ニキビ跡の盛り上がり

ニキビ後に肌にしこりが残ったり、赤みを伴って盛りあがることがあります。ほとんどが肥厚性瘢痕という凸み(つばくみ=盛り上がり)ですが、稀にケロイドや稗粒腫(ひりゅうしゅ)、粉瘤(ふんりゅう)のこともあります。

フェイスラインの肥厚性瘢痕
フェイスラインの肥厚性瘢痕
胸部の肥厚性瘢痕
胸の肥厚性瘢痕

肥厚性瘢痕とケロイド

肥厚性瘢痕

肥厚性瘢痕とケロイドは別の病態として区別されていますが、両者とも膠原線維(コラーゲン線維)の過剰な蓄積であり、組織学的に区別することは困難です。

両者とも創傷治癒過程の異常や遅延によって、瘢痕組織が過剰に作られて盛り上がった状態です。

肥厚性瘢痕は、数年で徐々に平坦になっていき、赤みも消失して通常の瘢痕になることもありますが、「しこり」として残ってしまう場合も多くあります。ケロイドは、治癒傾向がなく健常部へしみ出すように出来てきます。治療に対して抵抗性が強く、再発傾向が強いのも特徴です。肥厚性瘢痕とケロイドが、一つの瘢痕の中に共存することもあります。

肥厚性瘢痕とケロイドの治療

症状によっていくつかの方法を組み合わせて行います。治療期間は、病状にもよりますが1~4年程度かかります。

1.トラニラスト

〇服用方法…1日3回、毎食後に1錠ずつ飲みます。
〇特徴…線維芽細胞のコラーゲン産生を抑制して、肥厚性瘢痕やケロイドが悪化するのを防ぎます。抗アレルギー作用によって病変部の痒みを抑えます。
〇副作用…発疹、かゆみなどが起こることがあります。腹痛、吐き気、嘔吐などの消化器症状、頭痛、めまい、不眠、倦怠感などの精神系症状の他、生理不順、動悸、浮腫、発熱、口内炎、貧血、脱毛、肝機能障害、腎機能障害、頻尿や排尿時痛などの膀胱炎様症状、血球成分の減少なども報告されています。重篤な副作用は非常に稀です。

2.ステロイド軟膏

〇使用方法…1日2回患部に塗ります。
〇特徴…ステロイドの塗り薬。肥厚性瘢痕やケロイドの改善や予防、痒みの軽減に用いられます。
〇副作用…皮膚炎、かぶれ、発疹、皮膚萎縮、ニキビ、毛包炎、血管拡張、酒さ様皮膚炎、多毛、白斑、皮膚感染症などが生じることがあります。目の周囲への長期使用で、緑内障や白内障が報告されています。

3.ステロイドテープ(エクラープラスター

〇使用方法…病変部に合わせて適当な大きさに切り、なるべく健常な部分に付かないようにして、1日1回24時間貼り続けます。24時間貼るのが難しい場合は、12時間程度貼ってください。貼り換えの刺激でかぶれてしまう場合、2日間貼り続けても構いません。
〇特徴…ステロイドのテープ剤です。肥厚性瘢痕やケロイドの盛り上がりを徐々に平坦にします。
〇副作用…皮膚炎、かぶれ、発疹、皮膚萎縮、ニキビ、毛包炎、血管拡張、酒さ様皮膚炎、多毛、白斑、皮膚感染症などが生じることがあります。目の周囲への長期使用で、緑内障や白内障が報告されています。

4.ケナコルト注射

〇治療方法…ケナコルトと麻酔薬を混合したものを病変部に少量注入します。注射の痛みが強い場合、麻酔テープや冷却剤を併用して治療を行います。最初は強い痛みを伴いますが、回数を重ねると痛みは少なくなってきます。
〇治療頻度…4週間以上間隔を空けて複数回注射します。症状によって途中でテープなどの他の治療へ切り替えることもあります。
〇特徴…強いステロイドの注射です。硬いケロイドや肥厚性瘢痕を柔らかくし、盛り上がりを平坦にします。
〇以下の方は治療を受けられません…消化性潰瘍、精神疾患、結核、単純疱疹性角膜炎、白内障、緑内障、高血圧、糖尿病、血栓症の既往、肝機能障害、肝炎、腎機能障害、直近での大きな手術、骨粗鬆症、甲状腺機能低下症、強皮症
〇副作用…複数回の注射で、病変部が凹み過ぎてしまうリスクがあります。生理不順、ニキビ、毛包炎、発疹、皮膚萎縮、血管拡張、酒さ様皮膚炎、多毛、白斑、皮膚感染症などが生じることがあります。重大な副作用として、感染症、副腎機能不全、糖尿病、消化性潰瘍、膵炎、精神変調、うつ、痙攣、骨粗鬆症、骨頭無菌性壊死、ミオパシー、白内障、緑内障、血栓症、アナフィラキシーショック、喘息発作、視力障碍、腱断裂が報告されています。
当院では、総注入量を最大5mgとしており、通常は1箇所1mg以下で期間を定めて注入しますので、重篤な副作用が起こることは非常に稀です。

5.レーザー治療(麹町院のみ)

赤みを伴った肥厚性瘢痕・ケロイドや、ステロイドによる副作用で血管の拡張が認められた場合、他の治療と並行して血管治療用レーザー治療を併用します。レーザーは、微小な血管を破壊・縮小させていき、色味を改善します。3~4週間間隔で照射を行い、1~2年を目安に治療を行います。

当院では行っておりませんが、その他に、シリコンジェルシートによる圧迫療法、液体窒素による凍結療法(クライオセラピー)、放射線治療(電子線照射)、手術(Z形成術)などが治療があります。

治療料金

当院で行う肥厚性瘢痕、ケロイド治療は自費診療となりますので、まずは、お近くの保険診療皮膚科でご相談ください。

項目料金(税別)
初診料
3,500円
再診料1,500円
トラニラスト
飲み薬
1錠 20円
エクラープラスター
ステロイドテープ
1枚 200円
ケナコルト注射
ステロイド注射
2,900円~
ケロイドレーザー~2㎠ 1箇所 5,000円
2~5㎠ 1箇所 9,000円
5~10㎠ 1箇所 18,000円
局所麻酔注射(必要時)300円
クリーム麻酔(必要時)顔1面 3,000円
5×5㎝ 1,500円
体は面積による

参考文献・サイト

参考文献・サイト

  1. Koike S, (2015) “Nd:YAG Laser Treatment for Keloids and Hypertrophic Scars: An Analysis of 102 Cases.” Plast Reconstr Surg Glob Open 2015 Jan 8;2(12):e272. doi: 10.1097/GOX.0000000000000231. PMID: 25587506
  2. 小川 令 “ケロイド・肥厚性瘢痕の予防と治療” 日本医事新報社, 2019.03.11
  3. 瘢痕・ケロイド治療研究会 “ケロイド・肥厚性瘢痕 診断・治療指針 2018” 全日本病院出版会, 2018.07.11

ご予約・お問い合わせ

スマホ予約
高円寺院 KOENJI
TEL 03-5913-7435
月~土 10:30-13:30/15:30-18:30 
日・祝 休診

麹町院 KOJIMACHI
TEL 03-6261-7433
平日 11:00-14:00/16:00-19:00
土日 10:00-13:00/15:00-18:00
祝日 休診

※両医院とも完全予約制となっております。
※医学的なご質問等は別途「電話再診料」を頂きますのでご了承ください。