ブリモニジン点眼液0.1%は、眼型酒さによる目の充血や違和感に対して速やかに効果を発揮する点眼薬です。α2アドレナリン受容体作動薬として、目の血管を収縮させることで充血を軽減します。
先発品は「アイファガン」として知られ、緑内障治療薬です。市販薬では目の充血を除去する「マイティアルミファイ」に低濃度で同じ有効成分が配合されています。酒さによる目の症状に対しては適応外処方となります。
ブリモニジン点眼液 0.1%(5mL)1,980円(税込) |
内容量 / 5mL |
使い方 / 1日2回まで、片目に1滴ずつ点眼。点眼後は目頭を軽く押さえて1分間閉眼。 |
使用期限 / 未開封:表記通り 開封後:1ヶ月 ※直射日光や高温多湿な場所を避けて保管してください。 |
有効成分 / ブリモニジン酒石酸塩0.1% |
ブリモニジン点眼液0.1%|眼型酒さの目の充血を抑える点眼薬
ブリモニジン点眼液0.1%は、眼型酒さ(オキュラーロザセア)による目の充血・違和感を効果的に改善する点眼薬です。有効成分のブリモニジン酒石酸塩は、高選択性α2アドレナリン受容体作動薬として、目の血管収縮作用により充血を速やかに軽減します。
▶酒さ治療について詳しくは:酒さ・赤ら顔の治療
アイファガン(Alphagan)について: ブリモニジン点眼液は、先発薬「アイファガン」として緑内障治療に広く使用されています。当院で処方するブリモニジン点眼液は、アイファガンと同一成分・同一濃度のジェネリック医薬品です。酒さに対しては適応外処方となり、医薬品被害救済制度の対象外です。
眼型酒さに対する効果
眼型酒さは酒さの眼症状で、目の充血、乾燥感、異物感、まぶたの腫れなどが特徴です。ブリモニジン点眼液は、点眼後数分以内に効果が現れ、目の充血を速やかに改善します。
作用機序
ブリモニジンは高選択性α2アドレナリン受容体作動薬として、目の血管に直接作用します。眼型酒さでは結膜血管が拡張することで充血が生じますが、ブリモニジンは結膜血管を選択的に収縮させることで、充血を効果的に改善します。
注意事項: ブリモニジン点眼液は症状を改善する対症療法であり、眼型酒さの根本治療ではありません。症状を抑えるには、継続的な管理が必要です。
ブリモニジン点眼液の使用方法
項目 | 内容 |
---|---|
使用頻度 | 1日2回まで(朝・夕など必要に応じて) |
使用量 | 片目に1滴ずつ点眼 |
点眼方法 | 下まぶたを軽く引き、容器の先端が目に触れないよう注意して点眼 点眼後は目頭を軽く押さえて1分間閉眼 |
注意点 | 容器の先端を目や手で触れないよう注意 他の点眼薬と併用する場合は5分間隔をあける |
効果発現時期 | 点眼後数分以内に効果が現れ、約6~8時間持続 |
安全性と副作用
ブリモニジン点眼液は、緑内障治療薬として長期間使用されており、比較的安全性が高いお薬です。最も一般的な副作用は点眼時の軽度な刺激感で、これは一過性であることが多いとされています。
※使用開始時は問題がなくても、数ヶ月から1年程度経過してから遅発性のアレルギー反応(結膜炎、眼瞼炎、目の周りの発赤やかゆみ)が生じる可能性があります。症状が現れた場合は直ちに使用を中止してください。
主な副作用:
結膜炎、角膜炎、眼瞼炎、接触皮膚炎、かゆみ、赤み、充血(リバウンド現象)、異常感
重篤な副作用:
非常に稀ですが、角膜混濁が報告されています。
その他の副作用:
眠気、めまい、目のかすみなどが起こった場合、自動車・バイクの運転など危険を伴う機械の操作はしないでください。
眼科受診について: 当院は皮膚科のため、6ヶ月に1回は眼科専門医による定期検査を受けてください。
以下の方はブリモニジン点眼液を使用できない可能性があります。
- ブリモニジンまたは製剤成分にアレルギーのある方
- 妊娠中・授乳中の方
- 重度の心血管・脳血管疾患をお持ちの方
- 起立性低血圧をお持ちの方
- 2歳未満の小児(禁忌)
- 14歳未満の小児(注意)
ブリモニジン点眼液・アイファガンのよくある質問
- ブリモニジン点眼液とアイファガン(Alphagan)の効果に違いはありますか?
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効果に違いはありません。どちらもブリモニジン酒石酸塩0.1%が有効成分です。アイファガンは先発薬、当院のブリモニジン点眼液はジェネリック薬で、同一有効成分・同一効果です。
- どれくらいで効果が現れますか?
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点眼後数分以内に効果が現れ始めます。効果は約6~8時間持続するため、1日1~2回の使用で充血をコントロールできます。
- 副作用が心配です。安全に使用するにはどうすればよいですか?
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最初の1週間は少量から開始し、皮膚の反応を確認してから徐々に適量まで増量することをお勧めします。発赤の悪化などの症状は初期に多いことが報告されており、肌を慣れさせていく必要があります。副作用の多くは軽度で一過性ですが、強い刺激や持続する赤みが生じた場合は使用を中止し、医師にご相談ください。
- 長期使用は安全ですか?
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ブリモニジン点眼液は緑内障治療薬として長期使用の安全性が確立されています。眼型酒さの症状管理のための継続使用も安全ですが、非常に稀に角膜混濁等の副作用が報告されていますので、定期的な眼科診察を受けてください。
- 耐性ができて効きにくくなりませんか?
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ブリモニジン点眼液は耐性ができにくい薬剤として知られています。
従来の血管収縮薬(例:鼻詰まりの点鼻薬)はα1受容体に作用するため、長期使用すると耐性ができて効果が弱くなってしまいます。
一方、ブリモニジン点眼液はα2受容体に作用する薬剤で、作用する仕組みが根本的に異なるため、長期使用でも効果が持続しやすいという特徴があります。
実際に緑内障治療では何年も継続使用されており、長期使用での安全性と効果の持続性が確認されています。
- マイティアルミファイとの違いは何ですか?
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どちらも同じ有効成分(ブリモニジン)ですが、濃度が異なります。市販薬のマイティアルミファイは0.01%、処方薬は0.1%です。
- 他の点眼薬と併用できますか?
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基本的に併用可能です。ただし、点眼の間隔を5分以上あける必要があります。他の点眼薬を使用中の場合は、使用順序や間隔について眼科医師にご相談ください。
- コンタクトレンズをしていても使用できますか?
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ソフトコンタクトレンズは一旦外してから点眼し、15分以上経ってから装用してください。ハードコンタクトレンズの場合は、そのまま点眼可能です。
- 眠気や疲労感が起こることはありますか?
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点眼薬でも全身に吸収される可能性があり、軽度の眠気や疲労感が生じることがあります。運転前の使用は注意し、症状が強い場合は医師にご相談ください。
参考文献・サイト一覧
- Schuman JS, Horwitz B, Choplin NT, David R, Albracht D, Chen K. A 1-year study of brimonidine twice daily in glaucoma and ocular hypertension. A controlled, randomized, multicenter clinical trial. Chronic Brimonidine Study Group. Arch Ophthalmol. 1997 Jul;115(7):847-52. doi: 10.1001/archopht.1997.01100160017002. PMID: 9230823.
- Ghanem VC, Mehra N, Wong S, Mannis MJ. The prevalence of ocular signs in acne rosacea: comparing patients from ophthalmology and dermatology clinics. Cornea. 2003 Apr;22(3):230-3. doi: 10.1097/00003226-200304000-00009. PMID: 12658088.
- McLaurin E, Cavet ME, Gomes PJ, Ciolino JB. Brimonidine Ophthalmic Solution 0.025% for Reduction of Ocular Redness: A Randomized Clinical Trial. Optom Vis Sci. 2018 Mar;95(3):264-271. doi: 10.1097/OPX.0000000000001182. PMID: 29461408; PMCID: PMC5839712.
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