Google医療アップデートの問題

医療アップデートとは

医療アップデートや健康アップデートと呼ばれていますが、日本で医療系や健康系のサイトの検索アルゴリズムをGoogleが変更したことを指します。

Googleの医療アップデート以降、医療系ブログは軒並みアクセス数が下がってしまったようで、当院のブログも例外ではありませんでした。

美容系クリニックは壊滅的

特に、保険診療系のブログはアクセス数が上がっているところもあるのですが、自費診療系や美容系のブログは、たとえ医師が執筆者であっても、書いている情報が正しくても大きく順位を下げられています。

ホームページも同様に、自費診療のクリニックは大きく順位を下げられてしまいました。(上手なところは、保険診療との組み合わせで順位をあげているところもあります。)

Google検索の問題

確かに、アフェリエイトサイトなど素人が書いているニセ医学情報が蔓延していたため、検索アルゴリズムのアップデートは良い側面も多くありますが、大きな問題を抱えています。

不正確な医療情報

例えば「ニキビの原因」と検索して1位に表示されるクリニックのサイトを見ると、「ニキビの場所別!原因と予防法」「ニキビの場所から体の不調がわかる!?」と書かれており、「額、おでこのニキビはホルモンバランスの乱れが原因」と書かれています。

まず、部位によってニキビの原因や治療法を分けているのは、日本の一部の美容クリニックだけです。ニキビができる部位で治療法は変わりませんし、日本の皮膚科学会ガイドラインにも、アメリカの皮膚科学会ガイドラインにも、部位別に治療法を分けていません。ニキビができる部位によってニキビの原因を特定できるエビデンスも存在しません [1][2]。

そのページには、「おでこのニキビがホルモンバランスが原因で起こる」ことの医学的根拠や引用論文は1つもありません。

それなのにGoogleでは検索1位です。

さらにページを読むと、「眉間のニキビからわかる体の不調」として、「肝機能が低下していると眉間にニキビができやすい」と記載があります。肝機能が低下していると「眉間にニキビ」ができやすくなることを裏付ける論文は1つも提示されていません。

医学的根拠がなく、間違った情報が掲載されていたとしても、グーグル検索では上位に行きます。

なぜ、このような問題が起こるのかと言えば、Googleの医療担当チームが専門家ではないからです。ニセ医学情報を排除すると言いながら、Google自体が何が正しい情報なのかを判別できていません。

オリジナル記事が圏外

一つの記事を書くのに1週間から2週間かけて、医学的根拠などをしっかりと調べて書いたページが、当初は検索で1位であったものの、医療アップデート以降、圏外に飛ばされるようになりました。

人気があった記事ですから、それなりに拡散され、評価もされてアクセスが集まっていたため、似たような記事を書く医院やブロガーが多くいました。ただ、当時はきちんと評価がされていたので、オリジナル記事が一応上位に来ていました。

しかし、Googleの検索アルゴリズムの変更以降、オリジナルが圏外に飛ばされ、パクリサイトが上位に来るようになり、何ために一生懸命に記事を書いたのか、努力が報われないどころか、コピーサイトに情報をパクられるだけという虚しい結果になりました。

多くのライターやブロガーが憤っている理由がわかりますし、私もその一人です。

ユーザーが求めている検索

ニキビの分野で言うと、検索するユーザーが求めている情報は、「日本の遅れている保険診療の情報」なのでしょうか?

保険診療で治らない患者さんこそ、インターネット検索で情報を求めるのではないでしょうか?そういう患者さんにこそ、欧米のスタンダードなニキビ治療の情報が必要なのではないでしょうか?

今のGoogle検索では、診療所名で検索すると、その診療所の公式HPより上位に、各クリニックにリンクしている医師会のHPが表示されるようになっています。

ユーザーは公式ページの情報(診療日、診療時間、お知らせ、詳しい診療メニュー、料金など)を参照したいのであって、医師会のHPを何度も見たいとは思わないでしょう。とてもユーザー目線の検索結果になっているとは思えません。

Google一強の問題

日本では、ヤフーもGoogleの検索エンジンを使用しており、Googleと同じ検索結果です。我が国ではGoogleとヤフーが検索の90%を締めており、検索サービスは、ほぼGoogle一強と言えます。

そのような状況下で、保険治療で改善しないニキビ患者さんが検索してたどり着くのは、また同じ保険治療の情報か、ステマだらけのニキビが治るという化粧品だったりします。

アフェリエイトブログなどが減ったのは良いことかもしれませんが、Google自体が正しい医療情報を把握するシステムを持ち合わせておらず、早急に改善されることを期待します。

当院の美肌ブログは、月30万PVを超えるほど人気のブログでしたが、今では検索流入がだいぶ減ってしまいました。古い情報もあるため、医学的な根拠などを加えながら、少しずつリライトしてこちらのHPへ移行させていこうと考えています。

執筆 医師:岩橋 陽介

参考文献・サイト

  1. 林伸和ら, (2016) “尋常性痤瘡治療ガイドライン 2016” 日皮会誌:126(6),1045-1086,2016
  2. Zaenglein AL, (2016) “Guidelines of care for the management of acne vulgaris.” J Am Acad Dermatol. 2016 May;74(5):945-73.e33. doi: 10.1016/j.jaad.2015.12.037. Epub 2016 Feb 17. DOI: 10.1016/j.jaad.2015.12.037 PMID: 26897386

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