サリチル酸マクロゴールピーリング– Salicylic Acid Macrogol Peeling –

酸性のクリームを肌に塗り、古い角質を溶かして新しい肌を新生させる治療です。美白やコメド予防、ニキビ跡の赤い色素沈着の治療目的に行います。

経皮吸収が少なく、ダウンタイムや副作用が少なく、敏感肌や乾燥肌の方でも使える安全なピーリング剤です。

同濃度のグリコール酸と比較して、ムラなくきれいに角質を剥がせることが特徴です。

サリチル酸マクロゴールピーリング 30% 40%
内容量 / 1.65g ※顔1回分の容量
価格 / 院内施術 7,480円 / 自宅処方 4,378円 / 自宅処方6回分 21,780円 ※体は面積による
使い方 / 説明用紙をご覧ください。
使用期限 / 要冷蔵 処方日より6ヶ月 ※冷蔵庫保存でお早めにお使いください。
有効成分 / サリチル酸マクロゴール30% 40%

サリチル酸マクロゴールピーリングの効果と特徴

  1. 痛みや赤みが少なく、ダウンタイムがほぼない
  2. サリチル酸の体内への吸収がほぼなく安全
  3. 毛包漏斗部を含めた角層を全て剥がし、規則正しい新しい角層が誕生
  4. ニキビの新生を減らす
  5. 毛穴の黒ずみを改善
  6. ニキビの元(コメド、毛孔閉塞)を除去
  7. 真皮のコラーゲン生成を促し、しわを改善
  8. ニキビ跡の色素沈着、赤みを改善(凹みには効果は期待できません)

症例写真

17歳から顔、背中、胸のニキビに悩まされており、保険治療やピルによる治療を他院で受けていたが改善せず当院へ来院。イソトレチノイン20mgで6ヶ月治療後、ピーリングを4回行った。

ピーリングの流れ

手順
洗顔・メイク落とし

お化粧を落としてご来院して頂くとスムーズです。体のピーリングでは、当日の朝にシャワーを浴びてからご来院ください。

院内で洗顔・メイク落としをご希望の方は、10分前にご来院ください。お顔にスキンケア剤が付いている場合、軽く水ですすぎ、水分をよくふき取っていただきます。

手順
ピーリング

ピーリング剤をお顔や体へ塗りこみます。多少ピリピリとした刺激を感じますが、強い痛みや赤みがなければ問題ありません。

塗布後、お顔は5分、体は10分間置きます。その後、お顔の場合は水で洗顔、体の場合は冷やしたタオルで拭き取ります。ピーリング剤が肌に残らないようにします。

手順
保湿と紫外線対策

ピーリング後は、高保湿のクリームをたっぷりつけて保湿してください。当日のメイクも可能ですが、角質がはがれた状態ですので、軽めのメイクにしてください。

当日に日焼け止めを付けても問題ありませんが、日傘や帽子などで紫外線対策をしていただいた方が肌に負担になりません。ピーリングから2週間は特に日焼けに注意してください。

  1. ピーリング後は、EGホワイトローションEGホワイトクリームでの保湿をお勧めします。
  2. 紫外線対策には、ノンケミカルでSPF50のメイクアップUVベースをお勧めしています。
  3. ピーリング後の洗顔、入浴等は通常通りで構いません。肌をこすらないようにしてください。

治療期間と間隔

4週間毎に1回の頻度で、平均8回で終了します。皮脂が多く、角栓が詰まりやすい方は、1~2ヶ月に1回、メンテナンスとして続けていただいても構いません。

高濃度のピーリング剤ですので、施術の間隔は4週間以上空けてください。

ピーリングを受けることができない方

  1. アスピリン、バファリン、サリチル酸でアレルギーや喘息が出たことがある方
  2. 日光浴愛好者、日光に当たる職業の方
  3. 妊娠中や授乳中の方

副作用

サリチル酸マクロゴールピーリングは、自費診療となり国内未承認の薬剤です。ダウンタイムはほとんどなく、副作用は非常に稀ですが、肌質や体質により起こりうる可能性のある副作用について以下に記載します。異常があった場合には医師にご相談ください。

  • 皮膚の乾燥、刺激、赤み、かぶれ、皮剥け、痒み、水疱、腫れ、かさぶた、反応性ニキビ、色素沈着
  • 過去に当院で一例もおりませんが、理論上、どのような薬剤、成分でも体質によって重篤なアレルギー(アナフィラキシー:全身性の発疹、皮膚・唇・舌の腫れ、呼吸困難、動悸、血圧低下、意識障害など)が起こる可能性があります。

サリチル酸マクロゴールピーリングのよくある質問

ピーリングについて詳しく教えてください。

ピーリングとは、酸性の薬剤で皮膚の表皮や真皮を溶かして取り除き、肌を再生させる治療です。ピーリングの種類には、以下のものがあります。

深さによる分類

浅いピーリング中等度のピーリング.深いピーリング
20%〜30% グリコール酸
20%〜30% サリチル酸
10%〜20% TCA
40%〜70% グリコール酸
30%〜50% TCA
60%~ TCA, フェノール
ベーカーゴードン液

薬剤による分類

1.グリコール酸
AHA(フルーツ酸)のひとつ。他のフルーツ酸には、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸があります。安価でエステやホームピーリング剤として利用されています。角栓融解作用、抗炎症作用、抗脂腺作用、真皮コラーゲン増生作用がある反面、皮膚刺激性が強いことが欠点です。

2.サリチル酸エタノール
グリコール酸と同じ作用を持ち、同濃度ではグリコール酸よりも効果は高いのですが、ピーリング後の刺激、炎症、色素沈着は、グリコール酸より強く現れやすいことが欠点です。最近はほとんど使われていません。

3.サリチル酸マクロゴール
マクロゴールを基材に使用することで、サリチル酸の欠点であったピーリング後の刺激、炎症、色素沈着が激減し、効果も変わらないという特徴を持っています。グリコール酸との比較で、発赤、紅斑、色素沈着、刺激は格段に少なく、角質除去効果は有意に優れています。

4.TCA
トリクロロ酢酸。非常に強い酸で、皮膚の真皮まで浸透します。30%以上の濃度で、深いニキビ跡の治療に使用されます。アイスピック型のニキビ跡に高濃度のTCAをピンポイントで塗布するピーリングは、TCA CROSSピーリングと呼ばれています。CROSSは、Chemical Reconstruction Of Skin Scarsの略で、薬剤の化学的な力でニキビ跡を再構築するという意味です。高濃度では、ピーリング後の炎症、発赤、色素沈着が数ヶ月以上に及ぶことがあります。

30%と40%のどちらの濃度がおすすめですか?

初回の方や肌が弱い方は30%から開始します。慣れてきたら40%濃度に上げるのがおすすめです。

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参考文献・サイト一覧
  1. Ueda S, (2002) “New formulation of chemical peeling agent: 30% salicylic acid in polyethylene glycol. Absorption and distribution of 14C-salicylic acid in polyethylene glycol applied topically to skin of hairless mice.” J Dermatol Sci. 2002 Apr;28(3):211-8. DOI: 10.1016/s0923-1811(01)00168-2 PMID: 11912008
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