ホルモン療法によるニキビ治療9

今回ご紹介する患者さんは、20代前半女性で、中学生ごろからニキビに悩まされていた方です。学生時代に皮膚科にて抗生剤、漢方薬、ベピオゲルなどの保険治療を受け、いったんは改善したものの、社会人になってストレスのためか、再度ニキビが悪化してしまいました。その後、以前効果のあった保険治療を行いましたが改善せず、他院で低用量ピル(ファボワール)の処方をしてもらうも、それでも改善しないため、当院を来院されました。

治療前の写真

重症ではありませんが、頬~顎を中心に細かい白ニキビと赤ニキビが混在しており、ニキビのせいで肌の凹凸が目立ちます。前医で飲んでいたファボワールから、男性ホルモン活性を抑えられるタイプのピルへ変更し、スピロノラクトンを加えて治療を開始しました。

1年後写真

ホルモン剤によるニキビ治療の場合、アキュテインと異なり、改善するまでおおよそ4ヶ月ほどかかります。また、初期悪化は長くて3ヶ月続く場合があり、早く治したいという方には向きませんが、できるだけ副作用が少ない治療を行いたい方には適した治療方法です。

下記の写真は治療開始から1年経過した後の写真です。新生ニキビはゼロになっており、細かいニキビで埋め尽くされていた頬と顎は、元のきれいな素肌に戻っています。細かいニキビの場合、大きな炎症性ニキビよりも治った後の凹凸や色素沈着が残ることは少ないため、キレイに治っていきます。

治療内容・副作用・リスク

男性ホルモン活性が少ないタイプの低用量ピルに変更したことと、スピロノラクトンを100mgから開始したことで、著名な改善を認めました。ホルモン治療のメリットとしては、抗生物質などと比較して副作用が少ないことが挙げられます。生理痛も軽くなって規則正しく生理(出血)が来るため、PMSがある方や生理不順がある方にもお勧めできます。

デメリットは、再発率が高いことです。スピロノラクトン単独の治療では9割以上の再発率となり、ピルを併用しても6割程度の再発率となります。副作用比較的少ないものの、血栓症のリスクや乳癌、子宮頸がんのリスクなど、注意しなければならない副作用もいくつかあります。

低用量ピルの副作用のリスクについては、「ピルの副作用にはどんなものがありますか?」を、ホルモン治療の料金については、「ホルモン療法の治療費用」ご参照ください。

治療期間

アキュテインの治療が6ヶ月間で終了するのに対し、ホルモン治療の場合は平均して2年~3年と長期に飲んでいただくことが多くなります。

やめると再発してしまうリスクもあるため、ニキビの病勢(びょうせい:病気の勢い)が落ち着くまでは、5年以上継続しなければならないこともあります。

例え根治に繋がらなかったとしても、ニキビが酷くなることを抑えることは、肌にとっては大切なことです。なぜなら、ニキビができ続けると、ニキビ跡の色素沈着(赤みや赤黒いシミ)や、凹凸が増えてしまい、最終的にニキビが治った後も、ニキビ跡がずっと残ってしまうことがあるからです。

特に凹み(ニキビ跡のクレーター)は、一度出来てしまうと元には戻らないため、対症療法になったとしても、一定の期間ニキビを抑え続けることは有意義であると考えられます。

こちらの症例について詳しくは、ブログの「ピルとスピロノラクトンによるニキビ治療症例」をご参照ください。

 

写真は、治療を受けている患者さんのご厚意にて掲載させていただいており、美容目的ではなく「ニキビの治療」という観点から写真を掲載しております。見やすくなるように補正は行っておりますが、修正は行っていません。
※写真の無断転載を固く禁じます