ニキビ跡治療(凹み)

目次

ニキビ跡の凹み

大きなニキビや深い場所にこもったニキビができると、皮膚の深層の「真皮」まで炎症が及び、傷になります。その傷が治る過程(創傷治癒過程)で、傷は肉芽組織から瘢痕組織へ置き換わります。

この瘢痕組織(傷跡)がニキビ跡です。正常な真皮に近い構造で治れば傷跡は目立ちません。しかし、創傷治癒過程がうまくいかないと、肌が凹んでしまったり、盛り上がってしまうことがあります。

萎縮性瘢痕

萎縮性瘢痕(いしゅくせいはんこん)とは、傷が萎縮して治った傷跡のことです。凹んだニキビ跡も萎縮性瘢痕であり、俗に「クレーター」と呼ばれます。

形態によって「アイスピック型(V字型)」、「ローリング型(M字型)」、「ボックス型(U字型)」に分けられます。皮下脂肪が減少しているタイプは、「脂肪萎縮型」と呼ばれることもあります。

ニキビが繰り返しできていた方は、一つの形態だけでなく、複数の形態のニキビ跡が混在しています。

ニキビ跡の凹み
アイスピック型のニキビ跡

アイスピックで突かれたかのような、直径2mm以下の狭くて深い凹みです。萎縮性瘢痕の60~70%を占めます。凹みは真皮の奥深くまで到達し、ほぼ全層まで及んでいます。組織学的には表皮の下の真皮層は全くないか、ほぼ欠損しています。

ローリング型のニキビ跡

直径5mm以上の大きくなだらかに凹んだニキビ跡です。萎縮性瘢痕の15~25%を占めます。線維化組織で表皮と筋膜が癒着し、表皮が引っ張られている状態になっています。線維化組織が、船の錨(イカリ)のように見えることから、anchored acne scarsやtethered acne scarsとも呼ばれます。

辺縁はなだらかで、ボックス型のように直角ではありません。顔の筋肉を動かした際に、筋肉の動きに引っ張られるように凹みが深くなれば、筋膜と癒着していると判断できます。

ボックス型のニキビ跡

円形や楕円形で、辺縁が直角に窪んでいる凹みです。萎縮性瘢痕の20~30%を占めます。表皮の下は瘢痕組織で固まっています。ニキビだけでなく、水ぼうそうの跡もボックス型になることが多くあります。

脂肪萎縮型のニキビ跡

皮下組織(脂肪組織)の萎縮によって起こるニキビ跡です。ニキビの炎症によって、脂肪組織に変性、瘢痕化が起こって凹み、ボリュームロスによりその上の真皮や表皮が凹みます。

加齢による脂肪組織の減少も同様に脂肪萎縮型になります。若い頃には目立たなかったニキビ跡が、年齢を重ねるにつれて目立ってくるのも似た病態です。

診断は、接線方向からのライティングと皮膚伸展テストを行って判断します。

凹みの治療

ニキビ跡の形態や肌質によって治療方法が異なり、いくつか組み合わせて治療を行います。

一度出来てしまったニキビ跡は瘢痕組織に変わるため、正常組織に戻ることはありません。どんな治療を行っても多少目立たせなくするという程度で、治療効果が高くないことは念頭に置く必要があります。

アイスピック型の治療

凹みが深いため、最も治りにくいニキビ跡です。当院では、CO2フラクショナルレーザー(エコツー)やダーマペン4による治療を行っています。

アイスピック型の辺縁の真皮下には、硬い瘢痕組織が形成されており、真皮全層まで凹みが及んでいるため、レーザーの照射エネルギーを高くして深くまで照射します。また、ダーマペンでは、針の長さを長めに設定して、瘢痕組織を破壊し、新しい組織の再構築を促します。

CO2フラクショナルレーザーとダーマペン4

エコツー・ダーマペンの治療期間と間隔

エコツーダーマペン
ダウンタイム1~2週間3日~1週間
治療間隔2ヶ月以上4週間以上
1クール6回10回

当院では侵襲性やダウンタイムなどを考慮して行っていませんが、海外ではレーザーやダーマペンの他にも、瘢痕組織をパンチング器具でくり抜き、ピンセットで上に持ち上げて固定する「くり抜き挙上法」や、TCA(真皮まで溶かす強力な酸)を凹み部分に垂らし、瘢痕組織を除去して再構築させる「TCA CROSSピーリング」も行われています。

ローリング型の治療

ローリング型のニキビ跡では、表皮を引っ張っている線維化組織を切断して癒着を剥がします。

当院では、医療用の針とカニュラを皮下に挿入し、線維化組織を切断して癒着を剥離し、その後ヒアルロン酸を注入して凹みを持ち上げる「サブシジョン」という治療を行っています。

サブシジョンでは、一度の手術で凹みがある程度平らになるため、効果が判断しやすい治療と言えます。

サブシジョンの効果の持続

当院では、サブシジョンに使用するヒアルロン酸製剤にドイツMerz社の「ベロテロ」を採用しています。ニキビ跡の部位や深さによって、複数の硬さ異なるヒアルロン酸を使い分けることができ、滑らかで凹凸が出にくいことが特徴です。

種類効果の持続
ベロテロ ソフト3~6ヶ月
ベロテロ バランス6~12ヶ月
ベロテロ ボリューム12~18ヶ月

治療後の1ヶ月が最もヒアルロン酸が吸収されやすい時期です。気になる場合は1ヶ月以上の期間をおいて、複数回治療を行います。繰り返し注入を行うことで、自己のコラーゲン産生が刺激されるため、長期的な効果が期待できます。また、ヒアルロン酸が被膜で覆われて吸収されにくくなることもあります。

ローリング型の治療症例

顎と頬のニキビ跡に対して2回に分けてサブシジョンを行った症例です。

サブシジョン前
サブシジョン後

サブシジョンは、部分的であれば侵襲性はそこまで高くありませんが、大きなニキビ跡では広範に癒着を剥離しなければいけないため、出血が多くなることがあります。ダウンタイムは3日~2週間です。

ローリング型のニキビ跡は、ボックス型と比較して表皮下の瘢痕組織はほとんどないため、サブシジョンで癒着を綺麗に剥がせれば改善しやすいと言えます。

実際には、ローリング型、ボックス型、アイスピック型は混在していることが多く、症例写真のように、大きな凹みはサブシジョンで改善しても、表面の硬いボックス型の凹みはサブシジョンでは改善しません。そのため、CO2フラクショナルレーザーやダーマペンなどの複合的な治療が必要です。

当院では扱っていませんが、海外では「Bellafill」というニキビ跡充填剤を使用している医療機関もあります。Bellafillは、牛コラーゲンとポリメチルメタクリレート/PMMAからできており、注入するとPMMAがコラーゲンの産生を刺激して、周囲にコラーゲンが生成されます。2014年にFDAに認可されており、効果が持続する半面、アレルギーテストが必要なことやヒアルロン酸のように分解できないことがデメリットです。

ボックス型の治療

ボックス型ニキビ跡

ボックス型のニキビ跡は、凹みの底が平らで、辺縁が直角に近い形をしています。

表皮の下には硬い瘢痕組織があり、CO2フラクショナルレーザーやダーマペンで瘢痕組織を破壊して、新しい皮膚を再生させることを繰り返します。

レーザーやダーマペンで組織を破壊した後に成長因子を塗布し、ハイドロコロイドパッチで湿潤療法を行うことで創傷治癒を促し、きれいな瘢痕組織に生まれ変わるようにします。

単独のボックス型の凹みは、レーザーで辺縁を少し削ってなだらかにすることで、目立ちにくくすることも可能です。

ボックス型の凹みはアイスピック型よりは改善率が高いものの、レーザーやダーマペンを繰り返し行っても改善率は2~3割程度です。また、加齢によって真皮がたるんでくるとより目立つようになるため、真皮のハリを維持するために「スネコス」を併用します。

脂肪萎縮型の治療

脂肪萎縮型のニキビ跡の治療では、減少した脂肪組織を補う必要があります。

ローリング型も組み合わさって線維化組織で癒着していることが多く、癒着を剥がしてヒアルロン酸を注入するサブシジョンが効果的です。また、加齢による脂肪組織の減少で、肌がたるんでニキビ跡が目立ってくる場合にもサブシジョンが有効です。真皮のたるみにスネコスを併用することもあります。

脂肪萎縮型の治療症例

右頬骨の脂肪萎縮とローリング型の凹みに対してサブシジョンを行った症例です(サブシジョン前の写真には、治療デザインのための青いマーカーとマスクの跡があります)。

脂肪の減少を補うため、皮下組織の深い部分にヒアルロン酸を入れています。サブシジョン直後の写真では浅層に入れたヒアルロン酸が目立つ部分がありますが、時間の経過で徐々に馴染んでいきます。

サブシジョン前
サブシジョン後

副作用

詳しい副作用は、診察の際に説明用紙で医師から説明しています。

エコツー・ダーマペンの副作用

1. 痛み

クリーム麻酔を行いますが、施術中は痛みを伴います。強い痛みは1日で治まります。

2. 赤み

通常3日~2週間で改善しますが、まれに数ヶ月続くことがあります。治療後の赤みが消えてから次回の施術を予約してください。

3. ニキビ

一過性にニキビが増えることがあります。

4. 肝斑

隠れ肝斑がある場合は、エコツーやダーマペンの刺激で肝斑が出てくることがあります。その場合はトラネキサム酸の内服など、肝斑治療が別途必要となります。

5. 色素沈着

体質や肌質によって、レーザーやダーマペン後の傷跡が色素沈着になる場合があります。また、テープ処置や紫外線対策を怠ると、色素沈着や黒ずみが起こりやすくなります。通常は半年以内に自然に改善していきますが、まれに長期に残ることばあります。

6. 火傷・瘢痕形成

非常に稀ですが、肌質や体質によってエコツー後の火傷やダーマペン後の傷が瘢痕形成するリスクがあります。

7. アレルギー・アナフィラキシーショック

非常に稀ですが、体質によってクリーム麻酔(リドカイン、微量のプロピレングリコール、エタノール、メチルパラベン等含有)・テープ麻酔・局所麻酔で重篤なアレルギー症状(アナフィラキシー:全身性の発疹、皮膚・唇・舌の腫れ、呼吸困難、動悸、血圧低下、意識障害、痙攣など)が起こる可能性があります。理論上、どのような成分でも起こり得るため、成長因子やプラセンタ製剤でも起こり得る可能性があります。帰宅後に症状が起こった場合には、すぐに救急車を呼んでください。

サブシジョンの副作用

一般的な副作用

1. 針跡と内出血

通常、針跡は2~3日、内出血は2~3週間程度で改善します。

2. 痛み

注射部位に鈍痛があったり、触ると軽い痛みを生じます。通常、2~3日で改善します。

3. 腫れ

腫れや熱感がある場合、保冷剤をハンカチなどで包み患部を冷やしてください。凍傷予防のため、同じ部位を連続で5分以上冷やさないように注意してください。

4. 時々腫れる

ヒアルロン酸の保水能力のため、寝起き(朝)や体調不良時に一時的に顔がむくみやすくなることがあります。徐々に改善していきますが、気になる場合にはヒアルロン酸分解酵素で溶解します。

5. 凸凹

凹凸にならないよう、深さや量を調整して注入します。額、目の周囲、浅いニキビ跡の治療では、注入後に膨らみが目立ちます。注射翌日からマッサージしていただくことで、1~2週間程度でなじんで改善します。長期に渡って気になる場合にはヒアルロン酸分解酵素で溶解します。

6. しこりが触れる

皮下にヒアルロン酸の塊がしこりとして触れます。凹みを持ち上げているため、盛り上がりがなければそのままにしておいてください。盛り上がりがある場合、マッサージで徐々になじんでいきます。

非常に稀だが重篤な副作用

1. アレルギー・アナフィラキシーショック

製剤に含まれる架橋剤、添加物、麻酔成分にアレルギーを起こす方がいます。重度のアレルギー(全身の発疹、皮膚・唇・舌の腫れ、呼吸困難、動悸、血圧低下、意識障害、痙攣)も報告されています。帰宅後に上記の症状が起こった場合、すぐに救急車を呼んでください。

2. 感染

非常に稀ですが、免疫が弱い方、免疫不全の方は、刺入部から感染を起こす可能性があります。

3. 異物性肉芽腫

過剰な免疫反応・アレルギーにより注入部位の硬結や結節、非常に稀に「異物性肉芽腫」というしこりが出現し、瘢痕(傷跡)として残ってしまうことが報告されています。過去に非吸収性のフィラー剤を注入している場合に起こることもありますが、それはヒアルロン酸が原因ではありません。

4. 塞栓

血管内への誤注入で、動脈塞栓、皮膚壊死、皮膚の変色、失明、脳梗塞等の重大な合併症が報告されています。

5. 神経障害

針によって知覚神経や運動神経障害が稀に起こることがあります。通常は3ヶ月程度で改善しますが、極稀に残存してしまう可能性があります。

治療後の注意点

  1. お顔にテープを貼ったり、強い赤みがでます。紫外線を防止やお顔を隠すために、マスク・つばの広い帽子・サングラス等の持参をおすすめします。
  2. エコツー…ハイドロコロイドという傷を治すためのテープを貼り、湿潤療法を行います。
    ダーマペン…傷の程度により、エアウォールUV、ハイドロコロイド、ワセリンを選択します。
  3. 最低3日間はテープ、または、ワセリン塗布をします。ハイドロコロイドテープの場合は、傷から出る浸出液で白くふくらみますので、全体が白くなったらテープを交換してください。エアウォールUVの場合、全体が浸出液や汗で剥がれやすくなったら交換していただきます。
  4. 貼りなおしの際にテープがはがれにくい場合、ぬるま湯で十分に濡らすとうまくはがれます。
  5. 頻繁に貼りなおすと、新しくできた皮膚がはがれ、シミの原因や傷が綺麗に治らない原因となります。できるだけ貼りっぱなしにしておいてください。
  6. 最低3日間はメイク、運動、飲酒、入浴はお控えください。
  7. シャワーは可能ですが、洗顔はなるべくお控えください。どうしても洗顔する場合は、ぬるま湯のみとし、テープが濡れてしまった場合は、タオルで水分をふき取ってください。
  8. テープを貼りなおす際は、はがした後、患部をぬるま湯で軽く洗って、清潔なタオルで拭いてからテープを貼ってください。その際に、こすったり、カサブタを剥がしたりしないようにしてください。

治療料金– Treatment Costs –

ニキビ跡の治療は新生ニキビができない方に限ります。ニキビができている患者さんにはニキビ治療を併せてご提案させていただきます。ニキビ跡には複数のタイプが混在していることが多く、実際には複数の治療を組み合わせる必要があります。

エコツー・ダーマペンの料金

項目料金(税込)
診察料初診料 3,850円
再診料 1,650円
エコツー
CO2フラクショナルレーザー
顔全体1回 38,280円
半顔1回 27,280円
5×5㎝ 16,280円
ダーマペン4顔全体1回 27,280円
半顔1回 18,480円
5×5㎝ 10,780円
成長因子
EGF/FGF/VC誘導体
無料
ボツリヌストキシン
(コアトックス32単位)
8,800円
プラセンタ990円
クリーム麻酔顔1面 3,300円
5×5㎝ 1,650円
体は面積による
ハイドロコロイドテープ実費
  1. ダーマペンは看護師が施術、エコツーは医師が施術いたします。
  2. エコツー、ダーマペンを2回目以降受けられる方で、診察を希望されない場合は再診料はかかりません。
  3. 半顔の料金は、「ほほ+鼻」、「ほほ+フェイスライン」、「ほほ+あご」、「ほほ+こめかみ」など、顔半分以下の場合に適用になります。それ以上は、1面分の料金となります。
  4. 施術後に塗布する「成長因子」は無料ですが、ご希望がない場合でも料金の割引はありません。
  5. ボツリヌストキシン(コアトックス)32単位をオプションで塗布できます。皮膚の浅い層にコアトックスを浸透させることで、筋肉の機能は保ちながら筋肉の表面線維のみの動きを抑えます。自然な表情のまま、しわ・小じわの改善、毛穴の引き締め、皮脂分泌を抑制が期待できます。コアトックス施術後、女性は2回の生理が来るまで避妊、男性は3ヶ月間避妊をしてください。
  6. プラセンタをオプションで塗布できます。その際、献血制限の同意書が必要となります。

サブシジョンの料金

スクロールできます
項目料金(税込)
診察料初診料 3,850円
再診料 1,650円
サブシジョン皮膚剥離1部位(5~15mm)19,800円
ヒアルロン酸 1本(1mL)79,200円
ヒアルロン酸 2本目以降 69,300円/本
ヒアルロン酸分解注射
ヒレネックス
1本(150単位) 54,780円
麻酔局所麻酔 330円
テープ麻酔 1枚 330円
  1. 施術前には毎回診察が必要です。
  2. ヒアルロン酸は、ニキビ跡の深さによって複数の種類と本数が必要になる場合があります。
  3. ヒアルロン酸の2本目以降の料金は、同日に施術した場合の割引価格です。
  4. 凹みの大きさや深さによってヒアルロン酸の注入量は変わりますが、1本で2~3部位の注入が可能です。
    例)サブシジョン3部位…ヒアルロン酸1本79,200円、皮膚剥離3部位59,400円=138,600円
  5. 注射針やカニュラ等をニキビ跡の部位によって使い分けますが、別途料金は発生しません。
  6. ヒアルロン酸は感染予防のため1本使い切りです。余ったヒアルロン酸は廃棄いたします。
  7. ヒアルロン酸分解注射は、緊急時や施術後1ヶ月以内の修正は無料、それ以降の修正は有料となります。

ニキビ跡の凹み治療のよくある質問

当日施術を受けることはできますか?

原則、当日施術はできません。ニキビ跡の凹みの治療は、麻酔等も含めて1時間以上かかることもあるため、後日、施術予約を取っていただきます。

治療を受けられない場合はありますか?

サブシジョン治療を受けられない方

  • ケロイド体質の方(医師の許可がある方は除く)
  • 皮膚炎・皮膚感染症がある方
  • 血液疾患・出血傾向のある方
  • 麻酔やヒアルロン酸製剤にアレルギーを起こしたことがある方

エコツー・ダーマペンを受けられない方

  • 妊娠中・授乳中の方
  • 麻酔薬にアレルギー症状を起こしたことがある方
  • 日常的に日焼けをする方
  • 皮膚炎・皮膚感染症など施術部位に異常のある方
  • ケロイド体質の方(医師の許可がある方は除く)
  • 金の糸を入れている方
  • 照射部位に入れ墨、アートメイク、落ちないファンデーション(BB Glow、CC Glow等)をご使用の方
  • イソトレチノイン内服中、内服終了後3ヶ月経過していない方(医師の許可がある方は除く)

その他、ご使用中の薬剤や施術によっては期間を空ける必要があるものもありますので、診察の際にご相談ください。

治療間隔(インターバル)」も併せてご参照ください。

ダーマペンとエコツーの違いを教えてください

ダーマペン4は、多数の微細な針が付いたペン型の医療用機器です。これが上下に振動することにより、ニキビ跡の瘢痕組織を壊していきます。

エコツーは、炭酸ガスを使ったフラクショナルレーザーです。レーザーがドット状に照射され、熱エネルギーで瘢痕組織を破壊していきます。肌が再生する過程を利用して凹みを治していきます。

どちらの治療も、一度真皮層の瘢痕を壊して、肌が再生する過程(再構築)を利用して凹みを改善させます。

治療間隔と回数

  • エコツー…2ヶ月以上間隔を空けて、1クール=6回
  • ダーマペン…4週間以上間隔を空けて、1クール=10回

治療効果とダウンタイム

1回の治療効果はエコツーの方がやや高くなりますが、1クール終了後の改善率は20~30%程度で、どちらを選択しても最終的な効果は大きく変わりません。

  • エコツー…ダウンタイムは約1~2週間
  • ダーマペン…ダウンタイムは約3~7日間

ダーマペン4はダウンタイムが比較的少ない治療のため、あまりダウンタイムが取れない方にはダーマペンをお勧めしています。

エコツーは使用するチップやエネルギー、ワット、密度などを調整することで、深さや強度を調整します。ダーマペンは針の長さ、当てる強さ、密度を調整することで、深さや強度を調整します。

肌質に合わせた深さと強度で1回目を行い、2回目以降は、1回目の赤みや効果を見ながら、パラメーターを調整して治療していきます。

ダーマペンとエコツーの改善率はどれくらいですか?

凹みやクレーターは、最も治療が難しい分野であり、完全に元に戻すことはできません。エコツーやダーマペンで1コース(約1年間)の治療が終了しても改善率は20~30%程度ですので、劇的ではありません。凹みやクレーターを目立たせなくする程度で考えたほうが良いでしょう。

凹みやクレーターがあっても、健康上は問題は起こらず、あなたの人間的価値や魅力が落ちることがないことは、十分に理解しておく必要があります。金額もかかる治療であり、副作用のリスクもありますので、あくまで治療で得られるメリットとデメリットを天秤にかけて考える必要があります。

根気が必要な治療であり、「治療をしない」という選択肢も考慮してください。

治療が終わるまでどれくらいの期間がかかりますか?

凹みやクレーターの程度によります。通常は1~2年くらいを目安に考えてください。

ダウンタイムがない方法で治療できますか?

凹んでいるニキビ跡では、ダウンタイムがない治療では改善しません。

ダーマペンは数日~7日間、サブシジョンやエコツーは1週間から2週間前後のダウンタイムがあります。治療法や強度(例えば、レーザーの出力設定やダーマペンの針の長さなど)によって、ある程度ダウンタイムをコントロールすることは可能ですが、多かれ少なかれ、ダウンタイムは必ずあると思ってください。

施術後に注意することはありますか?

術後に肌の湿潤環境を保つ必要があります。当院では、ハイドロコロイドやエアウォールUVという傷を早く治すドレッシング材(被覆材)を用いて、できるだけ湿潤環境を保つようにしています。

ダーマペンの場合は、ワセリン処置でも可能ですが、できるだけテープ処置をするようにお勧めしています。

術後に紫外線を避けることは重要です。メイクができるようになるまでの期間は、行う治療によって変わりますが、おおよそ3~7日間ほど見る必要があります。

参考文献・サイト一覧
  1. Fabbrocini G, (2010) “Acne scars: pathogenesis, classification and treatment.” Dermatol Res Pract. 2010;2010:893080. doi: 10.1155/2010/893080. Epub 2010 Oct 14. PMID: 20981308
  2. Jacob CI, (2001) “Acne scarring: a classification system and review of treatment options.” J Am Acad Dermatol. 2001 Jul;45(1):109-17. PMID: 11423843
  3. SUNEVA medical “Bellafill Acne Scar” https://bellafill.com/bellafill-acne-scar/ 最終アクセス:2023/01/10

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