ブリモニジンゲル0.33%(ミルバソゲルジェネリック)– Brimonidine gel 0.33% –

ブリモニジンゲル0.33%は、酒さによる顔の赤み(紅斑)を速やかに改善する外用薬です。α2アドレナリン受容体作動薬として、皮膚の血管を収縮させることで赤みを軽減します。

外気温の変化、緊張、飲酒などによる一過性の紅潮にも効果があり、30分以内の即効性がある点が特長です。欧米では「ミルバソゲル(Mirvaso)」という商品名で広く使用されています。

ブリモニジンゲル 15g 4,950円(税込)
内容量 / 15g
使い方 / 1日1回、朝に洗顔後、スキンケアの前に患部に薄く塗布してください。
使用期限 / 未開封:表記通り 開封後:3ヶ月 ※直射日光や高温多湿な場所を避けて保管してください。
有効成分 / ブリモニジン酒石酸塩0.33%

ブリモニジンゲル0.33%|酒さによる赤みを速やかに改善

ブリモニジンゲル0.33%(ミルバソゲル)は、2013年8月にFDA(米国食品医薬品局)によって承認された、酒さの顔面紅斑に対する世界初の外用治療薬です。有効成分のブリモニジン酒石酸塩は、高選択性α2アドレナリン受容体作動薬として、血管収縮作用により酒さの特徴的な赤みを効果的に改善します。

▶酒さ治療について詳しくは:酒さ・赤ら顔の治療

ミルバソゲル(Mirvaso)について: ブリモニジンゲルは、欧米では「ミルバソゲル」として広く知られています。当院で処方するブリモニジンゲルは、ミルバソゲルと同一有効成分・同一濃度のジェネリック医薬品です。

ブリモニジンの酒さに対する効果

臨床試験では、ブリモニジンゲル0.33%の優れた有効性が確認されています。2つの第III相臨床試験(553名の患者を対象)において、初回塗布から30分以内に効果が現れ、最大効果は塗布後3~6時間で得られることが報告されています。

効果の持続時間は最大12時間で、1日1回の使用により、中等度から重度の酒さによる顔面紅斑に対して有意な改善が認められました。プラセボ(無効薬)と比較して、医師による紅斑評価および患者自己評価の両方で統計学的に有意な改善が確認されています。

作用機序と即効性

ブリモニジンは高選択性α2アドレナリン受容体作動薬として、皮膚の血管に直接作用します。酒さでは顔面の血管が異常に拡張することで特徴的な赤みが生じますが、ブリモニジンは小動脈と静脈の両方を収縮させることで、血管拡張と浮腫を軽減し、赤みを改善します。

注意事項: ブリモニジンゲルは症状を改善する対症療法であり、酒さの根本的な治療薬ではありません。使用を中止すると元の状態に戻ります。

ブリモニジンゲルの使用方法

項目内容
使用頻度1日1回(朝の洗顔後、スキンケアの前に使用)
使用量顔の5箇所(額・鼻・両頬・あご)に小豆大ずつ
ごく薄く均等に塗布
塗布方法指先で薄く優しく均等にのばす。擦らずに優しく塗布。
注意点目、唇、鼻の中、粘膜部分には塗らないよう注意
最初の1週間は少量から開始して肌を徐々に慣れさせる
効果発現時期塗布後30分以内に効果が現れ、3~6時間で最大効果
効果の持続は約8時間(最大12時間)

安全性と副作用

ブリモニジンゲルは、1年間の長期使用試験において良好な安全性プロファイルが確認されています。最も一般的な副作用は紅斑、ほてり、皮膚灼熱感、接触皮膚炎で、これらは軽度で一過性であることが多いとされています。

副作用の発生率は使用開始時(1~3ヶ月)に最も高く(41.9%)、長期使用により徐々に減少することが報告されています(10~12ヶ月で19.5%)。

リバウンド現象について: 一部の患者で、効果が切れる際(塗布後8~12時間)に、一時的にベースラインより強い赤みが生じることがあります。これは6~12時間以内に自然に改善しますが、気になる場合は医師にご相談ください。

以下の方はブリモニジンゲルを使用できない可能性があります 。

  • ブリモニジンまたは製剤成分にアレルギーのある方
  • 妊娠中および授乳中の方
  • 重度の心血管・脳血管疾患をお持ちの方
  • 強皮症・うつ病・レイノー現象をお持ちの方
  • 18歳未満の方(医師にご相談ください)

※小児の手の届かない場所に保管してください。誤飲により重篤な副作用が報告されています。

ブリモニジンゲル・ミルバソゲルのよくある質問

ブリモニジンゲルとミルバソゲル(Mirvaso)の効果に違いはありますか?

効果に違いはありません。どちらもブリモニジン酒石酸塩0.33%が有効成分です。ミルバソゲルは先発薬、当院のブリモニジンゲルはジェネリック薬で、同一成分・同一効果です。

どれくらいで効果が現れますか?

塗布後30分以内に効果が現れ、3~6時間で最大効果に達します。効果は最大12時間持続するため、朝の使用で夕方まで赤みを抑えられます。

副作用が心配です。安全に使用するにはどうすればよいですか?

最初の1週間は少量から開始し、皮膚の反応を確認してから徐々に適量まで増量することをお勧めします。発赤の悪化などの症状は初期に多いことが報告されており、肌を慣れさせていく必要があります。副作用の多くは軽度で一過性ですが、強い刺激や持続する赤みが生じた場合は使用を中止し、医師にご相談ください。

長期使用は安全ですか?リバウンドはありませんか?

1年間の長期使用試験で安全性が確認されており、継続使用に問題はありません。一部の患者で効果が切れる際に一時的なリバウンド様の赤みが生じることがありますが、これは6~12時間以内に自然に改善します。従来定義されるリバウンド(使用中止後の症状悪化)は臨床試験では認められていません。

連日使用で効果が弱くなりませんか?耐性はできませんか?

ブリモニジンゲルは高選択性α2アドレナリン受容体作動薬であり、従来の血管収縮薬(α1作動薬)と異なる作用機序を持ち、耐性ができにくい薬剤として知られています。

連日使用により皮膚が慣れてリバウンド現象が起こりにくくなることも報告されています。

他の酒さ治療薬と併用できますか?

併用可能です。他の酒さ治療薬と併用する場合の推奨順序は以下の通りです。

  1. ブリモニジンゲル
  2. ロゼックスゲル
  3. アゼライン酸
  4. イベルメクチンクリーム
  5. 各種スキンケア(保湿など)
ニキビがあっても使用できますか?

基本的には使用して問題ありません。酒さとニキビは合併することが多く、ブリモニジンの血管収縮作用により両方の赤みに効果的です。ただし、炎症の強いニキビがある場合は、刺激やかぶれの原因になる可能性があるため、ご使用をお控えください。

1日2回使用してもよいですか?

承認用法は1日1回ですが、夜のお出かけなど特別な場合のご相談に応じています。副作用リスクがあるため、診察時に医師にご相談ください。

参考文献・サイト一覧
  1. Moore A, Kempers S, Murakawa G, Weiss J, Tauscher A, Swinyer L, Liu H, Leoni M. Long-term safety and efficacy of once-daily topical brimonidine tartrate gel 0.5% for the treatment of moderate to severe facial erythema of rosacea: results of a 1-year open-label study. J Drugs Dermatol. 2014 Jan;13(1):56-61. PMID: 24385120.
  2. Jackson JM, Knuckles M, Minni JP, Johnson SM, Belasco KT. The role of brimonidine tartrate gel in the treatment of rosacea. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2015 Oct 23;8:529-38. doi: 10.2147/CCID.S58920. PMID: 26566370; PMCID: PMC4627400.
  3. Fowler J, Jarratt M, Moore A, Meadows K, Pollack A, Steinhoff M, Liu Y, Leoni M; Brimonidine Phase II Study Group. Once-daily topical brimonidine tartrate gel 0·5% is a novel treatment for moderate to severe facial erythema of rosacea: results of two multicentre, randomized and vehicle-controlled studies. Br J Dermatol. 2012 Mar;166(3):633-41. doi: 10.1111/j.1365-2133.2011.10716.x. PMID: 22050040; PMCID: PMC3711536.
  4. Holmes AD, Waite KA, Chen MC, Palaniswamy K, Wiser TH, Draelos ZD, Rafal ES, Werschler WP, Harvey AE. Dermatological Adverse Events Associated with Topical Brimonidine Gel 0.33% in Subjects with Erythema of Rosacea: A Retrospective Review of Clinical Studies. J Clin Aesthet Dermatol. 2015 Aug;8(8):29-35. PMID: 26345379; PMCID: PMC4557848.
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  6. UK Drug Safety Update. Brimonidine gel (Mirvaso): risk of exacerbation of rosacea. November 2016.
  7. Routt ET, Levitt JO. Rebound erythema and burning sensation from a new topical brimonidine tartrate gel 0.33%. J Am Acad Dermatol. 2014 Feb;70(2):e37-8. doi: 10.1016/j.jaad.2013.10.054. PMID: 24438976.

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