パントテン酸はアキュテインの代わりになりますか?

パントテン酸は水溶性ビタミンのひとつで、ビタミンB5とも呼ばれています。糖や脂肪、タンパク質などの代謝を活性化する補酵素としての役割があり、ビタミンB群やCの働きを助ける役割もあるため、肌にとって大切な成分です。

弱い作用ですが、パントテン酸には皮脂を減らす働きがあるため、皮脂抑制目的で使用されている患者さんもおられるようです。

肌には大切な成分ですが、パントテン酸だけでニキビを改善させるというのは医学的根拠が不足しています。

パントテン酸の1日の必要量は5 mgですが、その1000倍以上の用量を摂取して皮脂を抑制するという民間療法が古くからあります。10年以上前になりますが、その治療法を試したいという患者さんが8名ほどいらっしゃったため、パントシン錠(医薬品のパンテチン)を大量に処方したことがあります。

3ヶ月後、6ヶ月後の治療評価では、若干皮脂が減ったという方はいたものの、8名中6名が改善なし、軽度の改善を認めた方は2名いました。

パントテン酸は下剤としても使用され、大量に飲むと下痢や腹部膨満感などの消化器症状を起こすほか、脱毛の副作用がみられた患者さんが1名おり、水溶性ビタミンとは言え必要量を超えて大量に摂取すれば問題が起こる可能性もあります。

最近はパントテン酸と乳酸菌の併用という民間療法に代わってきているようです。受診時の問診票の中で、過去にその治療を行ったという患者さんがたくさん受診されますが、効果があったという患者さんはほぼいません。

パントテン酸の効果があれば当院を受診しないはずなので、バイアスがかかっていることは否めませんが、パントテン酸が効かなかった患者さん全例にアキュテインの効果があったことを考えると、アキュテインに代わるほどの効果はありません。