薄毛治療

目次

肌のクリニックの薄毛治療-Details-

薄毛治療の問題について

AGA治療専門のクリニックから、多くの方が当院へ転院してきます。患者さんから話を聞くと、不満点は大きく分けて次の3つに集約されます。

  • 医師の対応
  • 無資格カウンセラー
  • 高額なコース料金
1.医師の対応

患者さんがクリニックへ行くと、医師ではなくスタッフからの説明だけだったり、診察室で医師に質問しても全く頓珍漢な回答が返ってきたりするケースがあるようです。そのようなクリニックでは、アルバイト医師が単に薬の処方のみを行っているケースがあり、実際に、毎年多くのAGAクリニック医師のバイト求人を見ます。

2.無資格カウンセラー

医療資格を持たないカウンセラーが常駐しており、治療内容の説明や治療コースの契約を勧めてくるケースがあるようです。カウンセラーがマイクロスコープで頭皮を見て診断をするケースまであり、違法な無資格診療です。

マイクロスコープについては、よくある質問の「マイクロスコープ診断は必要ですか?」もご参照ください。

3.高額なコース料金

AGAは自費診療のため、病院間によって価格にバラツキがあるのは仕方ありません。しかし、 「月に3000円~」 「カウンセリング無料」と広告を打ち、実際にクリニックに行くと、カウンセリングで高額なコース契約を組まされるといった問題が後を絶ちません。

AGA治療薬だけでなく、不必要な育毛メソセラピー(頭皮への注射や電気パルス)やサプリメントを勧められ、年間50万円以上のコースを組まされるなどの例は、枚挙にいとまがありません。

育毛メソセラピーについては、よくある質問の「育毛メソセラピーや頭皮注射は必要ですか?」もご参照ください。

肌のクリニックのAGA治療

患者さんの希望に沿った治療

薄毛がどれくらい気になるのかについては、感じ方に個人差があります。進行度が高くても治療を希望しない方もいれば、進行を止められれば良い方、しっかりと生やしたい方など人それぞれです。

不安を煽って治療を急かすこともありません。

医師による説明

当院ではAGAカウンセラーはおらず、診察、薬剤選定、副作用説明などを含め、すべて医師が行っております。

また、メリットだけでなく、副作用やリスクなどのデメリットもしっかりと説明しています。AGA治療薬は比較的安全性が高い薬ですが、稀に重篤な副作用が起こるケースもあります。正しい情報開示を徹底し、できる限り副作用を未然に防止するように努めています。

適正料金での治療

当院はHP上にすべて料金を開示しています。高額なコース契約や不必要なメソセラピーを勧めることはありません。

薄毛治療全般の質問

AGA治療に保険は効きますか?

いいえ。AGA治療はすべて自費診療となります。

治療の実績を教えてください

実際に使用する薬剤によって異なりますが、約1年間での進行抑制(脱毛が進まないレベル)、軽度改善、顕著な改善を含めると98%以上の方に有効です。

育毛剤や育毛サロンで薄毛は治りますか?

いいえ。インターネットで販売されている育毛剤は、化粧品、薬用、医薬部外品にかかわらず、医薬品レベルの発毛効果・脱毛抑制効果が認められているものはありません(ミノキシジル外用を除く)。

それにも拘わらず、ネットには医学的根拠のない育毛剤や医薬部外品を多数目にします。

薬機法違反の詐欺広告の例
  • 卵からできた新成分が毛髪を成長させる
  • ミノキシジルの5倍の発毛力
  • 99%の方が発毛を実感
  • 権威ある医学論文に掲載され効果実証済み

困ったことに、上場企業がこのような詐欺広告を行っています。消費者を装って、「私の髪が生えた!」と嘘の効果効能を宣伝するというステマやアフィリも横行しているので、決して騙されないようにご注意ください。

また、アデランスやリーブ21などの育毛サロンは医療機関ではないため、AGA治療という医療行為を行うことができません。AGA治療薬が広まる以前には、多額の売り上げをあげていた企業も、現在では急速に縮小しています。

治療をやめると元に戻りますか?

はい。AGA治療は、治療を中止すると残念ながら元に戻ります。現在、世界中で使用されているAGA治療薬の中で、中止後も効果が持続する薬は存在しません。

私の薄毛の原因は本当にAGAでしょうか?

脱毛パターンや病歴などにより診察時に判断いたします。

男性の場合、思春期以降から髪が抜け始め、頭頂部や額の生え際から進行する薄毛は、そのほとんどがAGA(男性型脱毛症)です。特に、両親や兄弟、祖父母に髪の薄い人がいる場合は、より確実性が高くなります。

ただし、ご家族に薄毛の方がいないケースでも脱毛している部位によって、AGAという診断が下されるケースも多数あります。

AGA以外にも、ストレスや疲労、過度なダイエットや睡眠不足などが原因であるケースもあります。抗がん剤やステロイド剤による薬剤性脱毛症、甲状腺疾患やクッシング症候群などのホルモン異常による脱毛症、内臓疾患による脱毛症もあります。

私の薄毛は治りますか?

100%必ず良くなるとは言えないものの、フィナステリドやデュタステリドでは98%の有効率が証明されています。ただし、その中には、「現状維持(進行しない)」という割合も含まれています。

重症度が高く、ほとんど毛根が残っていない方では効果を得られないケースもあります。また、薬の効果があってもそれ以上にAGAが進行してしまうケースもあります。

無料カウンセリングはありますか?

いいえ。

当院ではすべての患者さんに対して医師が診察対応しており、無料カウンセリングを設けておりません。

マイクロスコープ診断は必要ですか?

マイクロスコープによる診断は、AGA治療に必要ありません。マイクロスコープで見ること自体は、患者さんに何も害を与えませんから、受けることに問題ありません。

しかし、マイクロスコープ検査を無資格カウンセラーに行わせ、不必要な治療への誘導手段としているケースがあります。検査を受けた後に以下のように言われたことはありませんか?

  • 「毛穴が詰まっていますね。抜け毛の原因になるので、こちらのシャンプーをおすすめします。」
    • →毛穴汚れと抜け毛は直接関係がありません。またシャンプーで汚れを落としても抜け毛は減りません。抜け毛が改善作用があるシャンプーはケトコナゾール2%配合のもののみで、クリニックオリジナルや市販のシャンプーに効果はありません。
  • 「頭皮が剥がれてフケが多いですね。ビタミンやアミノ酸類が不足しているので、このサプリをおすすめします。」
    • →頭皮の状態でビタミンや栄養不足を判断するのはナンセンス。また、サプリでAGAを改善させることはできません。
  • 「細い毛が沢山ありますから、髪を太く丈夫にするために、育毛メソセラピーを月に2回受けましょう。」
    • 育毛メソセラピーにはエビデンスがなく、おすすめできません。
  • 「ぱっと見は大丈夫ですが、マイクロスコープでは退行期の毛が沢山見えます。早めに治療をしないと進行しますよ。」
    • →外見上の問題がなければ、AGAの初期段階であったとしても進行度は顕著ではありません。円形脱毛症のように急速に進行することはありませんから、半年毎に自分で写真を撮って、明らかに進行していれば治療を考えましょう。

マイクロスコープは、あくまで皮膚表面を見ているだけで、情報量は限らます。AGAは遺伝的素因によって起こるため、治療方針を決めるのは視診だけで必要十分であり、マイクロスコープが治療方針を左右することはありません。

ダーマスコピー(拡大鏡)で見れば数秒で終わるものにわざわざ時間をかけて検査する理由が、患者さんのためであればよいのですが、そうでない場合は注意が必要です。

副作用のない薬で治療を受けられますか?

副作用がまったくない治療薬は存在しませんが、AGAは長期に渡って治療が必要な疾患ですので、できるだけ安全性の高い治療から選択していくことは可能です。

また、十分に治療効果が得られた段階で、薬の用量を落としたり、薬の種類をより弱いものへ変更したりすることもできます。ただし、薬の効果が下がるため、抜け毛は増える可能性が高くなります。

AGAは外見上の問題であり、健康上のリスクはありませんから、どのレベルの治療をどこまで受けるのかは、最終的には患者さん本人に決めていただく必要があります。

治療期間と通院頻度を教えてください

ご希望がない場合、標準治療、強力治療とも、初診時は2ヶ月分のお薬をお出しします。その後は、4ヶ月分のお薬を処方し、6ヶ月目に写真撮影をして効果を判定します。

ご不安な方は1ヶ月毎にご来院していただいても構いませんし、お忙しい方は最大6ヶ月分までまとめてお薬を処方することも可能です。再診の方は、遠隔診療もご利用いただけますので、診察時にご相談ください。

AGA治療は、止めると元に戻ってしまうため、ご自分が気にならなくなる年齢まで飲んでいただくというのが、治療期間の一つの目安です。

AGAの遺伝子検査は必要ですか?

AGA遺伝子検査で「AGAリスクが低い」という結果でも、AGAを否定する根拠にはならないことから、検査精度を考えると、現段階では必要と考えておりません。

子作り中に治療を受けることは可能ですか?

フィナステリド、デュタステリドについては、男性の妊活中で胎児に影響を与えるという明らかなエビデンスはありません。

副作用の中に、精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)が報告されているため、当院では「念のため」、フィナステリドは妊活の1ヶ月前、デュタステリドは6ヶ月前に中止していただいています。また、ミノキシジルタブレットも念の為1ヶ月前に中止して頂いております。

外用薬であるミノキシジルローションとニナゾルシャンプーは、男性は妊活中にご使用いただいても問題ありません(女性は妊娠中は避けていただいています)。

育毛メソセラピーや頭皮注射は必要ですか?

育毛メソセラピーや、電気パルスによる頭皮薬剤導入、頭皮注射などを勧められるケースがありますが、以下の理由で必要ありません。「メソセラピー」というのは、細かく注射をして薬液を導入する治療の総称で、外用剤(塗り薬)とは異なります。

効果が不明確

育毛メソセラピーには発毛効果のエビデンスがありません。使用される薬剤は施設によってバラバラで、確たる効果に乏しいのが実情です。導入薬剤には下記のものが使用されています。

メソセラピーで使用されている薬剤
  1. スペイン・メソライン社製の「MESOLINE HAIR(メソラインヘアー)」
  2. アメリカのBenev(ベネブ)社製の「Benev(ベネブ)」
  3. 韓国Prostemics社が製造しているヒト脂肪幹細胞培養上清に、米Finningan Pharma社製の育毛剤であるmesoHAIRを混ぜ合わせて作った「HARG(ハーグ)」
  4. 化粧品会社製造の「FGF7(ヒトオリゴペプチド-5)」
  5. 「リジュラン」や「ヌクレフォフィル」などの核酸注射
  6. 「ミノキシジル」や「フィナステリド」などの溶液
  7. 成長因子・再生因子にビタミン、ミネラルを混ぜたもの

この中で、効果が期待できるのはミノキシジルですが、ミノキシジルの半減期は数時間と短く、直接頭皮に注射してもすぐに代謝されて無くなってしまいます。2週間に一度、高額な金額を払って注射するよりも、1日2回塗布した方が効果的です。

また、エレクトロポレーション等の電気パルスによる薬剤導入効果は低く、特に硬い頭皮には効果的ではありません。

AGA治療薬の効果でごまかされる

育毛メソセラピーを行っているほぼ全例の患者さんに、フィナステリドやミノキシジルといったAGA治療薬が処方されています。これは、育毛メソセラピー単独での効果がないからに他なりません。

「育毛メソセラピーを月に1回ずつ合計6回施術して、フィナステリドでその効果を維持していきましょう。」と勧められるケースもあります。しかし、最初の6ヶ月は薬の効果を最も実感する時期なので、育毛メソセラピーの効果ではありません。

効果が持続しない

育毛メソセラピーは、一部の方に効果がある可能性もあります。しかし、有効性は誇大に広告されているよりもずっと低く、効果が持続したという方は一人も診たことがありません。にもかかわらず、「生えたら一生もの」と説明を受けているケースもあり、悪質です。

抱き合わせ商法

育毛メソセラピーの1回の施術料金は数万円~10万円に設定されています。多くの方にとって、生涯継続可能な値段ではありません。

本来はAGA治療薬のみで十分なところを、カウンセラーや医師から「育毛メソセラピーが一番大切な治療です。これを組み込むことで効果がグンと上がりますよ。」などと虚偽の説明を受け、数十万円から100万円を超える高額なローンを組ませた話も聞きます。

効果やリスクについて正しい情報があったうえで、育毛メソセラピーを選択するのは自由です。しかし、実際には医療者側から正しい説明がなされているのか、甚だ疑問に感じます。


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