肌のクリニックのニキビ跡治療

肥厚性瘢痕・ケロイドのニキビ跡治療

肥厚性瘢痕

ニキビ跡で赤みを伴って盛り上がるものに、肥厚性瘢痕とケロイドがあります。一般的には肥厚性瘢痕とケロイドは別の病態として区別されています。肥厚性瘢痕は、発生した後、徐々に数ヶ月~数年以内に平坦になっていき、赤みも消失して通常の瘢痕になります。対してケロイドは、治癒傾向がなく健常部へしみ出すように出来てきます。治療に対して抵抗性が強く、再発傾向が強いのも特徴です。肥厚性瘢痕とケロイドが、一つの瘢痕の中に共存することもあり、実際には区別が難しいケースが多いのが現状です。

肥厚性瘢痕とケロイドの治療は、保険治療がメインになるため当院では行っていません(混合診療の禁止)。肥厚性瘢痕・ケロイドに行われている具体的な治療は、ケナコルトというステロイドの注射、ステロイドテープ(ドレニゾンテープ)、圧迫療法、トラニラスト(リザベン)、液体窒素による凍結療法などです。また、放射線治療(電子線照射)も初期のケロイドには効果があります。放射線治療は、文京区にある日本医大形成外科のケロイド外来で行われています。

ケナコルトの注射は複数回の治療が必要ですが、確実に肥厚性瘢痕・ケロイドを小さくできます。ほとんどのクリニックで治療の第一選択となっています。ただし、ケロイドは難治性であり、一度小さくなっても再発しやすいことが問題となります。

ステロイドテープやシリコンジェルシートによる圧迫療法は、時間はかかりますが徐々に盛り上がりを小さくします。副作用が非常に少ないのもメリットです。トラニラスト(リザベン)は、飲み薬で唯一ケロイドの増殖を抑制する作用が認められています。劇的な効果はありませんが、ケロイドの痒みもある程度予防してくれます。

液体窒素による凍結療法は、クライオセラピー(Cryotherapy)と呼ばれ、ケロイドや肥厚性瘢痕に対して有用性が報告されています。-196℃の液体窒素を使用することで、肥厚性瘢痕やケロイド内部の毛細血管の血流を阻害し、組織を壊死させる治療です。小さい瘢痕や初期の瘢痕に効果を発揮すると報告されています。また、ケナコルトの注射と併用すると効果が上がるという報告もあります。ただ、実際にはクライオセラピー単独で改善させるには限界があり、今ではケナコルト注射の補助的な治療として行われています。

クライオセラピーは、液体窒素を長めに患部に当てて治療を行いますが、一部のクリニックで、液体窒素の冷気を吹きかける治療をしているところがあります。冷気を吹きかける装置はクライオスポットと呼ばれるエステ用機器です。医療用機器ではなく、冷気をいくら吹きかけても、ケロイドや肥厚性瘢痕に対する治療効果はありません。もしも、ケロイドや肥厚性瘢痕を壊死させるほどの冷気をかけたとすれば、他の部位に大きな損傷が及びます。液体窒素で行うクライオセラピーとエステ機器のクライオセラピーは全く別物と考えてください。

肥厚性瘢痕・ケロイドの治療では、レーザー治療は第一選択になりません。また、そのほとんどの治療は保険適応で、1回の治療は数千円です。悪徳な美容外科は、そのことを患者へきちんと説明せずに、保険治療と同様の治療で高額な医療費を取っているところがあります。当院の患者さんでも冷気を吹きかけられた後、ケナコルトの注射を7回ほどしただけで100万円を支払ったという方がいました。美容外科ではなく、まずお近くの皮膚科専門医に相談してください。

肥厚性瘢痕・ケロイドのよくある質問

治療を受けられない場合はありますか?
当院では肥厚性瘢痕・ケロイドの治療は行っていませんが、他院で治療を受ける場合でも、新しいニキビができなくなってからでないと治療は受けられませんので、まだニキビができている方は、まずニキビ治療を受けてからニキビ跡の治療を受けてください。また、イソトレチノイン(アキュテイン)治療を受けた方は、治療終了後最低6ヶ月以上期間を空けなければ、治療を受けることができません。
おすすめの病院はありますか?
肥厚性瘢痕・ケロイドの治療は、そのほとんどが保険治療の範囲内です。そのため、お近くの皮膚科でご相談してください。また、重症で専門的な治療をご希望の方は、文京区にある日本医大形成外科のケロイド外来をおすすめします。(当院から紹介状を書く場合、紹介状の料金がかかることをご了承ください。)