、コラーゲンとポリメチルメタクリレート/PMMAからできており、注入するとPMMAがコラーゲンの産生を刺激して、周囲にコラーゲンが生成されます。非吸収性なので効果が半永久的な反面、やり直しがききません。

成長因子のbFGFは肉芽組織の形成を強力に促進するため、瘢痕組織を丁寧に壊した後であれば皮膚をしっかりと盛り上がらせることができ、効果も持続します。しかし、逆に盛り上がり過ぎてしまったり、癒着がしっかり剥がれていないと、凹みのある瘢痕組織部分は盛り上がらず、周囲だけが盛り上がってしまったりといったリスクがあります。一度自己の組織が増殖してしまうと、やり直しがききませんので、十分にリスクを考慮の上、選択する必要があります。

サブシジョンは、部分的であれば侵襲性はそこまで高くありませんが、範囲が広いとワイプテクニックで広範に癒着を剥離しなければいけないため、かなりの出血をきたすことがあります。ダウンタイムは3日~2週間です。

ローリング型のニキビ跡は、ボックス型と比較して表皮下の瘢痕組織はほとんどないか、少ないとされています。しかし、実際には両者は混在していることが多く、サブシジョン後に注入剤で盛り上がらない場合は、硬くなった瘢痕組織が邪魔しているため、瘢痕組織をCO2フラクショナルレーザーやダーマペンなどで破壊しなければなりません。サブシジョン・注入剤の充填・CO2フラクショナルレーザー・ダーマペンなど複合的な治療が必要です。

ボックス型のニキビ跡治療

ボックス型ニキビ跡

ボックス型は、凹みのニキビ跡の中では一番多く見られます。表皮の下は、瘢痕組織でがっちりと固まっており、CO2フラクショナルレーザーやダーマペンで瘢痕組織を破壊して、新しい皮膚を再生させることを繰り返します。

当院では、綺麗な皮膚を再生させるために、レーザーやダーマペン後に必ずハイドロコロイドパッチで湿潤療法を行っています。また、成長因子や、臍帯血培養上清液を塗布し、組織の再生を促します。

水疱瘡の跡のように、単独のボックス型の凹みは、レーザーで辺縁だけを少し削って、なだらかにすることで、目立ちにくくすることも可能です。

ローリング型とボックス型は、実際には区別が付きにくいことも多く、一つのニキビ跡の中に混在していることもあります。また、後に述べる脂肪萎縮型のニキビ跡とも共存しているため、筋膜との癒着を確認したり、皮膚伸展テストで確認して、サブシジョンが有効かどうかも判断しなければなりません。

脂肪萎縮型のニキビ跡治療

脂肪萎縮型ニキビ跡

脂肪組織との癒着を剥がして、そこにヒアルロン酸を注入するサブシジョンが効果的です。また、萎縮性ニキビ跡は、前述した様々なタイプの凹みと共存しているため、複合的な治療が必要なケースが多くあります。

脂肪萎縮型と同じような病態として、加齢による脂肪組織の減少や真皮のたるみ、表情筋の衰えによって、ニキビ跡が目立ってくることがあります。

真皮のたるみを改善するには、レーザーや超音波による施術がありますが、皮下組織が減少している場合は、やはり注入療法が第一選択になります。

当院では行っていませんが、美容整形手術を受けられるのも一つの方法です。リフトアップ手術を受けることにより、皮膚のたるみが改善されますので、ニキビ跡が目立ちにくくなります。

加齢による皮膚のたるみでニキビ跡が目立ってくるのは老化現象ですから、ある程度は仕方がありません。あまり過度に治療に期待せず、できる範囲で行うのが良いと考えます。

凹み・クレーター治療の料金

凹みの治療は、新規ニキビができない方に限ります。また、初診当日に施術はできませんので、ご了承ください。

ダーマペン+サブシジョン、エコツー+サブシジョンなどの複合的な治療が必要となることがあります。ダーマペンは看護師が施術、エコツーは医師が施術いたします。

項目料金(税別)
初診料
2,900円
再診料(施術のみ不要)980円
ダーマペン4*1顔全体1回 24,800円
半顔1回 16,800円
5×5㎝ 9,800円
エコツーエボリューション
CO2フラクショナルレーザー*1
顔全体1回 34,800円
半顔1回 24,800円
5×5㎝ 14,800円
成長因子*2
EGF/FGF/ビタミンC誘導体
無料
プラセンタ*3
オプション
900円
さい帯血培養液HSCM100*3*4
1.5ml オプション
29,800円→24,800円
サブシジョン*5
(ヒアルロン酸注入含む)
1箇所 直径15mm以内
39,800円
局所麻酔注射(必要時)300円
クリーム麻酔(必要時)顔1面 3,000円
5×5㎝ 1,500円
体は面積による
ハイドロコロイドテープ
(湿潤療法用)
実費
  1. エコツーとダーマペンの半顔の料金は、「ほほ+フェイスライン」、「ほほ+あご」、「ほほ+こめかみ」、「ほほ+鼻」、「ほほ+こめかみ」など、顔半分以下の場合に適用になります。それ以上は、1面分の料金となります。
  2. エコツーやダーマペンの施術後に塗布する「成長因子」は、種類がEGF/FGF/VC誘導体のみとなりますが、無料とさせていただきます。ご希望がない場合でも、料金の割引はありません。
  3. プラセンタとHSCM100をオプションで利用する場合、献血制限の同意書が必要となります。
  4. 肌の再生をより促すHSCM100については、「さい帯血培養液 | HSCM100」をご参照ください。
  5. サブシジョンの価格には、ヒアルロン酸の注入料金が含まれています。

よくある質問

当日施術を受けることはできますか?

原則、当日施術はできません。ニキビ跡の凹みの治療は、麻酔等も含めて1時間以上かかることもあるため、後日、施術予約を取っていただきます。

治療を受けられない場合はありますか?

現在活動性のニキビがある方は、まずニキビ治療で、新しいニキビができなくなってからでないと治療は受けられません。

ケロイド体質の方は治療によって悪化する可能性があるため、治療を受けられない場合があります。

イソトレチノイン(アキュテイン)治療を受けた方は、治療終了後6ヶ月以上期間を空けなければ、治療を受けることができません。各治療間のインターバルについては、「治療間隔」のページをご覧ください。

ダーマペンとエコツーの違いを教えてください

ダーマペン4は、多数の微細な針が付いたペン型の医療用機器です。これが上下に振動することにより、ニキビ跡の瘢痕組織を壊していきます。

エコツーは、炭酸ガスを使ったフラクショナルレーザーです。レーザーがドット状に照射され、熱エネルギーで瘢痕組織を破壊していきます。肌が再生する過程を利用して凹みを治していきます。

どちらの治療も、一度真皮層の瘢痕を壊して、肌が再生する過程(再構築)を利用して凹みを改善させます。

治療頻度

  • エコツー…2ヶ月以上間隔を空けて、1クール=5~6回。
  • ダーマペン…6週間以上間隔を空けて、1クール=8~10回。

※当院では、ニキビ跡の瘢痕改善で行うため、どちらの治療も標準より深く治療します。

治療効果とダウンタイム

1回の治療効果はエコツーの方がやや高くなりますが、1クール終了後の改善率は30%程度で、どちらを選択しても大きく変わりません。

  • エコツー…ダウンタイムは約1~2週間です。
  • ダーマペン…ダウンタイムは約3~7日間です。

あまりダウンタイムが取れない方にはダーマペンをお勧めしています。

エコツーは使用するチップやエネルギー、ワット、密度を調整することで、ダーマペンは針の長さ、当てる強さ、密度を調整することで、深さと強度を変更することが可能です。肌質に合わせた深さと強度で1回目を行い、2回目以降は、1回目の赤みや効果を見ながら、医師、または、看護師が調整して治療していきます。

当院では、ダーマペンは看護師が施術いたしますが、エコツーは医師が施術いたします。

ダーマペンとエコツーの改善率はどれくらいですか?

凹みやクレーターは、最も治療が難しい分野であり、完全に元に戻すことはできません。エコツーやダーマペンで1コースの治療が終了しても改善率は30%程度ですので、劇的ではありません。凹みやクレーターを目立たせなくする程度で考えたほうが良いでしょう。

凹みやクレーターがあっても、健康上は問題は起こらず、あなたの人間的価値が落ちることがないことは、十分に理解しておく必要があります。金額もかかる治療であり、副作用のリスクもありますので、あくまで治療で得られるメリットとデメリットを天秤にかけて考える必要があります。

治療が終わるまでどれくらいの期間がかかりますか?

凹みやクレーターの程度によります。通常は1年~2年くらいを目安に考えてください。

ダウンタイムがない方法で治療できますか?

クレータータイプのニキビ跡では、ダウンタイムがない治療では改善しません。

ダーマペンは数日~10日間、サブシジョンやエコツーは2週間前後のダウンタイムがあります。治療法や強度(例えば、レーザーの出力設定やダーマペンの針の長さなど)によって、ある程度ダウンタイムをコントロールすることは可能ですが、多かれ少なかれ、ダウンタイムは必ずあると思ってください。

施術後に注意することはありますか?

術後に肌の湿潤環境を保つ必要があります。当院では、ハイドロコロイドやエアウォールUVという傷を早く治すドレッシング材(被覆材)を用いて、できるだけ湿潤環境を保つようにしています。

また、術後に紫外線を避けることは重要です。メイクができるようになるまでの期間は、行う治療によって変わりますが、おおよそ3日間~7日間ほど見る必要があります。

ご予約・お問い合わせ

高円寺院 Koenji
TEL 03-5913-7435
月~土 10:30-13:30/15:30-18:30 
日・祝 休診

麹町院 Kojimachi
TEL 03-6261-7433
平日 11:00-14:00/16:00-19:00
土日 10:00-13:00/15:00-18:00
祝日 休診

※両医院とも完全予約制となっておりますので、お電話かネットからご予約ください。
※医学的なご質問等、医師が対応する場合は別途電話再診料を頂戴することがございます。