勃起不全・ED治療

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勃起不全(ED)

勃起不全/勃起障害(erectile dysfunction:ED)とは、以下の状態が持続したり繰り返し起こることをいいます3

「満足な性行為を行うために十分に勃起しない、または、勃起を維持できない」

青森県弘前市の健康な日本人男性を対象とした調査では、軽度のEDを合わせると、20~30歳代の4割以上が勃起機能の障害を自覚しており、50歳以降ではほとんどの男性が自覚していることが報告されています1。シンガポールの30歳以上のアジア人男性を対象とした調査でも5割以上の男性がEDを自覚しており2、勃起障害は男性の間で一般的な健康問題と考えられています。

EDの原因とリスク因子

EDの原因やリスク因子として複数の要因が絡み合っており、以下のものが報告されています4

加齢、糖尿病、肥満/運動不足、心血管疾患/高血圧、喫煙、テストステロン(男性ホルモン)低下、慢性腎臓病/下部尿路症状、神経疾患、手術/外傷、うつなど精神的因子、薬物、睡眠時無呼吸症候群

ED治療

EDのリスク因子がある方は、基礎疾患の治療や、食事、禁煙、運動などの生活習慣の改善を行うことが重要です。

ED治療の第一選択はPDE(ホスホジエステラーゼ)5阻害薬です。勃起には陰茎海綿体平滑筋細胞内のcGMP合成が重要な働きをしていますが、cGMPはPDE5で分解されて勃起が維持できなくなります。PDE5阻害薬は、cGMPの分解を阻害して勃起状態を維持させる働きがあります。

ED治療薬

当院で採用しているED治療薬は3つです。

シルデナフィル_バイアグラジェネリック
シルデナフィル
バルデナフィル_レビトラジェネリック
バルデナフィル
タダラフィル_シアリスジェネリック
タダラフィル

お薬の主な特徴を以下に記載します。

薬品名(トーワ)価格(税込)特徴
シルデナフィルOD錠
50mgVI

(バイアグラのジェネリック)
1錠 990円作用時間は約5時間。食事の影響を受けやすい。 OD錠のため、水なしで飲める。 効果が早く、空腹時は30分ほどで作用する。
バルデナフィル錠
20mg

(レビトラのジェネリック)
1錠 1,650円作用時間は約8時間。食事の影響を受けにくい。 効果が最も早く、空腹時は20分ほどで作用する。
タダラフィルOD錠
20mgCI

(シアリスのジェネリック)
1錠 1,430円作用時間は約36時間。食事の影響を受けにくい。 OD錠のため、水なしで飲める。 効果が遅く、マイルドに作用するため副作用が少ない。
  • 処方には診察料(初診3,850円、再診1,650円)が別途かかります。
  • 医薬品のため副作用等があった場合でも、処方後の返品・返金は承れませんのでご了承ください。
  • 当院で処方するED治療薬は国内承認薬のため、医薬品副作用被害救済制度の対象です。

治療を受けられない可能性のある方

  1. 20歳未満の方、女性の方
  2. 網膜色素変性症、虚血性視神経症の既往がある方
  3. 重度の肝障害のある方
  4. 高血圧(170/100以上)、または、低血圧(90/50以下)のある方
  5. 心筋梗塞、脳梗塞、脳出血を発症して6ヶ月以上経過していない方
  6. 不整脈のある方(使用しているお薬によっては、処方可能な場合もあります)
  7. 硝酸剤(飲み薬・貼り薬・吸入薬・注射含む)、肺高血圧治療薬を使用している方
  8. 抗真菌薬、HIV治療薬を使用している方、透析中の方(バルデナフィルを使用することはできません)

服用方法

薬品名服用のタイミング
シルデナフィルOD錠
50mgVI  
性行為1時間前、空腹時に口の中で溶かすか、お水と一緒に飲んでください。 初めての方や65歳以上の方は、ピルカッターで半分にし、25mgから服用を開始してください。
バルデナフィル錠
20mg  
性行為1時間前、できれば空腹時にお水と一緒に飲んでください。 初めての方は、ピルカッターで半分にし、10mgから服用を開始してください。 65歳以上の方は、1/4の5mgから服用を開始し、最大10mgまでとしてください。
タダラフィルOD錠
20mgCI
性行為1~3時間前、できれば空腹時に口の中で溶かすか、お水と一緒に飲んでください。 初めての方や65歳以上の方は、ピルカッターで半分にし、10mgから服用を開始してください。
  • 半錠で効果がある場合には増量しなくて構いませんが、8割以上の方が1錠で服用します。
  • 半錠でも1錠でも、内服は1日1回までとし、24時間空けて服用してください。
  • 切った後のお薬は、湿気に注意して清潔に保管し、2週間以内にご使用ください。
  • ピルカッターは市販のものをご利用ください。当院受付でも購入可能です(税込880円)。

血液検査

EDのリスク因子として糖尿病や腎臓病、LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)などの病気が隠れていることがあります。健康体であれば、必ずしも初診時の採血検査は必要ありませんが、過去1年以上検査を受けていない方は、初診時に血液検査をおすすめします。

また、肝機能などの副作用チェックのためにも、当院では半年~1年に一度の血液検査をお勧めしています(検診などでも代用可)。

検査
(必要時・希望時のみ)
価格(税込)検査項目
初診時検査5,148円肝腎機能・脂質・血糖・HbA1c・心不全マーカー・血球等
男性ホルモン検査  2,728円遊離テストステロン
副作用チェック2,948円肝腎機能・脂質・血糖・血球等

副作用

頻度が高い副作用として、顔のほてり、目の充血、目のかすみ、頭痛、動悸、鼻づまり、背部痛、筋肉痛、四肢の痛み、消化器症状(悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、腹部膨満感)、肝機能障害などが報告されています。

重大な副作用として、心筋梗塞、心臓突然死、脳卒中等が報告されていますが、ほとんどの症例が治療前から心臓血管系のリスクを有しており、因果関係は不明です。非常に稀ですが、低血圧、失神、虚血性視神経症(視力低下)、網膜動脈閉塞などが報告されています。

持続的な勃起が4時間以上続く場合には、陰茎組織の損傷や永続的な勃起不全が起こる危険性がありますので、すぐに泌尿器科を受診してください。

非常に稀ですが、体質によって、過剰なアレルギー反応(アナフィラキシーショック、スティーブンスジョンソン症候群)が起こることがあります。高熱、血圧低下、発疹、全身紅潮、失神、顔面や口唇の浮腫、粘膜のただれ、呼吸困難、痙攣等の症状が出た場合は、即座に救急車を呼び、病院で処置を受けてください。

各薬剤の副作用について詳しくは、添付文書をご参照ください。

ED治療薬内服時の注意点

  • めまいや視覚障害などがある際には、車の運転や危険な機械類の操作は控えてください。
  • 血圧低下の危険がありますので、大量の飲酒はお控えください。

薬剤相互作用(禁忌薬

1. 次のお薬を飲んでいる方は、「ED治療薬」を使用することができません。
  • 硝酸剤及びNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)
  • リオシグアト(アデムパス)
2. 次のお薬を飲んでいる方は、「シルデナフィル」を使用することができません。
  • 抗不整脈薬(アミオダロン)
3. 次のお薬を飲んでいる方は、「バルデナフィル」を使用することができません。
  • リトナビル(ノービア)
  • アタザナビル(レイアタッツ)、ホスアンプレナビル(レクシヴァ)、ロピナビル・リトナビル(カレトラ)、ダルナビル(プリジスタ、プレジコビックス、シムツーザ)
  • ケトコナゾール(外用を除く)、イトラコナゾール(イトリゾール)
  • コビシスタット(スタリビルド、ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ)
  • 抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド、アミオダロン、ソタロール等)

薬剤相互作用(注意薬)

  • 降圧薬と一緒に飲むと血圧が下がり過ぎてしまうことがあります。
  • 当院処方のミノキシジルタブレットからED治療薬を飲むまでの間隔は、最低4時間以上空けてください。その際に、めまい、気分不快、失神、動悸などの症状が出ないか注意深く観察してください。
  • ED治療薬後に当院処方のミノキシジルタブレットを飲む場合には、シルデナフィル・バルデナフィルは最低4時間、タダラフィルは作用時間が長いため、最低14時間以上の間隔を空けてください。その際に、めまい、気分不快、失神、動悸などの症状が起こらないか注意深く観察してください。
  • 薬の代謝酵素を阻害・誘導する薬やグレープフルーツジュースとの併用で作用が増強したり、低下したりする可能性がありますので、薬の処方を受けている医師・薬剤師に必ずED治療薬を飲んでいることを告げてください。
  • 併用薬につきましては、処方される病院の医師、または、薬剤師にご確認いただくようお願いいたします。
参考文献・サイト一覧
  1. Atsushi Imai et al., “Risk factors for erectile dysfunction in healthy Japanese men” Int J Androl. 2010 Aug 1;33(4):569-73. doi: 10.1111/j.1365-2605.2009.00974.x. Epub 2009 Aug 25. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1365-2605.2009.00974.x
  2. J K Tan et al., “Erectile dysfunction in Singapore: prevalence and its associated factors–a population-based study” Singapore Med J. 2003 Jan;44(1):20-6. PMID: 12762559
  3. Marita P McCabe et al., “Definitions of Sexual Dysfunctions in Women and Men: A Consensus Statement From the Fourth International Consultation on Sexual Medicine 2015” J Sex Med. 2016 Feb;13(2):135-43. doi: 10.1016/j.jsxm.2015.12.019. PMID: 26953828
  4. 日本性機能学会/日本泌尿器科学会 “ED診療ガイドライン 第3版” リッチヒルメディカル株式会社 2018年1月15日発行
  5. 東和薬品株式会社 “勃起不全治療剤 シルデナフィルOD錠50mgVI「トーワ」” 2021年1月改訂(第5版)
  6. 東和薬品株式会社 “勃起不全治療剤 バルデナフィル錠10mg「トーワ」 バルデナフィル錠20mg「トーワ」” 2021年2月改訂(第2版)
  7. 東和薬品株式会社 “勃起不全治療剤 タダラフィルOD錠10mgCI「トーワ」 タダラフィルOD錠20mgCI「トーワ」” 2020年11月作成(第1版)
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