サクセンダ

サクセンダ_Saxenda®
サクセンダ(GLP-1注射薬)

サクセンダ(Saxenda®)は、ノボノルディスク社の肥満治療薬(体重管理治療薬)です。医薬品一般名をリラグルチドといい、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬という種類の薬剤です。

サクセンダは、脳細胞のGLP-1受容体に作用し、満腹感を高めて空腹感を低下させることにより、食欲を抑制して体重を減少させます1

サクセンダはFDAで認可されている抗肥満薬(BMI30以上、もしくはBMI27以上で肥満に関連する疾患がある方)で、糖尿病治療薬ではありません。日本では未承認薬のため、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

サクセンダの体重減少効果

3731人の肥満の方を対象に、56週間(約13ヶ月間)サクセンダとプラセボを注射して比較した試験では、サクセンダを注射した92%の患者に体重減少が認められています。

  • 63.2%の患者が5%以上の体重減少
  • 33.1%の患者が10%以上の体重減少
  • 14.4%の患者が15%以上の体重減少

サクセンダ投与群は平均8.4kg(プラセボは2.8kg)の体重減少が認められ、プラセボと比較して心血管系のリスク因子(血圧、中性脂肪、コレステロール値)の改善が報告されています2

サクセンダ中止後の体重変化

サクセンダは使用を中止すると食欲が徐々に元に戻り、何もしなければ体重も戻りやすくなります14 16。サクセンダ使用中に食事療法や運動療法を併せて行い、痩せやすい習慣を作ることが大切です。

サクセンダの使い方

当院で自己注射指導を受けた後、毎日、ご自分で注射をしていただきます。1日1回、朝食前に太もも、上腕、腹部のいずれかの皮下に同じ時間に注射します。筋肉や静脈には注射しないでください。

保存方法

未使用のサクセンダは、凍結を避け、冷蔵庫に保管してください。使用後のサクセンダは、日光が当たる場所を避け、室温(1~30℃)で30日以内にご使用ください。使用後も冷蔵庫に保管していただいて構いません。

注射方法

サクセンダの注射方法は、初診時にお渡しする「サクセンダを正しく使うための手順」と次の動画をご覧ください。

サクセンダの正しい注射方法(肌のクリニック)

増量方法

サクセンダは、最初は吐き気や気分不快などの症状が出るため、慣れさせるために少しずつ増量していきます。

サクセンダの投与量

1日0.6mgから開始して、1週間毎に0.6mgずつ増量し、最大3.0mgまで増やして維持します。体重減少が著しい場合や副作用が強い場合には、最大量を1.2mg~2.4mgまでとします。0.6mgで十分な方もいますので、その場合は0.6mgで経過を見ることもあります。

治療期間

当院では、治療の期間は4~13ヶ月間を推奨しています。用量と期間は、治療経過により判断します。

サクセンダのリスクとメリット

副作用

サクセンダの主な副作用は、頭痛やめまいの他、吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの消化器症状が最も多く見られます。重篤な副作用は非常に少ないものの、注意すべきものもあります5 6

  • 胃腸障害…吐き気、嘔吐、下痢、便秘は最も多い副作用です。ほとんどが軽度から中等度で、一過性です。治療を続けると減少していきます。
  • 低血糖…2型糖尿病のない患者での重度の低血糖の報告はありませんが、1.6%の患者で低血糖症状が報告されています(プラセボは1.1%)。
  • 頻脈…0.6%の患者で頻脈が生じます。ほとんどは治療中に軽快しますが、持続、悪化する場合や他の症状がある場合は医師にご相談ください。
  • 甲状腺疾患…2型糖尿病患者での試験で甲状腺腫が報告されています。ラット及びマウスにおける2年間がん原性試験において、非致死性の甲状腺C細胞腫瘍(甲状腺髄様癌)が認められたとの報告があります。
  • 膵炎・胆石症・胆嚢炎…激しい腹痛、背部痛、嘔吐、発熱などの症状が起こった場合、緊急で医療機関を受診してください。致死的になるリスクや胆嚢摘出につながるリスクがあります。胆石症は、脂っこいものや食べ過ぎた夜に腹痛が起こることがあります。胆石による急性膵炎では、痛みが突然始まり、数分で最大になります。発症前のアミラーゼ、リパーゼの上昇は、膵炎発症の予測にはなりませんが、症状があった際には診断の指標となります。
  • 急性腎不全・脱水…下痢や嘔吐などの胃腸の副作用に関連した脱水から、腎不全や腎機能障害を起こす可能性があります。
  • アナフィラキシーショック・血管浮腫…過剰な免疫反応(アレルギー反応)により、血圧低下、失神、顔面、口唇、皮膚の浮腫、発疹、気道の浮腫による呼吸困難等の症状があらわれます。
  • 腸閉塞(頻度不明)…高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には使用を中止し、医療機関を受診してください。
  • うつや自殺企図(サクセンダ0.3%vsプラセボ0.1%)…不安、脱力感、集中力の低下、うつ状態、イライラ感、気分変調、自殺願望などの症状が起こった場合、薬を中止して必ず医師にご相談ください。

その他の副作用の詳細や注意事項等については、診察時に説明用紙に従ってご説明いたします。

メリット

サクセンダの利点には以下のものがあります。

  • 体重減少効果がはっきりしている
  • 特別な努力を必要とせず痩せられる
  • 中毒性がなく、耐性が起こりにくい
  • 他の抗肥満薬と比較して安全性が高い

抗肥満薬のマジンドール(商品名:サノレックス)では、依存性の問題や、耐性ができて時間経過とともに体重効果が低下するため、3ヶ月以内の投与に限られていましたが19、サクセンダでは、依存性や耐性の問題がありません。

また、過去の抗肥満薬では、中枢性食欲抑制剤は心血管イベントリスク(心筋梗塞や脳卒中などのリスク)を増加させる懸念がありましたが、糖尿病患者を対象とした試験で、ビクトーザ(サクセンダと同一薬)では、プラセボと比較した相対リスク減少率で心血管イベントリスクを13%低下させ、心血管死を22%低下させることが報告されています21

サクセンダを使用できない方

  • 18歳未満、または、75歳以上の方 (20歳未満の方は、保護者の同意が必要です)
  • 糖尿病、膵炎、胆石症、胆嚢炎、重度の腎機能障害、肝機能障害のある方
  • 大きな腹部手術の既往のある方、腸閉塞の既往のある方
  • 摂食障害の方、BMI18.5未満の方、体脂肪率男性15%未満・女性25%未満の方
  • 内分泌疾患やステロイドなどの薬剤による肥満の方
  • 甲状腺疾患のある方、多発性内分泌腫瘍症2型の家族歴のある方
  • 妊娠中、授乳中の方
  • うつ病や自殺企図のある方
  • サクセンダの添加物(リン酸水素二ナトリウム二水和物、プロピレングリコール、フェノール)にアレルギーがある方

その他当院が治療の必要性が低いと判断した場合、処方できないことがあります。

サクセンダの料金

サクセンダの価格は1本21,780円(税込)です。処方には必ず診察が必要です。

項目料金(税込)
診察料初診料 3,850円
再診料 1,650円
サクセンダ1本 21,780円
血液検査
(必要時のみ)
血液検査 3,982円
尿検査
(初診時女性のみ)
1,056円
注射針
(必要時のみ)
70本 2,860円
アルコール綿
(必要時のみ)
100枚 660円
針捨て容器
(廃棄代込)
440円
吐き気止め
(必要時のみ)
10日分 660円

血液検査は初診時、1ヶ月後、その後は3ヶ月毎に行います。体重測定は毎回行います。
※最大3ヶ月分までの処方となります。
※アルコール消毒綿で皮膚がかぶれてしまう方は、クロルヘキシジン消毒綿を処方いたします(60枚 880円)。
※針捨て容器は、一度フタを閉じると開かない仕様になっています。使用済みの針は必ず容器に入れ、フタを閉じて当院までお持ちください。他院で処方された針は、処方された医療機関へお持ちください。当院で廃棄をご希望の場合、当院の針捨て容器をご購入いただき、容器に入れて当院までお持ちください。時々、ビニール袋やペットボトルなどに入れて当院へお持ちになる方がいますが、針が突き抜け、針刺し事故(感染事故)を起こしてしまうリスクがありますので、指定の容器以外ではお持ちにならないようにお願い申し上げます。また、当院から処方した針捨て容器以外の処分費用につきましては、別途、医療廃棄物料をいただきますので、あらかじめご了承ください。

1ヶ月の必要本数

サクセンダ維持量30日間の必要本数
0.6mg1本
1.2mg2本
1.8mg3本
2.4mg4本
3.0mg5本

*0.6mgからスタートして1週間毎に1.2mg→1.8mg→2.4mg→3.0mgの最大量まで増やした場合、サクセンダ3本で32日分です。

サクセンダについてのよくある質問

GLP1ダイエットとは、「GLP-1受容体作動薬」を使った体重管理、ダイエット治療のことです。GLP-1受容体作動薬は、胃の運動を抑え、脳内の受容体へ結合して食欲を抑えます。

GLP1受容体作動薬のサクセンダは、肥満症治療薬(体重管理治療薬)として欧米で承認されていますが、日本では未承認です。

世界で使用されているGLP-1注射薬には、多くの種類がありますが、サクセンダ以外はすべて糖尿病薬です。

薬剤名医薬品名注射頻度対象疾患
サクセンダリラグルチド1日1回肥満
ビクトーザリラグルチド1日1回糖尿病
トルリシティデュラグルチド週1回糖尿病
ビデュリオン
バイエッタ
エキセナチド週1回糖尿病
リキスミアリキシセナチド1日1回糖尿病
タンゼウム
エペルザン
アルビグルチド週1回糖尿病
オゼンピックセマグルチド週1回糖尿病

サクセンダは体重減少効果が高いことが報告されており20、世界で肥満治療薬として認可されていますが、国内では未承認です。

サクセンダとトルリシティの体重減少効果の比較

サクセンダを使い始めてから、2週間以内に徐々に効果が出始めます3

サクセンダは、臨床試験では92%の方に効果を認めていますが、8%の方には効果が現れませんでした2

また、肥満者を対象とした試験ですので、それ以下の方には効果が落ちる可能性があります。当院では、4ヶ月後の目標を決め、効果がはっきりと出ない場合は治療の継続はおすすめしておりません。

肥満者を対象に56週間行った試験では、サクセンダの使用で平均8.4kgの体重減少を認めています2

サクセンダの効果は、主にBMI27以上の肥満者が対象ですので、それ以下の方は効果が落ちる可能性があります。

サクセンダがレプチン抵抗性を抑えることにより22、基礎代謝を上げる可能性が示唆されています。しかし、エビデンスとしてはまだ不十分であり、今後の研究を待つ必要があります。

確かにサクセンダ治療中は食欲がなくなり、特別な努力をせずに痩せる可能性が高いですが、治療終了後に何もしなければ、徐々にもとの体重に戻ってしまいます。

欧米では1日-500kcalのカロリー制限と適切な運動を組み合わせた治療が推奨されており、サクセンダ中止後のリバウンドを抑制するためにも、当院でも食事、運動指導を併せて行っております。

サクセンダ治療中に、いかに痩せやすい環境、生活習慣を身に着けるかが大切です。

ビクトーザとサクセンダは同じ製薬会社が発売している同じ製剤です。ビクトーザは糖尿病薬、サクセンダは肥満治療薬として用いられています。

違いは、ペンの目盛りでビクトーザは0.3mg刻みなのに対し、サクセンダは0.6mg刻みとなっています。

他の肥満治療薬と比べ、比較的安全性は高いと考えられています。

しかし、欧米で認可されているからといって、必ずしも安全とは言えません。重篤な副作用も報告されており、国内未承認の医薬品を自費診療で使用する場合、副作用のリスクと治療から得られるメリットを天秤にかけて判断する必要があります。

いいえ。サクセンダのカートリッジは、必ずご本人用を使用していただき、他の人と共有はしないでください。

サクセンダ使用中に、カートリッジ内に血液が混入する可能性がありますので、他の方と共有すると感染リスクがあります。

「サクセンダ注射1回お試し」として、針だけ交換してカートリッジの使い回しをしている施設がありますが、絶対に避けるべきです。

サクセンダの料金は1本21,780円(税込)です。できる限りお安い価格に設定しています。

その他、診察料や検査料等がかかりますので、詳しくは「サクセンダの料金」の項目をご覧ください。

サクセンダ1本で何日間使用できるかは、サクセンダ1本に18mgのリラグルチドが含有されていますので、維持量が0.6mgの場合、サクセンダ1本で30日間分です。つまり、1ヶ月で1本のサクセンダが必要です。

維持量が3mgの場合、サクセンダ (18mg) 1本で6日間持ちます。1ヶ月間で5本のサクセンダが必要です。

サクセンダ維持量30日間の必要本数
0.6mg1本
1.2mg2本
1.8mg3本
2.4mg4本
3.0mg5本

サクセンダは、1日1回、おおよそ同じ時刻に注射をすれば、効果はいつ打っても変わりません。食前、食後も関係ありません。

24時間効果がありますが、サクセンダの血中濃度は、打ってから7.5〜11時間で最大値になり、半減期10〜11時間です。

効果の持続が短いと感じる場合は、朝食前に打つことをお勧めしています。

他院ですでにサクセンダなどの治療を受けている場合でも、当院で継続して処方できます。

吐き気は、通常8週間以内に治まります。

上腹部通などがあり、程度がひどい場合は吐き気以外の重篤な副作用の可能性がありますので、医師にご相談ください。

副作用が強く、3mgまで増やせない場合は、それよりも少ない量で体重をコントロールしていきます。

低用量での体重減少効果は確立していませんが、有効性の報告はありますので、治療経過を見てどれくらいの量で続けるかを判断します。

当院では、サクセンダの治療期間は4~13ヶ月間を推奨しています。治療期間は、個々の患者さんで異なりますので、診察の際にご相談ください。

サクセンダ3.0mgを3年間の長期に渡って、2254人を対象に、食事と運動療法を併用して行った調査報告があります13 14

3年後の時点でサクセンダの体重減量率は6.1%、プラセボは1.9%とサクセンダ群で良好な体重減少率を保っていました。

胆嚢関連疾患は年間100人あたりサクセンダは2.9人、プラセボは1.2人、膵炎はサクセンダは0.29人、プラセボは0.13人とサクセンダ群で多くなっています。

3年間での糖尿病発症率は、サクセンダは3%、プラセボは11%とサクセンダは糖尿病リスクを低減しました。

サクセンダは一般的に忍容性(重篤な副作用は少なく続けやすい)は良好で長期使用が可能な薬剤で、同じ製剤であるビクトーザ(2010年承認)は糖尿病治療薬として約10年実績があります17

長期に使用しても比較的安全性が高い薬剤と考えられていますが、副作用もあり、不必要に治療を継続することはお勧めしておりません。

当院では、糖尿病検査や肝機能、腎機能、膵臓酵素、カルシトニンを含む採血検査を行います。初診時、1ヶ月後に検査を行い、その後は3ヶ月毎に行います。(血液検査料:税込3,982円)

サクセンダの臨床試験では、肝機能上昇や膵酵素(アミラーゼ・リパーゼ)、血清カルシトニンの上昇などが報告されています5

肝胆道系酵素の上昇や膵酵素の上昇は、単独では意味をなさず、胆道炎や膵炎の予測にはなりませんが15、症状や炎症反応、診察と併せて判断する際の手がかりとなります。

血清カルシトニンが2倍以上に上昇した割合は、サクセンダ治療で1.2%、プラセボで0.6%ですが5、そのことによって甲状腺髄様癌を予測することはできませんが、2倍以上に上昇した場合は念のため甲状腺エコー等を受けていただきます。

サクセンダの治療が初めての方は、1ヶ月分の3本までとなりますが、特別な事情がある方は2ヶ月分まで処方いたします。

すでに他院で治療を行っている方や安定している方は最大で3ヶ月分まで処方可能ですが、一度処方した医薬品の返金、返品はいたしかねますのでご了承ください。

急に中止して問題ありません。

はい。サクセンダの使用を中止すると食欲が徐々に元に戻るため、体重も戻りやすくなります。

56週間サクセンダを使用した後プラセボに切り替えた試験では、12週間で2.91%体重の戻りが認められています16

サクセンダ使用中に食事療法や運動療法を併せて行い、痩せやすい習慣を作ることが必要です。

副作用などがないことを確認して、サクセンダを再開することは可能です。再開時には吐き気等の副作用が再度起こる可能性がありますので、医師の指示に従い、低用量から開始してください。

ラット及びマウスにおける2年間がん原性試験において、非致死性の甲状腺C細胞腫瘍が認められたとの報告があります。ヒトでのリスクは不明です5 6。また、臨床試験で甲状腺乳頭がん(0.2%)の報告があります7

すい臓がんのリスクについては、欧米で報告があり訴訟が起こっていますが23、リラグルチドと膵臓癌の因果関係を示す証拠はなく、膵臓がんリスクの増加とも関連していないとされています8 9 10。2020年1月現在、膵臓癌のリスクは、添付文書上にも記載がありません。

GLP-1受容体作動薬が乳癌と結腸癌で抗腫瘍効果を発揮することが報告されていますが11 12、実際のサクセンダの臨床試験では、癌になった症例が少なく、因果関係ははっきりしていないものの、プラセボと比較してサクセンダの方が乳癌と大腸新生物が多く認められています5 7 。

乳癌に関しては、プラセボ0.2%と比較して、サクセンダ治療を受けた2,379例のうち17例(0.7%)に報告されていますが、ほとんどの症例は最初の1年で診断されており、研究開始時にはすでに乳癌があった可能性が指摘されており(通常、原因物質は暴露直後に癌を発生させないことや、癌が検出可能になるまで期間がかかることから、両群間で不均衡性があった)、その後のリラグルチド(サクセンダの成分)と乳癌の発生率を調べた大規模なコホート試験では、乳癌との関連がないことが報告されています24

ケトアシドーシスは、1型糖尿病、もしくは2型糖尿病患者で、血糖値を下げるインスリンが不足し、糖をエネルギーとして利用できないため、かわりに脂肪を分解してエネルギー源にすることで起こります。

インスリン分泌が不足して高血糖、脱水となり、脂肪の分解によってケトン体が増えて血液が酸性に傾きます(アシドーシス)。

サクセンダと同じリラグルチド製剤の「ビクトーザ」で糖尿病性ケトアシドーシス発症の報告がありますが18、ケトアシドーシスは糖尿病でインスリン依存状態にある患者に起こるもので、糖尿病がない方がサクセンダを使用してケトアシドーシスを発症することはありません。

また、糖質制限ダイエット、ケトン体ダイエット、ケトジェニックダイエットなどで起こるケトン体の増加は、「ケトーシス」と呼ばれるものであり、生命の危険が及ぶ「ケトアシドーシス」とは異なりますで、心配いりません。

いいえ。サクセンダに中毒性はありません。

タキフィラキシーとは、薬剤の反復投与することにより、急速に効果を失うことです。交感神経作動薬にある現象ですが、GLP-1受容体作動薬でも起こる可能性が報告されています。

サクセンダの消化器への作用として腸管運動の抑制効果により悪心や嘔吐、便秘などの症状を起こしますが、タキフィラキシーが起こるとそれらの作用は無くなります。

サクセンダの脳細胞への作用として食欲抑制効果がありますが、大規模なRCTの結果からは、悪心・嘔吐が大部分の症例で改善するにもかかわらず、食欲抑制効果は持続しており2、食欲抑制効果に関してはタキフィラキシーが起こりにくいことが示唆されています。

サクセンダは副作用は減弱するのに対して、効果が持続しやすいという特徴を持つため、肥満治療薬として多くの患者さんに用いられています。

サクセンダで下痢や嘔吐が続く場合には、ワーファリンの吸収が悪くなる可能性がありますので、飲んでいる方は主治医にご相談ください。インスリンや他の糖尿病治療薬との併用で重篤な低血糖が報告されています。他の抗肥満薬やダイエットハーブとの安全性は確立していませんが、オルリスタット(ゼニカル)との相互作用はありません。

過度の飲酒は肝臓におけるグリコーゲン生成及び糖新生を抑制し、単独でも低血糖を引き起こします。サクセンダを使用中は、低血糖症状に注意して過度の飲酒を控えてください4

打ち忘れが12時間未満の場合…できるだけ早く打ち忘れた量を注射し、その次のサクセンダは通常通りの時刻に予定された量を注射してください。

打ち忘れが12時間以上の場合…パスして打たないでください。次の注射予定時刻に、前回(打ち忘れた回)の用量を注射してください。まとめて2回分を打たないようにしてください。

サクセンダを3日以上打ち忘れると、再開した際に吐き気などの副作用が起こりやすくなります。その場合、0.6mgから再開することをお勧めします。

未使用のサクセンダ を保管する場合は、凍結を避け、2~8℃に遮光して保存してください。冷蔵庫で保管してください。

使用開始後は室温(1~30℃)にて30日以内にご使用ください。冷蔵庫に保管しても問題ありません。

サクセンダは冷蔵便で当院へ届き、冷蔵庫で保管しています。処方時には保冷剤入りでお渡ししますので、未使用のサクセンダは、帰宅後、冷蔵庫への保管をお願いします。

当院では、デンマークのNovo Nordisk社製のサクセンダを処方しています。

サクセンダを航空機へ持ち込むことは可能です。

持ち込みに際して、国内線では診断書の提出は不要であることがほとんどですが、国際線では国によって基準が異なります。診断書が必要かどうかは、事前に航空会社に確認してください。必要な場合、日本語の診断書は3,300円(税込)、英文診断書は5,500円(税込)がかかりますのでご了承ください。

時差がある場合でも日本の注射予定時刻と同じ時間帯に打ってください。日本の注射予定時刻が、現地での就寝時刻に当たる場合は、就寝前か起床時にずらして打ち、帰国後は元の注射予定時刻へ戻してください。

いいえ。サクセンダは妊娠中、授乳中は使用できません。

安全性のデータがないため、当院では念のため、男女とも治療中は避妊を行い、妊活を開始する1ヶ月前には使用を中止していただいております。

いいえ。サクセンダの使用中、使用後に発生する注射針は医療廃棄物です。家庭ごみとして捨てないでください。当院でお渡しする「針捨て容器」に入れて当院に持参してください。

針を捨てる容器は、ペットボトルでは耐針性(針が突き抜けない仕様)が担保されていませんので、必ず針捨て容器をご利用ください。

サクセンダを打った際に、針を体内から抜く前に押しボタンを離してしまうと、カートリッジ内に血液が混入する可能性があります。

カートリッジ内の薬液が濁っている場合は、血液の混入が疑われます。そのまま使用を続けると薬液の汚染につながりますので、そのカートリッジは使用せず、新しいものに交換してください。

新品に交換の際は、有料となりますのでご了承ください。

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  24. Donnie Funch, (2018) “Is there an association between liraglutide use and female breast cancer in a real-world setting?” Diabetes Metab Syndr Obes. 2018; 11: 791–806. doi: 10.2147/DMSO.S171503 PMID: 30538516

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●高円寺院 TEL 03-5913-7435
月~土 10:30-13:30/15:30-18:30 休診:日 / 祝
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