Q.びまん性脱毛症の治療方法を教えてください

軽度の脱毛症であれば、「ミノキシジルヘアトニック」という、発毛薬のミノキシジルが2%、または、5%配合された外用剤を使用します。また、びまん性脱毛や更年期脱毛、産後脱毛は、男性ホルモンを抑えると抜け毛が減る方がいるため、抗男性ホルモン薬である「スピロノラクトン」を併用するケースも多くあります。

ミノキシジル2%ヘアトニックで効果が出ない場合は、ミノキシジル5%ヘアトニックと濃度を上げ、それでも発毛が認められない場合は、ミノキシジルの飲み薬である「ミノキシジルタブレット」を処方することもあります。

髪の毛に栄養を届ける女性用の飲む育毛剤「パントガール」も処方していたのですが、有効性が分かり辛く、市販でケラチン(髪の毛のタンパク)配合の安価なサプリメントが販売されているため、高価なパントガールの処方は当院ではやめることにしました。

女性ホルモン剤(低用量ピル)の服用で抜け毛が減ることも多くあるため、スピロノラクトンやミノキシジルと併用することもあります。ただし、低用量ピルは40歳以上の年齢の患者さんの場合、血栓症などのリスクがあるために使用できません。

20代や30代の女性であれば、低用量ピルの内服によって女性ホルモンが補われるので、薄毛が止まります。ただし、ピルを中止した後は、徐々に薬を飲んでないときの状態へ戻ります。

重症例には、最初からミノキシジルタブレットを使用することもありますが、副作用の問題がありますので、定期的に心電図や血液検査を行いながら治療していく必要があります。当院で使用する用量は、安全性を考慮して2.5mg/日と少なめから開始して、最大でも5mg/日までとしています(男性の場合は10mg/日まで増量することもあります)。

プラスアルファの補助的治療として、毛髪成長因子の外用剤や育毛メソセラピー、プラセンタ注射による治療をすることもありますが、ある程度金額がかかる治療ですので、ご本人の希望を聞きながら考慮していきます。

閉経後で更年期障害が併発している場合は、婦人科でHRT(ホルモン補充療法)を考慮しても良いでしょう。HRTは閉経後の更年期障害でだけではなく、女性ホルモン欠乏によって生じる様々な症状を緩和してくれます。髪や肌に対する美容面でも良い治療ですが、血栓症のリスクなどの副作用もありますので、詳しくは婦人科の専門医に相談してください。