室内や車内でも日焼け止めは使った方がいいの?

紫外線の種類

美容に大敵な紫外線の種類を簡単におさらいします。

地表で問題になるのはUV-BとUV-Aの2つです。 紫外線は波長が短いほど人体に有害であり、 波長が長いほど地表に多く届くという特徴があります。

  • UV-A…315nm~400nmの波長です。UV-Bよりも波長が長いため、地表に届く紫外線の95%がUV-Aです。肌にシミやシワ、たるみなどの光老化を引き起こします。
  • UV-B…280nm~315nmの波長です。地表に届く量は僅かですが、UV-Aよりも波長が短く、肌に強く作用します。屋外の日焼けでの肌の赤み・サンバーンは、主にUV-Bの影響です。結膜炎や皮膚癌を引き起こします。

室内で日焼け止めは必要?

室内には、どれくらいの紫外線が届くのでしょうか?

紫外線カット率

UV-Bは、住宅に使用されている3mmの厚さの窓ガラスで99%が遮断されるため、室内にはほとんど届きません [1, 4]。

UV-Aは波長が長いため、オゾン層や雲だけでなく、ガラスやカーテンもある程度通過します。

UV-Aは、1枚の窓ガラスで約30~40%、薄いカーテンで約30%、ミラーレースカーテンで約60%、UVカットのカーテンや2枚のペアガラスでは90%~99%以上カットされます。NIF基準のUVカットマークがついたカーテンは70%以上、紫外線は可視光線より短いため、遮光カーテンは当然UV-Aも99%以上遮断しています [1, 2, 3, 4]。

紫外線反射率

室内の真っ白な壁の紫外線反射率は20%~25%、フローリング(木材)の紫外線反射率は、せいぜい4~12%程度です [4]。

今回は、窓際から少し離れた位置にいて、ミラーレースカーテンを通して、太陽の光が入ってくる状況を想定します。

単純計算のため実際とは減衰率は異なりますが、屋外のUV-Aの量を100とすると、窓ガラスで70以下に減衰し、カーテンで30以下に減衰します。そして、室内の壁や床などの反射で6以下へ減衰し、さらに距離によってもっと減衰しますから、想定した状況では過度に気にしなくて良いレベルです。

窓際で直射日光を浴びているわけでなければ、室内で日焼け止めを使用する必要はありません。

車内で日焼け止めは必要?

それでは、車内ではどうでしょう?

下の写真は、トラックの運転手を28年間務めていた男性の写真です。海外で左ハンドルのため、顔の左半分に日光を長年浴びながら運転していました。顔の右半分と比較して、明らかに老化が進んでいます。

紫外線顔半分

出典 : estaticos02.cache.el-mundo.net 2016.08.19 アクセス (現在リンク切れ)

車の窓ガラスでUV-Aが40%カットされても、残りの60%はダイレクトに影響します。車内ではカーテンはなく、窓と顔との距離も近いため、日焼け対策は行った方が良いでしょう。

日焼け止めが基本となりますが、基本は家の中と車の中にだけしかおらず、外にはほとんど出ないという方は、わざわざ日焼け止めを塗りたくないという方もいるでしょう。

その場合は、車の窓ガラスに貼るUVカットフィルムがおすすめです。

後部座席のリアガラスには、暗い色の遮熱フィルムを貼っている方も多く、紫外線もほとんどカットできます。運転席の側面と全面のガラスはは道交法にて可視光線の透過率が70%以上と定められているので [5]、暗い色のフィルムは貼れません。サンシェードやカーテンも道交法で禁止されています。

そこで、可視光線だけ通して、紫外線をカットする透明に近いUVカットフィルムが販売されています。透明でもUVカット率は95%~99%と高く、日焼け止めを使用せずとも、十分に紫外線対策が可能です。

車を運転される方は、お近くのカー用品店に相談してみましょう。

日傘や洋服の下に日焼け止めは必要?

日傘にはUVカット素材が使われていますので、直接太陽光を遮断でき、紫外線対策としては非常に有効です。

アスファルトの紫外線反射率は10%程度にすぎないため [6]、長時間外出する場合や、紫外線に過敏な方、光の感受性を高める薬剤や治療を受けている方を除き、日焼け止めは必要ありません。

ただし、海外やスキー場でパラソルや日傘を用いていたとしても、砂浜の反射率は25%、新雪の反射率は80%のため、場合によっては日焼け対策が必要です。

ちなみに洋服の紫外線カット率は、繊維の太さ、素材、色で変化します。一般には白い綿素材の布は、UV-A、UV-Bともカット率は高くなく、色では黄色、素材ではポリエステルのもののほうが、 紫外線防護能は高くなります [7, 8, 9]。

白い綿素材の場合、UPF(紫外線防護係数)は5であり、UV-Aだけでなく、UV-Bもある程度透過してしまいます [9]。

10分程度のおでかけの際に、服の下にまで日焼け止めが必要とは言えませんが、夏場に薄い綿素材の白シャツを1枚だけ着て長時間外出する場合、日傘の併用、もしくは、日焼け止めをおすすめします。

執筆 医師:岩橋 陽介

参考文献・サイト

  1. 中島硝子工業株式会社 “ガラスは紫外線を防ぐ” https://www.ngci.co.jp/tech/tech_kn21.html 2019.04.04 アクセス
  2. 日本インテリアファブリックス協会 “UVカット(シアーカーテン及び布製ブラインド” http://www.nif.or.jp/mark/images/performance_07_2018.pdf 2019.04.04 アクセス
  3. 日本インテリアファブリックス協会 “遮光(カーテン)”
    http://www.nif.or.jp/mark/images/performance_01_2013.pdf 2019.04.04 アクセス
  4. 川西 利昌, (1999) “建築材料の紫外帯域反射 ・透過率に関する基礎的研究” 日本建築学会計画系論文集 第525号, 21-26
  5. 国土交通省 “道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2010.3.29】〈第三節〉第 195 条(窓ガラス)” http://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokukokuji/saikoku_195_00.pdf 2019.04.05 アクセス
  6. 気象庁 “地表面の反射と紫外線” https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-76uvindex_mini.html 2019.04.05 アクセス
  7. 美馬 朋子, (1999) “染色布の紫外線遮蔽性能に関する研究(第1報)” 繊維製品消費科学 Journal of the Japan Reseach Association for textile end-uses Vol.41, pp.342 – 351, 2000
  8. 塩原 みゆき, (2011) “綿、ポリエステル布による紫外線防御” 共立女子大学家政学部紀要 57巻 23-29
  9. 美馬 朋子, (2006) “繊維製品の染色による紫外線遮蔽効果” 繊維製品消費科学 Journal of the Japan Reseach Association for textile end-uses Vol.47, pp.360 – 365, 2006

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