肌のクリニックのニキビ跡治療

凹み・クレーターのニキビ跡治療

ニキビ跡の凹み・クレーター

アイスピック型のニキビ跡治療

凹みが真皮深く、ほぼ全層まで及んでいるニキビ跡です。アイスピックで突っつかれたような傷跡が残っていることから、「アイスピック型のニキビ跡」と呼ばれています。表皮の下の真皮は欠損しており、残っている真皮も周囲に硬い瘢痕組織を形成しています。

アイスピック型のニキビ跡

凹みが深いため、最も治りにくいニキビ跡です。海外では瘢痕組織そのものをパンチングの器具でくり抜き(紙の穴あけパンチのように丸くくり抜きます。)、ピンセットで上に持ち上げて固定するくり抜き挙上法や、TCA(真皮まで溶かす強力な酸)を凹み部分に垂らし、瘢痕組織を除去して再構築させるTCA CROSSピーリングが行われています。

肌のクリニックではくり抜き挙上法や、TCA CROSSピーリングは侵襲性の問題、日本人の肌質、ダウンタイムなどを考慮して行っておらず、代わりにCO2フラクショナルレーザーによる治療やダーマペンによる治療を行っています。

アイスピック型は真皮全層まで凹みがあるため、レーザーでは届きにくい部位ではありますが、CO2レーザーのeCO2 evolution(エコツーエボリューション)は最大2.5mmの深さまで照射することが可能なため、アイスピック型の瘢痕にも効果を発揮します。また、ダーマペンは針の長さを調整でき、手作業で地道に瘢痕組織を壊して、瘢痕組織の再構築を促します。回数はかかりますが、比較的ダウンタイムも短く治療することができます。

ローリング型のニキビ跡治療

ローリング型のニキビ跡

ローリング型は線維化組織で表皮が筋膜と癒着して引っ張られているような状態になっているニキビ跡です。船の錨(イカリ)のように底に引っ張られていることから、海外ではtethered acne scarsや anchored acne scarsと呼ばれています。辺縁はなだらかで、ボックス型のように直角ではないことで区別をします。また、顔の筋肉を動かしてもらい、それに引っ張られるように凹みが深くなれば、筋膜と癒着していると判断できます。

ローリング型のニキビ跡では、まず筋膜との癒着を剥がさなければなりません。フラクショナルレーザーやダーマペンの場合、垂直方向へレーザービームや針が動くため、繊維を切断しにくいのですが、サブシジョンという方法で切断することが可能です。

サブシジョンは医療用針(16G~27G針や、Becton Dickinson社製 BD NoKor等)を皮下に挿入し、線維化組織を切断して癒着を剥離する手法です。下の図のように、横方向に針を挿入して、皮下で前後に動かしたり(トンネリングテクニック)、扇状に針を動かしたりして(ワイプテクニック)線維組織を切断します。癒着が剥がれた後、そこに硬めの架橋されたヒアルロン酸を注入して盛り上げます。

サブシジョンは一度の処置で30%程度の凹みの改善が期待できます。気になる場合は1ヶ月以上の期間をおいて、何度か繰り返し行う必要があります。注入したヒアルロン酸は時間の経過とともに吸収されてしまいますが、繰り返し行うことにより、自己のコラーゲンの産生も促され、凹みが目立たなくなっていきます。

また、当院では扱っていませんが、Bellafill(Suneva Medical社製)という注入剤も海外では使用されています。Bellafillは、コラーゲンとポリメチルメタクリレート/PMMAからできており、注入するとPMMAがコラーゲンの産生を刺激して、周囲にコラーゲンが生成されます。非吸収性なので効果が半永久的な反面、やり直しがききません。

成長因子のbFGFは肉芽組織の形成を強力に促進するため、瘢痕組織を丁寧に壊した後であれば皮膚をしっかりと盛り上がらせることができ、効果も持続します。しかし、逆に盛り上がり過ぎてしまったり、凹みのある瘢痕組織部分は盛り上がらず、周囲の皮膚に薬液が作用して、周囲だけが盛り上がってしまったりといったリスクがあります。一度自己の組織が増殖してしまうと、やり直しがききませんので、十分にリスクを考慮の上、選択する必要があります。

サブシジョン

サブシジョンは、部分的であれば侵襲性はそこまで高くありませんが、範囲が広いとワイプテクニックで広範に癒着を剥離しなければいけないため、かなりの出血をきたすことがあります。

ローリング型のニキビ跡は、ボックス型と比較して表皮下の瘢痕組織はほとんどないか、少ないとされています。しかし、実際には両者は混在していることが多く、サブシジョン後に注入剤で盛り上がらない場合は、硬くなった瘢痕組織が邪魔しているため、瘢痕組織をCO2フラクショナルレーザーやダーマペンなどで破壊しなければなりません。サブシジョン・注入剤の充填・CO2フラクショナルレーザー・ダーマペンなど複合的な治療が必要です。

ボックス型のニキビ跡治療

ボックス型のニキビ跡

縁が直角に窪んでいるタイプのニキビ跡を、ボックス型と呼びます。表皮の下は瘢痕組織でがっちりと固まっており、辺縁がシャープなため、CO2レーザーでなだらかに削ることが有効です。

ローリング型とボックス型は、実際には区別が付きにくいことも多く、一つのニキビ跡の中に混在していることもあります。また、後に述べる脂肪萎縮型のニキビ跡とも共存しているため、筋膜との癒着を確認したり、皮膚伸展テストで確認して、サブシジョンが有効かどうか判断しなければなりません。

ボックス型ニキビ跡の基本的な治療は、ダーマペンやCO2フラクショナルレーザーになりますが、他の凹みと同様に複合的な治療が必要となります。

脂肪萎縮型のニキビ跡治療

脂肪萎縮型のニキビ跡

脂肪萎縮型のニキビ跡は、皮下組織(脂肪組織)の萎縮によって起こるニキビ跡です。脂肪組織に変性、瘢痕化が起こって凹み、そのことによってその上の真皮や表皮がへこみます。診断は、接線方向からのライティングと皮膚伸展テストを行って判断します。

脂肪組織との癒着を剥がして、そこに充填剤を注入するサブシジョンが効果的です。また、萎縮性ニキビ跡は、前述した様々なタイプの凹みと共存しているため、複合的な治療が必要なケースが多くあります。

脂肪萎縮型ニキビ跡と同じような病態として、加齢による脂肪組織の減少や真皮のたるみ、表情筋の衰えによって、ニキビ跡が目立ってくることがあります。筋肉のたるみを改善するには、体と同じで顔の筋肉をトレーニングするのが最もよい方法です。真皮のたるみを改善するには、アンチエイジング治療(臍帯血幹細胞培養上清HSCM100や水光注射)も補助的な治療としておすすめです。皮下組織~真皮の萎縮に対しては、成長因子のbFGFの注入が最も効果が高いのですが、しこり等の副作用のリスクもあり、一概にお勧めできる治療ではありません。

加齢による皮膚のたるみでニキビ跡が目立ってくるのは老化現象ですから、ある程度は仕方がありません。あまり過度に治療に期待せず、できる範囲で行うのが良いと考えます。

凹み・クレーターニキビ跡治療の料金

複合的な治療が必要となります。

ニキビ跡の治療は、新規ニキビができない方に限ります。また、初診時当日に施術はできませんので、ご了承ください。

顔半分の治療は、「鼻+ほほ」や、「こめかみ+おでこ」や、「あご+ほほ」など、面積が顔半分以下の場合に適応になります。それ以上は、1面分の料金となります。

項目 料金(税抜)
初診料 2,900円
再診料(必要時) 980円
ダーマーペン

顔全体 29,800円

顔半分 19,800円

ダーマーペン+成長因子(EGF+FGF+IGF)

顔全体 39,800円

顔半分 29,800円

ダーマーペン+HSCM100(1.5ml)(※)

(ニキビ跡治療では、アンチエイジング目的よりも深く刺します)

顔全体 59,600円

顔半分 49,600円

エコツーエボリューション(CO2フラクショナルレーザー)

顔全体 49,800円

顔半分 36,800円

顔1/4以下 19,800円 

エコツーエボリューション+HSCM100(1.5ml)(※)

顔全体 79,600円

顔半分 66,600円

サブシジョン(1箇所 2cm×2cm) 19,800円
ヒアルロン酸注入(サブシジョン後の注入用 0.5ml) 19,800円
テープ麻酔(ペンレステープ)1箇所 1枚 300円
クリーム麻酔 3,000円
局所麻酔(必要時) 施術料に含む
湿潤療法(ハイドロコロイドパッチ) 実費

ダーマペンやエコツーの施術後に「臍帯血幹細胞培養上清液」を塗布することで、肌の再生をより促す治療です。詳しくは、「臍帯血幹細胞培養上清 | HSCM100」をご参照ください。

凹み・クレーターニキビ跡治療のよくある質問

当日施術を受けることはできますか?
ニキビ跡の凹みの治療は麻酔が必要となり、時間がかかるため、当日施術はできません。後日、施術予約を取っていただきます。
治療を受けられない場合はありますか?
現在活動性のニキビがある方は、まずニキビ治療で、新しいニキビができなくなってからでないと治療は受けられません。また、イソトレチノイン(アキュテイン)治療を受けた方は、治療終了後最低6ヶ月以上期間を空けなければ、治療を受けることができません。その他、ケロイド体質の方は治療によって悪化する可能性があるため、治療を受けられない場合があります。詳しくは医師にご相談ください。
凹みやクレーターなどのニキビ跡は必ず治りますか?
凹みやクレーターは、最も治療が難しい分野であり、完全に元に戻すことはできません。凹みやクレーターをある程度目立ちにくくできるという程度で考えたほうが良いでしょう。凹みやクレーターがあっても、健康上は問題は起こらず、また、あなたの人間的価値が落ちることがないことは、十分に理解しておく必要があります。金額もかかる治療であり、副作用のリスクもありますので、あくまで治療で得られるメリットとデメリットを天秤にかけて考える必要があります。
治療が終わるまでどれくらいの期間がかかりますか?
凹みやクレーターの程度によります。狭い範囲の治療であれば、6ヶ月程度で終了することもありますが、通常は1年~2年くらいを目安に考えてください。
ダウンタイムがない方法で治療できますか?
色素沈着タイプのニキビ跡であれば、ダウンタイムがない治療を選択することは可能ですが、凹凸タイプのニキビ跡では、ダウンタイムがない治療では改善しません。ダーマペンは数日~10日間、サブシジョンやエコツーエボリューションは2週間前後のダウンタイムがあります。治療法や強度(例えば、レーザーの出力設定やダーマペンの針の長さなど)によって、ある程度ダウンタイムをコントロールすることは可能ですが、多かれ少なかれ、ダウンタイムは必ずあると思ってください。
施術後に注意することはありますか?
凹みの治療は侵襲的な治療になりますので、術後に肌の湿潤環境を保つ必要があります。肌のクリニックでは、ハイドロコロイドという傷を早く治すドレッシング材(被覆材)や、高純度ワセリン(サンホワイト)で、できるだけ湿潤環境を保つようにしています。
また、術後に紫外線を避けることは重要です。メイクができるようになるまでの期間は、行う治療によって変わりますが、おおよそ3日間~7日間ほど見る必要があります。