Q.アキュテイン(イソトレチノイン)のジェネリック医薬品はありますか?ジェネリック医薬品だと効果は落ちますか?

実はAccutane(アキュテイン)という薬は現在販売されておらず、市場に出ているのはすべて後発医薬品です。Roaccutane(ロアキュテイン)という薬がありますが、これはアキュテインの製造元であるスイスのRoche社が製造した自社の後発医薬品です。

先発医薬品メーカーがジェネリックを作るのは変だと思うかもしれませんが、後発メーカーに市場を奪われてしまうくらいであれば、パッケージや製造方法を見直してコストを削減し、名称を変えて発売することで、少しでも市場を確保するというやり方なのでしょう。先発品メーカーが作れば、添加剤から製造方法まで完全に同一の医薬品ができますから、Roaccutane=Accutaneと見なして問題ありません(ただ、両者の剤形が変更されていますので、多少製造方法は変わっているのかもしれません)。

当院ではCipla社のIsotoroin(イソトロイン)をイソトレチノイン製剤としてメインで使用しています。また、薬剤が不足した際はRoaccutane(ロアキュテイン)を使用することもあります。

6~7年ほど前でしょうか。ジェネリック医薬品に含まれるイソトレチノインの成分量が落ちているという報告がありました。その後まもなくCipla社のイソトレチノイン製剤がリニューアルしたため、成分量について問い合わせしたのですが、成分量検査で問題は出ていないという回答を得ています。

どちらの薬も長年使用してきましたが、臨床的に効果の違いはありませんので、ご安心ください。ちなみに、当院の患者さんで両方使われた方は何人もおりますが、ロアキュテインよりイソトロインのほうが効果があったと言われる患者さんの割合のほうがなぜか多いのですが、内容成分から考えても両者に効果の違いはないはずです。

Accutane(アキュテイン)はスイスのRoche社が1980年代に出した最初のイソトレチノイン製剤ですが、2002年に特許が切れて、その後Amnesteen、Claravis、Sotretといったジェネリック医薬品に市場を奪われてしまいました。アキュテインの売り上げは、ついにイソトレチノイン製剤全体の5%以下に落ち込んでしまい、2009年にRoche社はアキュテインの製造を中止しています。アメリカでは市場を奪われて撤退しましたが、その後名称をRoaccutane(ロアキュテイン)に変更して他国への進出しています。

アメリカではほとんどがジェネリック医薬品に移り変わっており、さらにアキュテインの製造が中止されたにもかかわらず、現在でも多くの人がイソトレチノイン治療をアキュテイン治療と呼んでいます。日本人より重症ざ瘡患者が多いアメリカで、それだけアキュテインのインパクトが強かったのだろうと推測しています(副作用でもいろいろ問題が起こりましたから、そのインパクトもあったのでしょう)。

上記のような理由から、日本でも未だに多くの患者さんがイソトレチノインという名前ではなく、アキュテインという名前を使用していますが、厳密にはアキュテインという薬はすでに存在しません。当院でも便宜上、イソトレチノイン製剤による治療をアキュテイン治療、イソトレチノイン製剤をアキュテイン(イソトレチノイン)という表記にしていますのでご了承ください。

アキュテインについて詳しくは、「アキュテイン治療」のページをご参照ください。