Q.アキュテイン治療で再発を抑える工夫にはどんなものがありますか?

アキュテイン(イソトレチノイン)はもともと再発率が非常に低い薬剤ですが、それでも30%前後の患者さんは再発し、2クール、3クールと治療を続けていかなければなりません。アキュテインによるニキビ治療後に、できるだけ再発率を少なくするためには、治療期間中「正しい用量」を「適切な期間」、「適切なタイミング」で飲むということに尽きます。

アキュテインの正しい用量

正しい用量は、ニキビの重症度や患者さんの体重から判断しますが、当院ではおおむね20mg~40mgの間で治療を開始します。

欧米の患者さんでは体重1kgあたり1mgから開始し、最大で体重1kgあたり2mg(体重60キロの方の場合、120mg/日)まで増量しますが、日本人の場合はそこまでの高用量を必要とすることはほとんどありません。

私が過去に処方した最大量は、1日120mgですが、ここまでの高用量を飲まなければならいないケースは稀です。ただし、当院では重症ニキビの方が多く来院されているため、40mg/日や60mg/日を飲んでいる方は、沢山おられます。

用量を多くすればするほど、再発率と再発の程度を下げることができますが、副作用も強く出ますので注意が必要です。再発率を下げるには、副作用の程度を見ながら、新生ニキビがほぼゼロになるまで薬の量を増やしていきます。

アキュテイン治療の適切な期間

適切な期間は、標準的には4ヶ月間~5ヶ月間(16週~20週)とされていますが、近年欧米では再発を防ぐために、1クールの治療期間は長くなる傾向にあり、8ヶ月間~10ヶ月間とする病院もあります。当院では1クール6ヶ月間~8ヶ月間としています。

ドイツやアメリカの研究では、1クールの期間中、体重1kgあたり120mg以上の用量を服用することが、再発率を低下させるためには重要であることがわかっています。つまり、体重50kgの患者さんの場合、1クールの期間をを6ヶ月間とすると、1日あたり33mg、10ヶ月間とすると1日あたり20mgの量が必要となります。

用量を多くすればするほど、さらに再発率を下げることができます。ドイツの試験では1クールの期間中、220mg/kg以上の用量を服用すると、再発率が有意に低下したという報告があります。

しかし、日本人の場合は欧米の量をそのまま当てはめてしまえば、副作用が強くなり途中でリタイアしてしまう懸念があります。当院では肌の状態や副作用の程度を見ながら、6ヶ月間~8ヶ月間の期間を1クールとし、その中で用量を調整しています。

アキュテインは劇的に効果がある薬剤であるため、1日10mgで3ヶ月間という低用量、短期間の治療でも十分効果を認めます。しかし、低用量短期間療法の場合、副作用の発現も少なく治療しやすいのですが、再発率は非常に高くなります。治療にあたっては、そのあたりのことも考慮に入れる必要があるでしょう。

アキュテインを飲むタイミング

アキュテイン(イソトレチノイン)を飲む適切なタイミングは、必ず食直後に飲むことです。アキュテインは脂肪分と一緒に吸収されていきます。空腹時に飲むと吸収が悪くなるため、せっかく飲んでも大部分が排泄されてしまい効果がなくなってしまいます。当然飲み忘れにも注意していただきます。

なお、食事の影響を受けないイソトレチノイン製剤として改良されたアブソリカ(Absorica)という薬剤があります。アブソリカは、インドのランバクシーラボラトリーズが開発した改良型イソトレチノインで、2012年に米FDAで認可されました。食事の影響を受けませんから、食後にイソトレチノインを飲むことが難しい患者さんに適した薬剤です。

アブソリカと従来のイソトレチノインとの効果の違いですが、過去に行われた20週間の比較試験では、従来のイソトレチノインのほうが成績が上でした(統計上は有意差なし)。成績が従来のイソトレチノインよりも上回っているのであればまだしも、現状は価格も高いことから、どうしても食後にイソトレチノインを飲めないという人以外は、使用する必要性はありません。

アキュテインについて詳しくは、「アキュテイン治療」のページをご参照ください。