アキュテインの治療効果を教えてください

アキュテイン(イソトレチノイン)によるニキビの治療を行うと、1クール(約6ヶ月間)で98%以上の患者さんが治癒、または改善します。現存する全世界で処方されているニキビの治療薬としては、最も効果がある薬剤です。

改善させるスピードも速く、最初の1ヶ月間は約30%の患者さんでニキビがの悪化(好転反応)が見られる可能性がありますが、平均して2ヶ月間~3ヶ月間で徐々に改善していきます。

3ヶ月間で改善が認められなかったり、増悪期間(好転反応)が2ヶ月以上続いたりした場合は、アキュテイン(イソトレチノイン)の用量を増やしていかなければなりません。当院では20 mg~40 mg/日を基準としていますが、場合によっては60 mg/日~80 mg/日、もしくはそれ以上の高用量で治療しなければならないこともあります。極量は体重あたり2 mgまでです。つまり、体重60キロの患者さんの場合、120 mg/日までとなります。

治療期間は1クール=6ヶ月間~8ヶ月間です。ニキビがほとんどできなくなっても、再発を防ぐために1クールは治療を継続する必要があります。治療方法の工夫によって、再発率を最小限に抑えるように努力していますが、約30%の患者さんに再発(※)を認めます。また、残念なことに1~2%の患者さんには、全く効果が認められないことがあります。

再発した場合は、最低2ヶ月間、できれば4ヶ月間あけてもう1クール治療を行います。再発したとしても、クール毎に徐々にできなくなってくる(クールを始める前よりは減る)方がほとんどですので、繰り返し叩いていけば良好な結果が得られる可能性が高いのですが、全体の5%~10%の患者さんでは、クールが終わる度に元のように再発してしまう方がいます。

アキュテイン(イソトレチノイン)は現存するニキビの治療薬の中では、最も高い有効率と最も低い再発率を誇りますが、100%の方が改善して、その後も永遠に再発しないというような、魔法の薬では決してありません。医療にも限界があり、過剰に期待をすると必ずしも満足する結果にならないこともあります。

※再発率に関しては、治療終了後、新生ニキビの数が治療前の状態の1/3以上に戻った場合を再発と呼んでいます。

アキュテインの副作用を教えてください

アキュテイン(イソトレチノイン)の副作用は多岐に渡りますが、代表的なものは皮膚、口、鼻、眼の粘膜の乾燥です。この副作用はほぼ100%の患者さんに起こります。乾燥によって皮膚炎、口角炎、口唇炎、鼻出血、ドライアイなどが起こる可能性があります。それに伴い、赤ら顔や鼻血もよく起こる副作用です。

顔だけでなく体全体が乾燥しますので、保湿剤をしっかり使用していただきます。顔の保湿はできるだけニキビが出来ない処方の保湿剤(当院では、調剤化粧品のビタミンCローションやEGホワイトローション・EGホワイトクリームを推奨しています)、体や唇の保湿はワセリン(サンホワイト)を中心に、顔、体全体を保湿していただきます。保湿対策を十分行うことによって、治療に耐えられないというほどの乾燥は起きません。

頻度は下がりますが、骨、筋肉、関節の痛みや、頭痛、生理不順などもあります。特に頭痛は、頭蓋内圧を亢進させる作用があるため起こり、軽度のものは様子を見ても良いのですが、症状がひどいケースや吐き気などの他の随伴症状が出た場合には、危険なため中止しなければなりません。

血液検査では、肝機能障害、腎機能障害、膵機能障害、中性脂肪、コレステロール、血糖値、尿酸値の上昇、血球成分の減少や増加、CPKの上昇などが見られ、多岐にわたりますので毎月血液検査でチェックしなければなりません。

脱毛の副作用についてよく男性患者さんから聞かれるのですが、脱毛は2%~4%程度の患者さんに認めます。いきなりバッサリと髪が抜け落ちることはなく、抜け毛が多くなってきたかなという程度から始まりますので、中止すれば元に戻ります。

アキュテインの脱毛の理由としては、頭皮の乾燥による抜け毛もありますが、細胞のターンオーバーの亢進→毛周期の亢進による「休止期の毛の脱毛」が主なものとなります。内服中止によって脱毛の進行は止まり、元に戻るはずなのですが、極稀に回復しない例も報告されています。回復しない例は、基礎疾患にAGAなどがある方がほとんどです。

もともと毛周期が短縮していて、なおかつ成長期の毛が少ない患者さんの場合、アキュテインの服用により一過性に休止期脱毛が増えると、例えその後アキュテインの中止により脱毛の進行が止まったとしても、成長期の毛が追い付かないために回復しないのではないかと推察しています。いずれにしても、抜けるのは休止期の毛であり、本来は自然に抜け落ちるのを待つ毛になりますから、過度に心配する必要はないと考えます。逆に、脂漏性脱毛に悩まされている方は、アキュテインの服用により脱毛が減り、多毛になるといった副作用(副効用)も報告されていますが、こちらもアキュテインの服用中止により元に戻ります。

非常に稀ですが、重篤な副作用として視力低下、視野障害などの目の異常、急性膵炎、急性肝炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、アナフィラキシーショック、スティーブンス・ジョンソン症候群、自殺衝動などが報告されています。女性には胎児の催奇形性という重大な副作用があるため、内服中及び内服中止後6ヶ月間は必ず避妊を行っていただきます。また、処方には1ヶ月に1回の妊娠反応検査が必要です(アメリカのiPLEDGE programに準拠)。

そのほかの副作用については、診察時に副作用シートをお渡しして詳しく説明しています。何か不安なことがあれば遠慮なく医師にご相談ください。

12年間で当院で経験した重篤な副作用は、以下のものがあります。

  • 目の異常 4名
  • 潰瘍性大腸炎 1名
  • 重度のアレルギー 4名
  • 敗血症 1名

目の異常については、4名の患者さんが目のかすみや近くのものが見えづらいといった症状を訴えたため、すぐに薬を中止して眼科の検査を受けていただきました。特に眼科検査の結果は異常はなく、視力低下等の後遺症も残さずに症状は回復しました。

潰瘍性大腸炎については、1名の患者さんがアキュテイン治療終了後に潰瘍性大腸炎と診断されました。因果関係は不明でしたが、念のためその後のクールは行わずに経過を見ていただきました。現在はご家族から潰瘍性大腸炎の症状は寛解していると伺っています。2014年の調査では、アキュテインと大腸炎に関しては明らかな因果関係は証明されず、ニキビがある患者さんはアキュテインの服用をしているしていないに関わらず、腸炎を起こしやすいという報告があります。つまり、肌にニキビの炎症が起こりやすい方は、もともと腸の炎症も起こしやすい体質であり、アキュテインによって大腸炎が引き起こされる率が上がるわけではないという報告です。また、ほとんどの患者さんがアキュテインの治療前に抗生物質を長期服用しており、抗生物質の腸への影響についても示唆されています。

アキュテインと大腸炎との関連性を示した報告もあり、当院では副作用の一つとして患者さんへ説明しております。そのため、潰瘍性大腸炎やクローン病の持病をお持ちの方には、原則治療をお勧めしません。

重度のアレルギーについては、1名の患者さんから飲み始めて1週間で38度の発熱が起こったという電話をいただきました。蕁麻疹などの薬疹は出現しておらず、他の感染性疾患(感冒等)の可能性も否定できませんでしたが、アレルギーによる発熱の可能性もあったため、薬を中止していただきました。

2名のアレルギーの患者さんは、内服して3週目と4ヶ月目に全身に発疹が起こり、発熱と唇のただれ、口腔粘膜のびらんを認めました。スティーブンスジョンソン症候群に近い形でしたが、1名は数日入院して、幸い後遺症も残らずにすぐに軽快し、もう1名もご自分で薬を中断してすぐに良くなり事なきを得ました。

残り1名のアレルギー患者さんは、内服して数カ月後に薬疹、血圧低下などが起こり、こちらも治療の中止で幸い軽快しました。

敗血症の患者さん1名については、薬の直接的な副作用ではありませんが、間接的な副作用として起こりました。その患者さんは、過去に私が診た中でも最重症例でした。顔、胸、背中、腕やお腹、お尻や太ももまでニキビで埋め尽くされてしまっている全身性の「集簇性ざ瘡」の患者さんでした。大学病院で改善されないとのことで、当院を受診されました。

抗生物質と併用してアキュテイン治療を開始しましたが、アキュテインの一時的にニキビを悪化させる副作用が強く出て、全身のニキビが悪化して皮膚感染症を併発し、CRP(炎症反応の指標)が15まで上昇したため、病院へ緊急で入院してもらいました。血液培養や皮膚感染巣の培養検査を行い、強力な抗生物質の全身投与によってショック状態までには至らず、炎症は快方へ向かいました。その後、地元の病院へ転院していただき無事に退院されましたが、アキュテイン治療を継続できなかったため、根本的にニキビができる体質を治すことができませんでした。退院してから元気でやっていますというハガキを頂きましたが、もう少し何とかできたのではないかと非常に悔やまれる症例です。

アキュテインは以上のように副作用がある薬剤ですが、定期的に副作用チェックを行い、対処が早ければ重篤な後遺症を残す副作用は非常に稀です。当院では、副作用には厳重な注意を払いながら治療を行っています。

なお、「ある種のビタミン」(ビタミンEのことだと思われますが)によってアキュテインの副作用を予防できると謳っているクリニックがあるようで、患者さんから時々そのような質問を受けますが、残念ながらビタミン剤でアキュテインの副作用を防ぐことはできません。

1997年にアキュテインを使用した癌患者さんで、ビタミンEを1日800 IU(約530 mg)併用した群で毒性が下がったという報告がありました。その後、ニキビ患者さんに対する追加試験が行われましたが、ビタミンEを服用した群と服用しなかった群とで副作用に有意差は認められませんでした。ビタミンCやコエンザイムQ10、βカロテンなどが入った総合サプリメントで、アキュテインの毒性が低くなったという報告もありますが、症例数が足らずエビデンスとしては乏しいものです。

私も過去にアキュテインと同時にビタミンEを500 mg~600 mg処方したことがありましたが、なんら副作用に違いはなく、その後併用することはなくなりました。

アキュテインによる正しい治療が広まることは良いことだと思いますが、個々のクリニックで副作用に対する説明がバラバラであれば、せっかくの治療が台無しになってしまうこともあります。過度の不安や期待を煽るのではなく、正しい知識を患者さんへ伝えることが当院の大切な役目であると考えています。

アキュテインはニキビに最も効果がある薬として、欧米では30年以上の歴史があります。重篤な副作用が起こる確率は、決して高いものではありません。医師のもとで正しく服用し、検査を定期的に受け、注意事項を守れば大部分の副作用を未然に防ぐことができます。

日本でニキビ治療に頻繁に使用されている抗生物質でも、膵炎、大腸炎、間質性肺炎、アナフィラキシーショック、スティーブンス・ジョンソン症候群などの重篤な副作用が報告されており、どんな薬にも副作用のリスクがあることは認識しなければなりません。

当院では単にメリットだけを並べるのではなく、デメリットやリスクの説明もしっかり行い、患者さん自身の同意を得た上で治療を行なっています。

アキュテイン治療の通院頻度と期間を教えてください

アキュテイン(イソトレチノイン)によるニキビ治療では、約4週間に1度の通院が必要です。治療期間は1クール、6ヶ月間です。治療の効果が弱い場合は、1クールの期間を8ヶ月間に延長することもあります。

なかなかご来院できない方や遠方の方には、できるだけ多めに処方しておりますが、採血等の副作用チェックが必要なため、定期的に通院できるかどうか、事前にご確認をお願いいたします。

処方の最大量は、東京近郊(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の方は6週間分まで、それ以上遠方の方は8週間分までとさせていただいております。

アキュテインの治療費用を教えてください

肌のクリニックでは、アキュテイン(イソトレチノイン)による症例数が非常に多いため、全国でも安く治療費を設定しております。

治療の期間は6ヶ月~8ヶ月間必要で、重症例では1日40 mg~80 mg以上を使用することも多いため、来院前に料金のご確認をお願いします。

詳しくは、「アキュテインの料金」をご覧ください。

治療を受けられない場合はありますか?

持病をお持ちの方や、ニキビの重症度、ご年齢などで、アキュテインを飲むことができない場合があります。詳しくは、「アキュテイン治療を受けることができない方」をご覧ください。

ニキビの再発を抑える飲み方はありますか?

アキュテイン(イソトレチノイン)はもともと再発率が非常に低いお薬ですが、それでも30%前後の患者さんは再発し、2クール、3クールと治療を続けていかなければなりません。できるだけ再発率を少なくするためには、治療期間中「正しい用量」を「適切な期間」、「適切なタイミング」で飲むことが大切です。

正しい用量

アキュテインの適切な用量は、ニキビの重症度や患者さんの体重から判断します。当院ではおおむね20 mg~60 mgの間で治療を開始します。

欧米の患者さんでは体重1 kgあたり1 mgから開始し、最大で体重1 kgあたり2 mg(体重60キロの方の場合、120 mg/日)まで増量しますが、日本人の場合はそこまでの高用量を必要とすることはほとんどありません。

私が過去に処方した最大量は、1日140 mgですが、ここまでの高用量を飲まなければならいないケースは稀です。ただし、当院では重症ニキビの方が多く来院されているため、1日あたり40 mg~80 mgの処方をしているケースは少なくありません。

用量を多くすればするほど、再発率と再発の程度を下げることができますが、副作用も強く出ますので注意が必要です。再発率を下げるには、副作用の程度を見ながら、新生ニキビができなくなるまで薬の量を増やしていきます。

治療の適切な期間

適切な期間は、標準的には4ヶ月間~5ヶ月間(16週~20週)とされていますが、近年欧米では再発を防ぐために、1クールの治療期間は長くなる傾向にあり、8ヶ月間~10ヶ月間とする病院もあります。当院では1クールを約6ヶ月間(24週間)とし、必要に応じてスパンを短くしたり、長くしたりしています。

アメリカやドイツの研究では、1クールの期間中、体重1 kgあたり120 mg以上の用量を服用することが、再発率を低下させるためには重要であることがわかっています。つまり、体重60 kgの患者さんの場合、1クールの期間をを6ヶ月間とすると、1日あたり約40 mgが必要量となります。

用量を多くすればするほど、さらに再発率を下げることができます。ドイツの試験では1クールの期間中、220 mg/kg以上の用量を服用すると、再発率が有意に低下したという報告があります。

しかし、日本人の場合は欧米の量をそのまま当てはめてしまえば、副作用が強くなって途中でリタイアしてしまう懸念があります。当院では肌の状態や副作用の程度を見ながら、6ヶ月間を1クールとし、その中で用量を調整しています。

アキュテインは劇的に効果があるお薬のため、1日10 mgで3ヶ月間という低用量、短期間の治療でも十分効果を認めます。しかし、低用量短期間療法の場合、副作用の発現も少なく治療しやすいのですが、再発率は非常に高くなります。治療にあたっては、そのあたりのことも考慮に入れる必要があるでしょう。

飲むタイミング

アキュテイン(イソトレチノイン)を飲む適切なタイミングは、必ず食直後に飲むことです。アキュテインは脂溶性のため、脂肪分と一緒に吸収されていきます。空腹時に飲むと吸収が悪くなるため、せっかく飲んでも大部分が排泄されてしまい効果がなくなってしまいます。当然飲み忘れにも注意していただきます。

なお、食事の影響を受けないイソトレチノイン製剤として改良されたアブソリカ(Absorica)という薬剤があります。アブソリカは、インドのランバクシーラボラトリーズが開発した改良型イソトレチノインで、2012年に米FDAで認可されました。食事の影響を受けませんから、食後にイソトレチノインを飲むことが難しい患者さんに適した薬剤です。

アブソリカと従来のイソトレチノインとの効果の違いですが、過去に行われた20週間の比較試験では、統計上の有意差はないものの、従来のイソトレチノインのほうが成績が良いという結果になりました。アブソリカは、従来のイソトレチノインよりも効果は低く、価格も高いことから、どうしても食後にイソトレチノインを飲めないという人以外は必要がないと考えます。

アキュテインの胎児の催奇形性について教えてください

日本の新生児奇形の統計では、出生1,000人当たり口蓋裂1.28、口唇裂1.27、無脳児1.06、全体を合わせると新生児奇形は概略6〜7(1,000分娩当たり)です。ダウン症の発生率は分娩10,000当たり約5人で、20年間でやや増加しています。

原因としては、20%〜30%は染色体、遺伝子異常で、母体側要因としては、感染、薬剤の影響がありますが、原因不明のものが半数以上です。催奇形作用のある外因としては、母体の疾患、特にウイルス感染(風疹、AIDS)や糖尿病、物理的要因として放射線被爆、薬剤としては様々な薬剤が原因となりますが、多いものに抗生物質、抗癌剤、サリドマイド、ビタミンA過剰摂取やビタミンA誘導体(アキュテイン等のイソトレチノイン、エトレチナート等)があります。

アキュテインの重大な副作用の一つに、妊娠した女性に投与すると流産や胎児の奇形を引き起こすという副作用があります。具体的な報告として、中枢神経系の奇形、耳の欠損や奇形、目の異常、心奇形、口蓋裂、胸腺や副甲状腺の奇形があります。女性の場合、服用前には必ず妊娠反応検査(できれば服用開始1ヶ月前の検査がより確実)を行い、毎月の定期診察時にも必ず妊娠反応の検査を行います(iPLEDGE programに準拠)。服用中はもちろんですが、服用中止後の6ヶ月間は必ず避妊を行っていただきます。男性が服用する場合は、男性側も服用中と中止後の1ヶ月間は避妊をしていただいています。規定の期間きちんと避妊していただければ、通常妊娠と比較して胎児の奇形率が上昇することはありません。なお12年間の治療の中で、当院の患者さんからの胎児の奇形の報告は1例もありません。上記のことでご心配なことがありましたら、診察の際に遠慮なく医師にご相談ください。

血液検査は毎月必要ですか?

アキュテイン(イソトレチノイン)治療中は、必ず定期的に採血検査を行います。

血液検査で確認する副作用は、肝機能障害、腎機能障害、膵機能障害、中性脂肪、コレステロール、血糖値、尿酸値の上昇、血球成分の減少や増加、CPKの上昇など多岐に渡ります。初回や2回目の採血で問題がなくても、治療途中で出現することもあるため、毎月の採血検査が必要です。

女性の患者さんには、服用前には必ず尿検査(妊娠反応検査)を行い、毎月の定期診察時にも必ず妊娠反応の検査を行います。

血液検査等を拒否される患者さんが稀におられますが、必要な検査を行わない場合、当院での薬の処方はできませんのでご了承ください。

アキュテインと一緒に飲んではいけない薬はありますか?

アキュテイン(イソトレチノイン)はいくつかの薬と飲み合わせ、相互作用があります。以下の薬とは一緒に飲まないでください。

テトラサイクリン系抗生物質

代表的な商品名:ビブラマイシン、ミノマイシン、ミノサイクリン、ミノペン

相互作用で頭痛の原因となる頭蓋内圧を上げる副作用が強くでることがあります。

副腎皮質ステロイド剤

代表的な商品名:プレドニン、プレドニゾロン、セレスタミン

相互作用で骨を弱くする副作用が強く出ることがあります。

喘息の治療で使用される吸入のステロイド薬や、アトピー性皮膚炎の治療で使用される外用のステロイド薬は、併用しても問題ありません。喘息発作等の治療で行われる短期的なステロイドの点滴も問題ありません。

フェニトイン

代表的な商品名:アレビアチン、ヒダントール

相互作用で骨を弱くする副作用が強く出ることがあります。

ビタミンA

相互作用で副作用全般を増強させる恐れがあります。総合ビタミン剤にはビタミンAが入っているものが多いため、必ずパッケージを確認してください。ビタミンA以外のビタミンに相互作用はありません。βカロテンは摂取して問題ありません。ビタミンAを気付かずに短期間飲んだくらいでは、問題は起こりませんので心配いりません。

上記以外の薬は一緒に飲んでも心配ありません。

お酒と一緒に飲んでも大丈夫ですか?

アルコールとの相互作用はありませんので、一緒に飲んでも大丈夫ですが、薬を飲む際は水で飲んでください。アキュテインを服用中にアルコールを多量に摂取すると肝機能障害などが起こりやすいため、過度な飲酒はお控えください。

薬を飲み忘れてしまいました

アキュテイン(イソトレチノイン)を飲み忘れた場合、食後の服用が理想ですので、当日中であれば、次の食事の後に飲むようにしてください。次の食事を食べない場合は、気づいたタイミングで飲んでください。

例1)毎日昼食後に1錠飲んでいて、夕食前に飲み忘れに気付いた場合は、夕食後に1錠飲む

例2)毎日夕食後に1錠飲んでいて、寝る前に飲み忘れに気付いた場合は、その時点で1錠飲む

例3)毎日朝食後1錠、夕食後1錠飲んでいて、朝食後に飲む分を忘れた場合は、夕食後にまとめて2錠飲む

前日に飲み忘れた分は、そのまま無視して飲まなくて構いません。例えば、1日1錠飲んでいる方で、前日の分を飲み忘れたからと言って、当日に2錠飲まないようにしてください。再発を防ぐためにも、できるだけ飲み忘れのないようにしてください。

アキュテインのジェネリック医薬品はありますか?

Accutane(アキュテイン)という薬は現在販売されておらず、市場に出ているのはすべてジェネリック薬(後発医薬品)です。Roaccutane(ロアキュテイン)という薬がありますが、これはアキュテインの製造元であるスイスのRoche社が製造した自社の後発医薬品です。

先発医薬品メーカーがジェネリックを作るのは変だと思うかもしれませんが、後発メーカーに市場を奪われてしまうくらいであれば、パッケージや製造方法を見直してコストを削減し、名称を変えて発売することで、少しでも市場を確保するというやり方なのでしょう。先発品メーカーが作れば、添加剤から製造方法まで完全に同一の医薬品ができますから、Roaccutane=Accutaneと見なして問題ありません(ただ、両者の剤形が変更されていますので、多少製造方法は変わっているのかもしれません)。

当院ではCipla社のIsotoroin(イソトロイン)をイソトレチノイン製剤としてメインで使用しています。また、薬剤が不足した際はRoaccutane(ロアキュテイン)を使用することもあります。

6~7年ほど前でしょうか。ジェネリック医薬品に含まれるイソトレチノインの成分量が落ちているという報告がありました。その後まもなくCipla社のイソトレチノイン製剤がリニューアルしたため、成分量について問い合わせしたのですが、成分量検査で問題は出ていないという回答を得ています。

どちらの薬も長年使用してきましたが、臨床的に効果の違いはありませんので、ご安心ください。ちなみに、当院の患者さんで両方使われた方は何人もおりますが、ロアキュテインよりイソトロインのほうが効果があったと言われる患者さんの割合のほうがなぜか多いのですが、内容成分から考えても両者に効果の違いはないはずです。

Accutane(アキュテイン)はスイスのRoche社が1980年代に出した最初のイソトレチノイン製剤ですが、2002年に特許が切れて、その後Amnesteen、Claravis、Sotretといったジェネリック医薬品に市場を奪われてしまいました。アキュテインの売り上げは、ついにイソトレチノイン製剤全体の5%以下に落ち込んでしまい、2009年にRoche社はアキュテインの製造を中止しています。アメリカでは市場を奪われて撤退しましたが、その後名称をRoaccutane(ロアキュテイン)に変更して他国への進出しています。

アメリカではほとんどがジェネリック医薬品に移り変わっており、さらにアキュテインの製造が中止されたにもかかわらず、現在でも多くの人がイソトレチノイン治療をアキュテイン治療と呼んでいます。日本人より重症ざ瘡患者が多いアメリカで、それだけアキュテインのインパクトが強かったのだろうと推測しています(副作用でもいろいろ問題が起こりましたから、そのインパクトもあったのでしょう)。

上記のような理由から、日本でも未だに多くの患者さんがイソトレチノインという名前ではなく、アキュテインという名前を使用していますが、厳密にはアキュテインという薬はすでに存在しません。当院でも便宜上、イソトレチノイン製剤による治療をアキュテイン治療、イソトレチノイン製剤をアキュテイン(イソトレチノイン)という表記にしていますのでご了承ください。

パントテン酸はアキュテインの代わりになりますか?

パントテン酸は水溶性ビタミンのひとつで、ビタミンB5とも呼ばれています。糖や脂肪、タンパク質などの代謝を活性化する補酵素としての役割があり、ビタミンB群やCの働きを助ける役割もあるため、肌にとって大切な成分です。

必要量を摂取することで肌に良い作用をもたらしますが、アキュテインの代わりにはなりません。

パントテン酸の1日の必要量は5 mgですが、その1000倍以上の用量を摂取して皮脂を抑制するという民間療法が古くからあります。7~8年前になりますが、その治療法を試したいという患者さんが何名かいらっしゃったため、パントシン錠(医薬品のパンテチン)を大量に処方したことがあります。3ヶ月後、6ヶ月後の治療評価では、若干皮脂が減ったという方はいたものの、一人としてニキビの著明な改善は認められませんでした。

パントテン酸は下剤としても使用されますので、大量に飲むと下痢や腹部膨満感などの消化器症状を起こすほか、脱毛の副作用がみられた患者さんもおり、水溶性ビタミンとは言え必要量を超えて大量に摂取することには問題があるという結論になりました。

最近はパントテン酸と乳酸菌の併用という民間療法に代わってきているようです。受診時の問診票の中に過去に行った治療を書いていただく欄があるのですが、その治療をご自分で行ったという患者さんが受診されますが、明らかな効果があったという患者さんは今までいません。

パントテン酸の効果があればニキビ外来を受診しないはずなので、ある程度のバイアスがかかっていることは否めませんが、パントテン酸が効かなかった患者さん全例にアキュテインの効果があったことを考えると、パントテン酸がアキュテインに代わるほどの効果がないことは確実です。

効果は弱いもののパントテン酸には皮脂を減らす作用があるため、アキュテインの治療後に少しでも維持をしたいという希望で使用されている患者さんもおられるようです。アキュテイン治療後は、肌の構造のリモデリング(再構築)が起こり、毛穴が詰まりにくい状態が続きますので、効果の弱いパントテン酸でも維持できる可能性はあるのかもしれません。

アキュテイン内服中にレーザー治療はできますか?

アキュテインは光の感受性を高めるお薬です。そのため、内服中に光やレーザーを受けると、シミや色素沈着の原因になります。治療の強さによって空ける期間を定めており、光治療や光脱毛、当院のロングパルスヤグレーザーやトーニングレーザーの場合はアキュテイン終了後3ヶ月、eCO2(炭酸ガスフラクショナルレーザー)や医療レーザー脱毛の場合はアキュテイン中止後6ヶ月空けていただきます。

詳しくは、「治療インターバル」をご参照ください。

ご予約・お問い合わせ

高円寺院 TEL 03-5913-7435
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医学的なご質問等、医師が対応する場合は、別途電話再診料を頂戴することがございます。